駅名に十一音で荒れる東風
こちらはらべあろ企画『駅にまつわる思い出の一句』参加記事です。
らべあろ企画ではルール違反の常習犯であるワタクシではありますが、今回は!ルールをしっかり守って!駅名と季語をきちんと入れ込み、こんなものを引っ提げてきましたよ!(……最近の私の文章「!」が多い気がするんですけど。ちょっと落ち着きたいところです。)
今回の参加句、こちらになります。
オロモウツ中央駅に春踊る
(おろもうつちゅうおうえきにはるおどる)
チェコ東部モラヴィア地方にあるオロモウツ市の一番中心的な駅「Olomouc hlavní nádraží」を忠実に訳して「オロモウツ中央駅」としたところ、11音持っていかれましたよ!
このオロモウツは私の住むプラハから電車で二時間半ほどかかるところに位置しているのですが、2022年9月から2023年6月まで週二回通勤していました。もらえるお金も大したことないし(い、言ったなアンタ……!)大学でのお仕事だっていうんじゃなかったら引き受けなかったくらい通勤が身体的に負担だったお仕事でした(というのは今ずっとプラハにいられて実感していること)。
こちらの夏と冬の日照時間の差は日本よりずっと大きいので、秋から冬にかけては帰るころは外が真っ暗だったのに、春先になってくると日の高いうちに駅まで行けて、プラハに帰ってきてもまだ外が暗くなっていない。春が来たなあ、と強く思ったことを覚えています。
で、そのことを詠もうと思ったのですが、今回の参加句では「日永」で三音取られるのが何とも悔しく(自由に使えるのが残り六音だったので)、結果オロモウツ中央駅構内の壁画を読むハメに。
描かれたのは1960年、社会主義リアリズムがにじみ出ている作品だそうで、310平方メートルあるというズグラフィート。絵の下に書かれている言葉も当時の地元詩人の作品だそうです。
描かれた時代的・政治的背景はどうあれ、駅に入ってこれだけ大きな壁画が迎えてくれる、そしてみんな踊っている……悪くないんじゃないか、と思うわけです。春に見ると、本当に春が来たことを喜んで踊っているように見えます。絵の下に書かれている言葉も「職人と農作人が創造的な仕事によって大地に花冠を飾る時、我が愛する大地は開花するだろう」くらいに……訳せますか……と、とにかく春っぽいでしょ?(なぜか脇汗。笑)
書道教室のお手本の準備で墨が余ったので描いてみました。
お、もしやnoteを始めて以来初の「自分で描いた絵を掲載していない記事」かもしれません。書は自作ですが、書は書、ですしね。
ま、たまにはこういうのも変化があっていいかなと。
ラベンダーさん、Alohaさん、この度も楽しい企画をありがとうございました。
オロモウツについてはこれまでも何度か記事を上げています。
この記事が参加している募集
日本帰省に使わせていただきます🦖