映画監督原田眞人の作家性
本日は
映画監督原田眞人監督についてお話ししていきたいと思います
作品群
近年の作品は岡田准一主演の関ヶ原、ヘルドッグス
安藤サクラと山田涼介のバッドランズなどありますが
自分があげたい代表作は
デビュー作
さらば映画の友よインディアンサマー
ガンヘッド
カミカゼタクシー
突入せよあさま山荘事件
クライマーズ・ハイ
日本のいちばん長い日
などがあげられと思っています
ちなみに
ガンヘッドに関してはいつか個別で記事にしていきます、あれは色々と書く事山積みなので笑
デビュー作 さらば映画の友よインディアンサマー
1979年公開 Amazonプライムでも配信中です
川谷拓三主演で浅野温子などが出演しており
監督本人のセルフ自伝映画のような雰囲気漂う
いい意味での演出も含めて青い、青春映画ですね
原田監督自身の映画愛がたくさん詰まっておりまして
タクシードライバーのようなクライマックスだったり雨に唄えばだったり
どことなく
アメリカ映画の雰囲気が常にただよう映画で
のちの原田作品特有の台詞回しや編集や演出もすでにこの頃から見えています
ある意味で完成しているとも言えるしこの作品そのものを送り出してこれから映画監督として自分が世に出ていく野心的な部分も感じる映画です
原田監督自身が映画評論家としてまずは世に出ており映画そのものの相対的な部分を映画の中に落とし込んでいるのでこの映画そのものがどこかメタ認知的に映画そのものを表現しているようにも感じます
30歳あたりでこの映画を完成させるパワーはすごいなと思いますね
ただ、Amazonプライム配信時にデジタルリマスターされてるとはいえフィルムの劣化と保存状態が著しく良くなかったのか
プリント版しかなかったのか
作品としての映像の質そのものはリマスターされてるとはいえ高いとはいえないです
勿体無い!
原田眞人最高傑作
カミカゼタクシー
自分としてはこれが最高傑作なのではないかと
常々思っています
カミカゼタクシー以上に
バイオレンスエンターテイメントができていて
尖っていて、原田節全開の、癖もあって
面白いのはこれにおいて他にないんじゃないか?と
元々はVシネとして上下巻のVHS作品として世に出た映画ですが
後に再編されて一本の映画として完成されました
完璧版としてVHS版を推す人もいるようで
ドキュメンタリー映画のように映画内のキャラクターがインタビューを受ける部分がインサートされる
面白い変な映画になっております笑
役所広司と原田眞人映画の関わりを深めたのもこの作品からだと推察されるのですが
主演のそのキャラクターがペルー人設定
カタコトの日本語セリフを喋るという面白い設定
この時の役所広司の顔立ちを確かによくみてみるとアンデス山脈にいそうかも?笑
音楽も秀逸でストーリーラインに音楽も関わってくるのでそう言った意味では成功しているともいえますね
この映画で出色の出来なのが
クライマックスのカンタケ(役所広司)ヤクザ事務所
殴り込みシーン
アクションのテンポ感、キャラクターに根差した戦い方
それに一瞬だけ残弾数をチェックしたり、、
一つ一つの細かい描写がすんごくいい
映画的や銃撃活撃ってこういう描写をいうのだと思う
ただ、パンパン打ってるだけ
じゃあお客は飽きる
原田眞人監督の特徴
・流れるようなセリフ回し
・シーン始まりなど突然挟み込まれる
突拍子もない演出
・独特の美術
・お芝居シーンの素早いカット割
・制作費以上を感じさせない絵的な豪華さ
・登場人物がハードな目にあうほど
冷静なキャラクターのお芝居
・独特やキャラクター名
・オリジナルシナリオであるほど
原田節が際立つ
・ノンフィクション原作だと
上記の原田節が良い方向に転じやすい
・牧歌的なシーン
・視点が常に第三者的、物語の語り部は常に
原田眞人監督の視点から繰り出される
などなど
原田映画に通ずるハリウッド英語圏的な映画制作
原田眞人監督は
20代で語学留学などを通して英語を身につけており
言語的な知覚部分が、日本語しか話さない
純粋な日本人であるがゆえの画一的な映画手法から
脱却している部分があり
そこがある意味でいちばん興味深く面白い
日本で映画制作をする人たちは
どこか
いわゆる日本映画らしさに染まっていくのだが
映画制作を通して日本の映画制作的システムに
染まらざるおえなく
クリエイターの本心としてはそういった作り方を
したくなくてもそうなっているシステム構造もある
だが
原田眞人監督の映画はそうはならない
日本映画でありながら日本映画らしさを感じさせない作りになっている
あとがき
サムライマラソン
佐藤健主演の映画で
ハリウッドでキャンディマンを撮った監督に
プロデューサー
ジェレミートーマス
が仕掛けた映画で原田映画を感じたことがあった
日本語の流れるような台詞回し
第三者的な撮影手法
芝居シーンの細かいカット
欧米における
映画撮影手法の根本が通じているのは
こういうところにあるのだな
っと再確認した
そういえば原田眞人監督は
ハワードホークスや
1950年代や40年代の黄金期的ハリウッド通であり
なるほど、、やっぱりか、、っと
思った次第である