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Hahnemühleと、戯れる。

これまでnoteでは画材について結構な熱量で語らせていただいていますが(暑苦しいことこの上ないとは思いますが、ま、興味のない方は最初から記事を開くこともないのだろうと開き直っております)、画材と言っても今まで私が語ってきたのは主に絵の具と墨と紙について。水彩画、水墨画、アクリル画、ペン画と浮気性なものでいろいろ描いているわけですが、お気付きでしょうか、私、色と紙に関してはうるさいのに筆に関してはほとんど言及しておりません。
なぜって、こだわりがないから。

ある程度のクオリティが約束されたものであれば(つまりある程度のお値段が付いているものなら)使えないものに当たることはまずないので、お気に入りのブランドとか、ないのです。水墨画も書道ほどは穂先に気を使わないので何年も同じものを使っているし(さすがに楷書のお手本は穂先が整わないものでは書けないので定期的に新しいものを求めています)、水彩画も細かい描写をする細筆以外は結構バサバサになっても使います。と言うか、紙に擦り付けて色抜きなどに使うこともあるので、毛並みが揃わなくなってきたら荒業用に降格させて使い続け(同時に細部描写用に買い置きから新しいものを下ろします)、最終的に一度使い始めた筆は何年も使うことになります(そんなん使い方がなっとらん!という意見もあるかもしれませんが、私はそうしています、ということです)。

それでも新しく買い揃えなくてはいけない瞬間というのは来るもので、先日久々に筆だけのために画材屋さんへ行きました。行ってみたら、なんと今まで使っていた筆と同じ商品番号のものがなくなっていて、やっぱり定期的にチェックしとかないといけないのだなあ、と反省。
そこで代わりに何を選ぶかで、思いのほか時間がかかったわけですが、それでもKaoRuを画材屋に送りこんだら紙の物色に行かずに済ませられるわけがないのです。

で、出会ってしまったのです。
こんなものに。

こちら、私が日ごろ水彩で使っている洋紙だけでなく墨の作品の裏打ち紙にまでお世話になっているドイツの製造元Hahnemühleが「Watercolour Selection」と銘打って、水彩用紙14種を一枚ずつ収めたお試しセットなのです!

こんなの見せられたら(って、棚に寝ていたのを自分で引っぱり出したんですけど)買わないわけにはいかないじゃないですか。
もう少し大きいサイズも置いていましたが、今回は17 x 24 cmを買いました。作品を仕上げるというより試してみる感じを味わいたくて。

表紙にはその14種の紙の商品名が書かれていて、使ったことがあるのはAgaveとBritanniaのcold pressedだけでした(私が愛用しているBambooはMixed media用なのでこの中には入れなかったようです)。

表紙をめくるとこのように

各紙の商品名と売り出されているサイズの説明が3ページに渡って書かれており

その下に紙が左の一辺だけ留められて重なっているのですが

一枚一枚剥がしてもどの紙か分かるように裏面に番号が印刷されています。

早速数枚使ってみたのですが、「お試し気分の気軽さ」を味わいたく、「作品です」と胸を張れるようなものは仕上がっていません。

こちらはなんと640gm2という厚さで、「紙と言うより板!」という印象のThe Collection Watercolour mould-made (rough)に描いたものです。

『Studie』 17 x 24 cm 水彩

水彩は大抵紙をボードに紙テープで固定して描くのですが(横着者なので水張りはしません)、普段はテープで留めてあった部分は切り落とすところを、こちらはわざと残してあります。

まだ試したのは数枚ですが、既にBambooから乗り換える可能性も考え始めました。この14枚の中から「これぞ!」という紙が出てきたら、またご報告したいと思います。

と、このように紙と戯れていたら舞い込んできた、紙の本に関する吉報↓

この実力派エッセイストに直にお会いなさりたい方は明日(日本はもう今日ですね)9月8日、文学フリマ大阪へお急ぎください。ブース番号は「か-26」、「活路」で覚えてください!(まだ言っていやがる)

そしてこのように紙との蜜月(笑)を楽しんでいたところ、秋ピリカグランプリ2024の募集要項が発表され

私はすんでのところで鼻血を噴きそうでしたョ。
だって、テーマ「」ですって!

今回のグランプリは出品は見合わせて応援に回る可能性大ですが(アンタどうせ去年の二の舞になるのがオチだぜ、と脳内で騒ぐ若干数名)、グランプリに携わるすべての方々にとって実り多きイベントとなりますよう心よりお祈り申し上げます。


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