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【AI分析で解明】アポイント獲得率を飛躍的に伸ばすメールの書き方

あらゆるセールスパーソンが最初に直面する「アポ獲得」という壁。
アポ獲得率の違いは商談成約数にも大きな差をもたらす。
本記事では、シリーズ累計18万部突破の『AI分析でわかった トップ5%社員の習慣』著者の越川 慎司氏から、トップ5%セールスパーソンが実践しているアポイントの取り方を学ぶ。

※記事中の用語説明
5%セールス=3年連続で目標達成し続けて、かつ社内の営業成績がトップ5%に入っているセールスパーソン
95%セールス=5%セールス以外の一般セールスパーソン

時代が変わり、アポ取りの難易度は上がっている?

オンラインツールが普及し、インターネットを通じて、気軽に商談や打ち合わせができるようになりました。顧客の約25%がオンライン商談を望む理由の一つは、オフィスでわざわざ来客用の会議室を予約せずに済むからです。

しかしながら、顧客が気軽に時間を割いてくれるわけではありません。
2019年の労働基準法の改正(いわゆる働き方改革関連法の施行)によって、時間外労働の上限が設置されました。以前よりも残業がしにくくなっているのです。
一方で少子高齢化が進んでいることから、87%の企業が人手不足を感じており、少ない人数で仕事を回さないといけない企業が増えています。
このように顧客側の時間が足りない中で、商談の約束(アポ)をとることは、以前より難しくなっています。

新規営業に関していえば、コロナ禍以降、飛び込みセールスは制限されています。なので、アプローチ先の企業のサイトの「問い合わせフォーム」から営業アポを依頼するケースが増えています。
既に取引がある顧客に対してアポをとる際は、メールでオンライン営業を打診したり、電話やビジネスチャットを駆使してオンライン商談のアポをとりつけたりしています。

時間がない顧客に「時間をください」とだけ伝えてもアポはとれませんから、用件を端的に伝えることが必要になります。
そこで、5%セールスがどのようにアポをとっているかを分析しました。

5%セールスはアポ獲得のパターンを探っている

5%セールスは既存顧客から信用を積み重ねていますから、95%セールスよりはアポがとれやすいようです。
しかし、関係構築ができていない顧客や新規顧客に対しては、多くの試行錯誤を重ねながら「アポがとれやすいパターン」を探っていました。

「社長、中途採用を増やすための新サービスを紹介したいのですが、オンラインで30分もらえませんか?」

95%セールスがアポをとるためにしていたセールストークは、こんな感じでした。
新サービスを紹介したいのは分かりますが、この説明では相手が興味を持って時間を提供してくれることは難しいでしょう。

私たちは、5%セールスがどのように説明しているかを調査・研究しました。
すると、5%セールスは商談本番の際、5ステップのストーリーで説明している人が多いことを発見しました。
これは、企画書のストーリーと似ていると感じました。 「企画でメシを食っていく」を主宰しているコピーライターの阿部広太郎さんが提唱しているストーリーと似た流れでした。
企画も提案も「相手を動かすこと」が目的ですから、普遍的な動かし方があるのかもしれません。

〈参考文献〉 『それ、勝手な決めつけかもよ?』(阿部広太郎、ディスカヴァー、2021)

5%セールスに共通するアポ獲得メールの5ステップ

5%セールスが顧客に提示するストーリーは、以下の流れでした。
①疑問
②調査
③解釈
④本質
⑤変化

まずは、顧客が抱えている問題や、顧客を取り巻く環境に疑問を呈して、調査した結果を共有します。その調査結果によって、自身が持った解釈と捉えた本質を説明します。
最後に、本質を理解したうえで、解決策を提示するのです。

この5ステップストーリーのうち、どの項目を事前に伝えたらアポがとれやすいか、約7400名で行動実験しました。
すると、調査結果など一つの項目だけではアポがとれにくく、最後の変化(解決策)を伝えても納得してもらえないことが分かりました。
そこで複数の項目を説明するようにしたところ、第2ステップの「調査」と、第4ステップの「本質」を伝えると、アポがとれやすくなることが分かりました。

たとえば、以下のようなセールストークです。
「社長、同じサービス業の雇用状況を調べたら(②調査)、報酬ではなく募集方法で採用を増やしていることが分かりました(④本質)。募集方法の詳細について説明したいので、オンラインで30分いただけませんか?」

アポをとる際には、相手のメリットを意識して、そのために必要な本質をほのめかすことにより、顧客に興味を持ってもらい時間を割いてもらいやすくなるようです。

電話でもメールでもチャットでも問い合わせフォームでも、②調査と④本質を入れてアポの依頼をすると成功する確率が高くなりました。
なかにはアポの獲得確率40%以上になるケースもあり、商談設定件数の向上に貢献できたのです。

さらに詳しく知りたい人は

『AI分析でわかった トップ5%セールスの習慣』では、著者の越川慎司氏が800社、2万1000人の営業職をAI分析で徹底解剖して解明した、"再現性の高い"行動ルールをまとめています。
気になる方は是非読んでみてください。

〈目次〉
第1章 顧客との「すれ違い」はなぜ起こるのか?
第2章 5%セールスの意外な共通点
第3章 95%セールスが良かれと思ってやってしまうこと
第4章 5%セールスのシンプルな思考と行動
第5章 5%セールスは周りを勝たせる
第6章 オンライン商談の成約率をアップさせたアクション
第7章 5%セールスの習慣を実践する方法

著者について

越川慎司(こしかわ・しんじ)
株式会社クロスリバー 代表取締役CEO
国内外の通信会社勤務を経て、2005年にマイクロソフト米国本社に入社。のちに日本マイクロソフト業務執行役員としてPowerPointやExcelなどの事業責任者。2017年に働き方改革の支援会社であるクロスリバーを設立し、メンバー全員が週休3 日、複業(専業禁止)を実践。800社以上の業務改善、会議改革や事業開発を支援。講演・講座は年間400件以上で平均満足度は94%。
著書に『AI分析でわかった トップ5%社員の習慣』(小社刊)、『仕事ができる人のパワポはなぜ2色なのか?』(アスコム)、『17万人をAI分析してわかった いやでも成果が出る考動習慣』(アチーブメント出版)、『29歳の教科書』(プレジデント社)など多数。

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