ときに「無計画」もありだなと思う。
水彩画の新作です。
『Z očí motýl, ze slova světlo(目から蝶、言葉から光)』というタイトルをつけましたが、後付けです。
最近、テーマありき、コンセプトありき、設定ありき、で作品を作ることが多いなあと思い、久しぶりに、事前に何も決めず、筆に好きな色を含ませて、手の動くままに任せて描き始める、という方法で制作しました。
以前はよくそういった手順で作品を仕上げていました。特にボールペン画なんかがそうですね、まずガっと一本線を描いて、そこから発想するものを描き足していく、そんな風に進めていました。
その手法にも限界を感じ、自分の作るものは何かストーリー性のあるもの、見てくれる人にどこか「ニシッ」と笑ってもらえるところのあるものじゃなきゃ、自分らしさを感じられない、と思い、やめてしまったのも事実です。
でも、この年末にもう一枚何か描こう、テーマは何かな、と真っ白い紙を前に困ってしまいました。描こうと思った構図、表現が、ことごとく失敗するのです。
そこで、「コンセプトのないものは描かない」という縛りを外そう、と描いたのが今回の作品です。
別に抽象的なものを目指したわけでも、瞑想していたわけでも、自動筆記(?)を試みたわけでもありません。頭の中は相変わらず雑念と煩悩が満載です(笑)。
ただ、何も事前に決めなかった、それだけです。
マンガを描くのもイラストを描くのも楽しい、水墨でザっと引いた線が絶妙な滲みで対象物を描き出すのも楽しい。でも、たまには「描き出す対象を決めずに描きはじめる」というのも自分には必要なんだな、ということに気がつきました。何と言うか、セラピーのような作用があり、描き終わって、心の中の余分だったものがサクッと剥がれ落ちたような爽快感がありました。
自分以外には何の意味もなさない気づきだと思いますが、年末に、ちょっとしたお宝を見つけた気分です。
皆さまも、良いお年をお迎えください。