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薪のお風呂の焚き方から見る、睡眠の哲学
数年前の夏のこと、私は随分ひさしぶりに朝まで一度も起きないで、朝を迎えた。
夜中に一度も目が覚めないまま、朝を迎えた時の気持ちのよいこと!
めったにない・・・というか、結婚して初めてだったかもしれないくらい、珍しいことだった。
たいてい、寝つきは悪いし、午前3時にトイレで目が覚めるが、そのとき、深く眠れたことに心当たりがひとつあった。
その日の前日、めったにない長風呂だった。
14~5分くらいだろうか。
でてきたとき、仕事の疲れとはまた違った、心地よい疲れを感じた。
長風呂ののちの、心地よい疲れだなんて感じたことがなかったから、驚いた。
その日は寝つきがよく、朝まで眠れ、めったにない爽快な気分で起きることができた。
うちは、薪のお風呂で、いつもなら3分お風呂に浸かれたら上等。
私が風呂焚き係になってから、ようやく3分だ。
それまでは1分ほど。
お風呂の中で、時間を数えるから間違いない。
それ以上は、熱くて浸かっていられないのだ。
もともとの風呂焚き係は主人。
主人が仕事から帰って夕方焚いてくれていたのだけど、出産前に畑に行けなくなったときに、私へバトンタッチ。
産まれてこの方、薪なんて焚いたことがなかったものだから、言われるがままに焚いた。
新聞紙を放り込み、親戚の木材屋から分けていただく木くずをたして、着火。
薪を次から次へと放り込む。
熱いな・・・と感じつつ、薪の風呂ならではのことなんだと、妙に納得しつつ長い年月がたった。
あの日は、あまりに仕事に疲れたから、ゆったりとお風呂に浸かりたいなと、感情が湧いた。
それまでの薪の風呂を焚くにあたっての、得た知識
①お風呂の水は、山から引いている水で、夏と冬では水温が違うため、薪の本数を心得ること。(急に気温が下がったり、あがったりするときも同じ)
②特に焚きつけはじめは、酸素の通り道を上手に作ってあげないと、火が消えることもあるので、注意して確認すること。
それに加えた手間がひとつ。
お風呂を焚いている途中で、加減をみながら、コマメに薪を加えていく
加減の良いお風呂を焚こうと思えば、当たり前のことなんだろうけど、はっきりいって面倒だ。(誰もそんな焚き方をしているのを見たことなかったし)
スイッチポン!で、焚けたらいいのに・・・。
と思うものの、ムリだから、加減を見る手間を加えた。
お風呂の加減によって、薪の太さなども加減。
この手間を加えることによって、ゆっくり浸かれる具合にお風呂を焚くことができた。
お風呂でしっかりあったまって、深部体温を上げておくと、1時間半~2時間後、深部体温が下がるタイミングで、自然と眠くなるらしいとは、聞いたことがあるが、それを体験した形となり、寝つきが良くなった。
また、深い睡眠が取れているようで、目覚めがよくなった。
<<お風呂の焚き方と睡眠>>
お風呂に浸かる時間 → 睡眠
1分から3分(熱くて長く浸かれない)
→ 寝つきが悪く、必ず3時に目覚める
10分未満(そこそこ、長く浸かれるが、少し熱くてそれ以上は無理)
→ 寝つきはそこそこ良いが、夜中1回目覚める
10分~15分ほど(ゆっくりのんびり浸かれる)
→ 寝つきがよく、夜中目覚めないことも。
深部体温をしっかりあげるよう、身体の芯まで温まるのが大事なようで、長く浸かっても、お風呂の温度が低すぎてもダメなようだ。
以降、私の薪風呂を焚く腕はあがった。
と言っても、そうそう毎回同じように焚けないのが、薪の風呂だ。
たいてい、気を付けていても、少し熱くなってしまい、ぎりぎり10分浸かれる程度だ。
薪の焚き終わりになると、クイッと温度が一気にあがることもあるし、私は入る時間が早いから、皆お風呂に入る時間がバラバラで遅いので、「火だね」を切らすことはできない。
出ると、「火だね」が切れないよう、薪をたしておくのも忘れない。
といえども、なかなか10分以上長々と入れる状態のベストな加減に焚くのは難しい。
だから、たまに焚けたときには、ひとりつぶやく。
私って、風呂焚きの天才?!🤩
そして、極楽気分で存分に自分で焚いたお風呂を味わう。
それくらい、薪で程よい焚き加減にするのは至難の業なのだ。
(ほんとに!)
熱くて数分程度で切り上げていた時には、もちろん、身体は温まるけど、
いわば、ステーキでいうと「レア」状態で、身体の芯までは焼けて(温まって)いなかったのだろう。
10分程度入浴していると、身体の芯まで温まっている実感があり、2時間後には眠くなり、3時間後には熟睡している。
「カラスの行水」程度の入浴をされている人で、寝つきが悪く、寝不足感がとれない人がいらしたら、じっくりゆっくり温まることを意識して試してみてはどうだろうか。
「睡眠」に関しては、全然ちがうと思いますよ。
ただしごくまれに、睡眠前にストレスや考え事が頭を巡ったり、その時間帯に、主人と(良くも悪くも)会話が盛り上がると、睡眠が遮られるみたいで、睡眠前は、静かに過ごすのがよさそう。
ちなみに、私はたいてい一番風呂をいただいています。
(朝起きるのもイチバン早いので)
嫁いできた当時に、一度、義父の了承を得ましたが。
義父は自分の気が向いたタイミングでしか、入らないので、一番最後。
息子は、いちばん良い加減で焚けたところを、スッと入るのが得意。