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アフリカ暮らしのこよみ|ウガンダ生活
日本の都市とアフリカの暮らしの大きな違いは、季節にどれだけ左右されるかだと感じることがあります。
例えば、雲は出ていても、雨が降らない時。日本の街で暮らしていると「今日、傘持ってく?」で済むところが、アフリカだと「畑の作物が枯れてしまうかも」という切実な心配に変わるのです。
アフリカの農村では季節に生活を合わせます。農村人口の大半は農家で、雨が降らないと、食べ物を作るための農業ができません。下図はアフリカ、僕のいるウガンダ北部はアチョリ地域での一年をまとめたもの。
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雨季と乾季
アチョリの農村に暮らす人々は大半が自給自足の農家。99%は雨に依存する天水農業です。定職があったり、灌漑で水が好きな時に好きなだけ使えるわけではないので、雨に合わせて作物を栽培するのが基本中の基本。
アチョリには3つの季節があります。①3月中旬から7月中旬の第1雨季②8月上旬から11月下旬の第2雨季③8月上旬から11月下旬の乾季です。雨が降る雨季が2回、雨が降らない乾季が1回です。
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雲が出ても意外と雨が降らないことも多いです☁️
アチョリの珍しいのは、雨季が年2回あるところ。2回雨が降る季節があるということは、1年に2回作物を育てるチャンスがあるということです。天水2期作ができるアチョリ地域はアフリカでも恵まれた気候といえます。
農業
第1雨季には、まず食べるための穀物(主食)を育てる人が多いです。一番人気はトウモロコシ、他はサツマイモやモロコシ(ソルガム)など。トウモロコシは約100日で収穫できるので、3月半ばに植えると、7月始めには食べられます。
第2雨季には、売ってお金にできる作物(換金作物)を育てる人も。ゴマやラッカセイ、ヒマワリ(油用)や綿花などが人気。育てやすさや栽培期間、収益性、初期費用の多寡など特徴を見て、農家は好みの作物を栽培します。
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食料不足
しかし、農家が工夫しても、雨頼みの農業はうまくいくとは限りません。雨が遅れれば播種が遅れて、収穫も遅れます。不作の年もあるし、動物に畑を荒らされたり作物が病気になることもあります。天水農業は予想外の連続です。
ハードなのは第1雨季の収穫前。6月から7月にかけてのこの時期は多くの農家が食料不足に悩まされます。餓死する人はほぼいないですが、何日も同じものを食べるしかなかったり、親戚から食べ物をもらったりしないといけないことも。
学費の支払い
食料不足のもう一つの原因は子どもの学費の支払いです。特に小学生。ウガンダは3学期制で、2月と5月と9月に新学期が始まります。学費を前払いしないと子どもは学校に通えないので、親は育てていた家畜を売ったり貯金をはたいたりして学費を工面します。
公立校であれば、小学校は一学期25万ウガンダシリング(約10,000円)。高いと思いませんか? アチョリの人々の年間平均所得(約6万円)を考えると、学費の重さが分かると思います。
子供の教育はアチョリの人々の大きな関心事です。子供をきちんと学校に行かせてやりたいという人々の声を聞くと、胸を打たれます。
遠い国にいる、知らない人たちの暮らし。それが自分の「当たり前」と似ていたり違っていたりすることに、人間の面白さを感じるのです。また紹介しますね。みなさんも良い一日をお過ごしください🤝
(おわり)
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