人追わずしてコロナ追う
Ephemeral Identifier を使った新型コロナウイルス対応とプライバシー保護の最新解決策 ”Decentralized Privacy-Preserving Proximity Tracing”
日本において「新型コロナウイルス接触アプリ」が導入されてから早数週間が経った。
アプリのダウンロード数は7月1日までに約489万件に達したものの依然としてターゲットの人口の6割には程遠い現実にある。また、プライバシー保護の観点からそれらの追跡に対する懸念や反対の声も世界中で挙げられている。
最近では「夜の街」での感染者が増えているものの、利用したお店の性質上関係者が情報公開に対して積極的でなく濃厚接触者の追跡が困難を極めているとのことである。
では、個人情報を公開せずとも、感染者の追跡及び濃厚接触者への通知(コンタクトトレーシング)をすることはできないだろうか?
Nicky Case らが提唱する"Decentralized Privacy-Preserving Proximity Tracing"は解決策の一つとして期待されている。
簡潔にいうと
ロジック
・それぞれの携帯がランダムなハッシュ(乱数) で構成された "epehereal identifiers"を持つ。
・一定の距離内に人同士が接触するとbluetooth low energy beaconsを通してお互いの"epehereal identifiers"が交換され記憶される。
・ある人がコロナ陽性と判明した場合 その乱数を持つ人、すなわち一定期間内にその人に接触した人の携帯に通知がいく。
・"epehereal identifiers"は個人情報と連携していない為、プライバシーが保護される。また、陽性者が自分の行った店舗や会った人を自己申告する必要性もない。
具体例
1
Aさんはレストランに友人と行った。レストラン内の隣のテーブルでは食事をしBさんが食事をしていた。bluetooth low energy beaconsを通して、お互いのepehereal identifiersが交換される。
2
後日、Bさんがコロナに感染していることが判明。Bさんのepehereal identifiersを持するAさんに通知がいく。
3
Aさんは陽性反応が出る前に自主隔離及び検査をする。つまり、Aさんが潜在的感染者として無自覚のうちに再度外出し他の方に感染を広げることを抑えられる。
プライバシーを保護しつつContct Tracingをすることができる日も近いかもしれません🐰
詳しくは関連動画から
White Paper: https://github.com/DP-3T/documents/blob/master/DP3T%20White%20Paper.pdf
実はコロナ以前からGoogleが似たような提案をしていたり。たり。