自衛官の息子の俺が見た、映画シビルウォー ※ネタバレ
今日は現在公開中の
社会派映画シビルウォーについて書いていきたいと思います
ネタバレを含みますので気になる方はこれ以降は読まないようにお願いします
劇場は数人程度の入りでほぼ貸し切り状態でした
ただアメリカ本国では大ヒットを記録して
そのリアリティとこの映画に起こっていることが
アメリカの観客が現実への恐怖を感じているという点で
非常にセンセーショナルな映画だと思います
あらすじ
上記ウィキにはストーリーすべてが載ってますのでアクセスの際にはご注意ください
監督・脚本のアレックス・ガーランドの作家性
社会的風刺を得意とするようなシナリオテリング
が特徴の映画作家である
20代で小説家デビューしておりますが
この人
父親が風刺画家
母親が心理学者
物語を作るのにこれ以上にないくらい
必要な才能の両親のもとに生まれたサラブレッド
なんですよね
作品群を見ても
SFという視点を入れつつ
しっかりと社会の写し鏡としての
物語を描写していく
イギリス出身の現在オスカー監督
ダニー・ボイルと組んで
化学変化を生んだ
28日後が傑作になるのもうなずけるような
感じがします
今作は
ゾンビの出ないゾンビ映画を思わせる
作りになっており、それ自体はまるで
セルフオマージュのようでした
エクスマキナ
アナイアレーション
というSFディストピア映画を監督して
今作と合わせてみてほしい一本になっております
アメリカの分断
この映画における
アメリカの分断は現在起こっている
といっても過言ではないと思っています
権力を私物化した大統領により
分断は起こり続け
戦争が起こり
水を求めて市民は右往左往して
国内テロも起こる
絵にかいた最悪の事態でも
ジャーナリストの戦争カメラマンの主人公は
世界は変わると、信じる
やったところで変わらないと感じても
やめたくてもどこかで追い求める
自分自身と葛藤して
地獄の内戦を撮り続けてしまう
ジャーナリストという
分断を世界に知らせ
分断をつなげる役割の視点から
この映画は語られるが
残酷にもおっていけばおっていくほどに
分断は深まるのである
深まり続けた分断の先にある
この物語の着地点として
「内戦終結」≒大統領の死
しかないところに
社会システムの構造的問題があらわになる
結局は戦争を続けていき殺さなければない
人の死や争いを平和をもたらそうと
いくらもがいても
撮れる写真は結果的に人の死でしかないのである
ディストピア映画ではあるこの映画だが
実際問題の出来事として観客は
ある意味現実を見させられてしまうのだ
この映画はそれとともに内戦状態における
人々の在り方を映し出す
誰が敵なのか味方なのかわからない恐怖だ
プレスとして現地に取材に行っても
発言一つで銃殺されるかもしれない
内紛状態のため誰が誰と戦っているのか
わからない
そもそも映画の中で
なぜ戦っているのか?
なぜ協力し合っているのか?
そもそも描かれないのだ
それこそ観客を混乱させる要因にもなっているのだが
これがこの映画のやりたい事なのだろう
観客を混乱に陥れ
内戦とはこういったものだ
っと突きつけている
最早ホラー映画だ
自衛官の息子として、軍隊の怖さ
兄が自衛官で父も元自衛官の自分の視点から
この内戦という状況を見てみたときに
やっぱり軍隊って
そして
全体意識の流れとして戦争は怖いなって
シンプルに思いました
っていうのも
とある幹部自衛官に聞いてみたことがあります
俺「ヒトラーみたいなやつが総理大臣になって
独裁政権を選んだ場合、
ナチスドイツのドイツ軍みたいに平気でホロコーストなど
主体的に虐殺行為に加担して国民に銃を向けるのか?」
その答えは…
・「国民が選挙で選んだのがヒトラーみたいなやつでそういった
国内情勢になったら、やらざるおえない
軍隊事態に意思はない」
俺「なんで意思はないのか」
・「軍隊というのは絶大な武力というパワーを持っている。武力が意思を持ってしまったときに制御ができない場合がある、武力権力の一局集中は非常に危険」
俺「たとえばクーデターなどして政権を打破できたりしないのか」
・「当然起こりえる可能性はあるが時と場合と数などによってそれが成功になるか失敗になるかはわからないクーデターが起きれば確実に国民にも死傷者が出るし当然無傷ではいられない」
これを聞いて自分は思う
国民の判断が世の中の流れを作るのだと
当たり前ではあるけど
そして
軍隊は巨大なジレンマを抱えている
パワーを持つがゆえに意思を持てないが
とんでもないやつが指導者になった場合に
その意思がないがゆえに
軍隊の命令系統上従わらず終えずなおかつ
国民にも銃を向けるかもしれないという事
今作では
そういった指導者に対して
反旗を翻した軍隊が描かれるが
国民に銃を向けている点では変わらない暴力である
意思が変われば敵になり
平気で人を殺す
その巨大な構造そのものに自分は
素直に怖いと
思った
あとがき
超怖いどうかしてる差別主義者的アメリカンを演じた
予告編にもでてきた
赤メガネのジェシー・プレモンス
主人公の戦場カメラマンを演じた
キルスティン・ダンストですが
実生活においては夫婦なんですよ
二人でなにやっとん!
って思ったのは内緒の話ですw