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ピーナッツソースのなぞ|ウガンダ生活
今週もこんにちは。思い立ち、ヘッダをデザイナーさんに作ってもらいました。いい感じです。
さて、今日も今日とてごはんの話。僕はウガンダ北部のアチョリと呼ばれる地域にいますが、常々書いているとおりここは料理がバリエーション豊富。薄味で日本人の口にも合うおいしさです。
そんなアチョリ料理に欠かせないのがオディと呼ばれるラッカセイ(ピーナッツ)&ゴマを挽いて作るペースト。野菜や魚、肉を煮たりするのに使いますが、一口にオディといってもいろんな種類があります。図にまとめたものがこちら。
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大ざっぱに分けると、オディはピーナッツとゴマの割合で5種類。ピーナッツだけのものからゴマだけのものまであり、料理によって合わせるオディの種類が決まっているものもあれば、どれで作ってもOKというものもあるようです。
オディは全体的にピーナッツベースで甘くなり、ゴマベースだと苦くなります。面白いのはこうした味付けにもきちんと理由があり、人々の間で使い分けされていることです。まさに食文化!
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例えば、上のマラクワン。必ずピーナッツ100%のオディで作るのですが、それはマラクワン(ハイビスカスの葉)が酸っぱく、苦いゴマのオディと組み合わせると合わないからだとか。
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こちらはラジャイ。屋台で買えるストリートフードで、キマメ(Lapena)をゴマ100%のオディと混ぜて、しかもその上からさらにゴマ100%のオディをもう一度上から回しかけるという(!)ボリューム満点な料理です。
アチョリの人々は「ラジャイとキャッサバを食べたら、あとは水だけで一日乗り切れるよ!」と豪語します(笑)。道路工事など肉体労働で汗を流す人たち御用達の食べ物なんだそうです。
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以前も紹介したラコトコト。ゴマのペーストを水で煮詰めて作りますが、作り方も色々あって、水にかける時、ゴマの油を一旦除いて仕上げで戻すことも、最初から油と一緒に火にかけることもできるそうです。
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ところで、アチョリ地域全体でみると、ゴマベースのオディは東部に多く、ピーナッツベースのオディは西部に多い。なぜか? ここにも理由があります。
それは作物上の特性。ゴマとラッカセイだとゴマのほうが一般的に乾燥に強い作物とされており、東部のほうが雨が少なく、乾燥しているのです。自分たちの地域に合った作物でオディを作っているのですね。
食は人々の暮らしや自然条件と深く絡み合っている。ほんとうに面白いです。ぼくは来週日本に帰ります。みなさん、よい週末をお過ごしくださいね。
(おわり)
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