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会社とは。会社員とは。仕事とは何なのか。を、退職理由から少し考えてみた話。

 新卒で入った会社、勤続20年を目前に退職した。

 辞めた理由は色々あるが、最大の理由は
「もうここでは自分には何も出来ないし、ここで何もしたくない。」
今思い出しても、もう1秒たりとも1ミリも居続けたくない場所だ。
辞めて3年が過ぎたのに、未だに時々会社の夢を見る。
決まってほぼ悪夢だ。

 決断の最大の要因は、精神を病んでしまったこと。
何をやっても上司から駄目だ失敗だと怒られ、やることなすこと否定され、存在価値がないと罵られた。
どんどん考える力が無くなり、頭が真っ白になり、また怒られる。
上司からの叱責が怖くなり、ある日とうとう出社できなくなった。

 心療内科へ行くと、即座に「適応障害」という診断書が出て休職できることになった。2ヶ月休んだが、会社からは特に何の連絡もケアもなく、同じ部署へ復帰して、続くわけがない。2ヶ月だけ行って、また2ヶ月休んだ。

 これ以上この場所に居続けることは、死ぬのと同じぐらい嫌。
この苦痛が続くなら、いっそもう死んでしまったほうがマシだと思った。
でも、死ぬくらいなら・・・ もっと楽しく生きたい。
 そう思って、退職を決断した。


 今思えば、会社とは、会社員とは、一体何だったんだろう。
そんなことを今更考えてみる。

 会社とは、仕事をする場所だ。
仕事とは、誰かが成し遂げ得ないことを、代わりに、或いは協力して成し遂げること、だとぼくは思っている。つまり、成し遂げることがゴールであり、不可能を可能にした対価を得る。そう考える。

 だが、現実のあの会社は、とても変な場所だった。

 成し遂げ得ないことは己の能力のなさと勘違いしている輩が、そのことを隠すため、同じく成し遂げ得ない人々の背中をその論理で後ろから蹴飛ばす。

 まさに、THE BLUE HEARTSの「TRAIN TRAIN」の歌詞である。

「弱いものたちが夕暮れ さらに弱いものを叩く
 その音が響き渡れば ブルースは加速していく」

 自分を優位に見せる(魅せる)ため、周りに成果をアピールしまくり、上司や役員に媚びを売り、それをこれまた見る目のないバカな連中が、そんなクズみたいな輩たちを上に上にと押しやる。そういうのが苦手で拒否しても、そうなることを暗に求められる。そのレールから外れると、安月給で下っ端なまま飼い殺されるか、立場を失って会社を去るしか選択肢がない。

 話を戻そう。

 会社とは、仕事をする場所なのである。
上記のような、無駄なことに終始している時間はないのである。
しかし、ぼくが居たあの会社を含め、多くの会社がだいたい似たり寄ったりという話をいろんな所で聞いて、ため息ばかりついていた。


 先日、日本のGDPがとうとうドイツに抜かれ世界4位に転落、というニュースを見た。「失われた〇〇年」がもうあと何年続くか分からないが、しばらくはこのままだろうなと思う。多くの日本企業が、今も上記のような惨状であり続けるのなら。

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