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[郷土料理シリーズ]奥が深い、郷土料理の世界! 北海道いかめし編
日本には、海鮮や肉などその土地ならではの食材を使って、伝統的な調理法で作られる「郷土料理」がたくさんあります。
このシリーズでは、日本各地の美味しさと魅力が詰まったとっておきの郷土料理をご紹介!
第1回目の今回は、北海道の「いかめし」にフィーチャーします。
ご飯といかの絶妙なバランス! いかめしとは?
いかめしとは、はらわたといかの足(げそ)を取り除いたいかのお腹にお米を詰め込み、醤油ベースの甘辛のタレでじっくり炊き上げた郷土料理です。もち米を使うことが多く、中に詰める具材にげそを細かく刻んだものや竹の子、山菜などを使うこともあります。
いかのうま味がお米にしみ込んだ、滋味深い味わいが魅力。
北海道の函館地方や渡島(おしま)地方などで広く親しまれており、地方色を感じさせる料理として駅弁にもなりました。函館本線森駅のいかめしは、全国の駅弁でもトップランクの知名度と人気を誇っています。
節約レシピが始まり!? いかめしの誕生
いかめしが考案されたのは、第二次世界大戦中の食糧統制下、米不足が深刻だった頃といわれています。
北海道の道南地方ではもともといかが大量に水揚げされていたため、お米を節約するためにいかの中にお米を詰め込んだいかめしが生み出されました。安くて栄養価が高く、少しのお米でお腹がふくれる食べ物として評判を呼び、それが北海道中に広がったのです。
日本では1年を通して様々な種類のいかが水揚げされているので、いかめしも季節を問わず楽しむことができます。おかずとしてはもちろん、子どものおやつや大人の酒の肴としても楽しまれているのだとか……。
そこで、いかめしを作ってみることにしました。
予想の斜め上を行く美味しさ! いかめしの簡単レシピ
![画像1](https://assets.st-note.com/img/1630024688050-ULtPSzejeD.jpg?width=1200)
【 材料 】2人分
・するめいか 3杯(下処理済み)
・もち米 1カップ
・しょうが 1片
・しょうゆ 小さじ1(もち米用)
☆煮汁
・砂糖 大さじ2
・しょうゆ 大さじ2
・酒 大さじ2
・みりん 大さじ2
・水 300mL
【作り方】
1:もち米は研いで、30分程度吸水させる
2:しょうがを皮ごと薄切りにする
3:するめいかを流水で洗って、キッチンペーパーで水気をふきとる
4:1にしょうゆ小さじ1を混ぜる
5:するめいかの胴にもち米を詰める
(いかは煮ると縮みやすくもち米は膨らむので、胴の6割を目安にもち米を詰める)
![画像2](https://assets.st-note.com/img/1630024735068-e1bvrOSMWe.jpg?width=1200)
6:つまようじで銅に穴を開けてから口を閉じる
![画像3](https://assets.st-note.com/img/1630024789445-c0jCQu6XCH.jpg?width=1200)
7:煮汁の材料を鍋で沸騰させる
8:6を入れて落としぶたをし、鍋のふたをして弱火で30分程度煮る
![画像4](https://assets.st-note.com/img/1630024830627-FMDfybCeNB.jpg?width=1200)
9:時間になったら火を止めてそのまま鍋で冷ます
![画像5](https://assets.st-note.com/img/1630024867808-cPjthVvppX.jpg?width=1200)
するめいかをさばくのはちょっとハードルが高いように感じたので、魚屋さんでさばいてもらいました。
するといかめし作りはびっくりするくらい簡単になるのですね。
するめいかにお米を詰めて炊くだけなので、料理のために手を動かすのは10分くらいで済みます。いかめしは冷める間に味がしみ込んでいくので、出来上がりを食べたいところを少し我慢。
人肌に冷めてから切り分けて食べてみると……いかのうま味がご飯にしみて、シンプルながらガツンと力強い味わいに驚きます。
噛むほどに豊かな風味が深まり、するめいかの柔らかさとお米のモチモチした食感のコントラストもたまりません。
余ったげそはサッと茹でてからきゅうりと混ぜ、すし酢で和えて副菜にしました。甘辛のいかめしには、このようにさっぱりとした副菜がよく合います。
夏の暑い夜、キリっと冷やした日本酒と一緒に涼を取ってみてはいかがでしょうか?
![画像6](https://assets.st-note.com/img/1630024915876-FhxClMfiVs.jpg?width=1200)
北海道・道南地方の食文化に根ざした伝統食いかめし。
駅弁でもおなじみの郷土料理が、家庭でも簡単に作れることができました。上手に作るポイントは、魚屋さんにいかをさばいてもらうことかもしれません。この手間がないだけで、難しそうな郷土料理も時短レシピへと昇華。
炊きあがりのぷっくりとした姿も可愛らしいので、必見ですよ。
この夏は、見た目も味も美味しい、いか料理をぜひ食卓に!
この記事を書いてくれた人:井上リエ
プロフィール:東京都在住。図書館司書を経て、ライター活動中。食べること料理すること、玄米とワインを愛する食いしん坊。
趣味はヨガ、旅行、ハーブの栽培で、健康と美容への探求心も旺盛。