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『チ。ー地球の運動についてー』(第1回放送)【アニメ感想】

アニメ『チ。ー地球の運動についてー』、ついに第1回が放送、さっそく視聴しました!

舞台は15世紀ヨーロッパのP王国。C教によって地動説が異端とされている世界。
地動説を追究する学者、そして地動説を取り締まる異端審問官。
彼らと出会ってしまった1人の少年から始まる、熱き血の物語。

アニメの出来が期待していた以上に素晴らしくて、物語に引き込まれて、あっという間に2話分の時間が過ぎてしまいました。
原作コミックスだと、第1集収録の第3話に少し入ったところまでです。


街並みや星空、瞳に映る星にいたるまで、細部まで行き渡った綺麗な描写!
なかでも、明暗や陰影がうまく使われているのが個人的に目を引きました。

たとえば、第1話冒頭の拷問部屋のシーンや第2話の義父との室内シーンでは、原作にはなかったロウソクをテーブル上に設置して、室内、特に背景を薄暗くしています。
そのおかげで、拷問シーンは顔の陰影がはっきりして、不穏な雰囲気がマシマシでした。

それ以上に気になったのが、フベルトさんのフード内の暗さ。
原作では顔に影をつけて描かれていたフード内、アニメではかなり暗くなって顔が見えにくくなっている(そして口元の表情が豊かになっている)ので、原作で見た時とはだいぶ違った印象を受けました。

原作だと、傷のある顔や明後日に焦点のある眼のせいで、不気味で怖ろしい感じがしたフベルトさん。
アニメだと、顔が暗くなっているせいで、不気味さ以上にどこか神秘的に見えてしまったのは私だけでしょうか。

原作を読んだ時には気にならなかった「私は君に利益を与えない」という初登場時の第一声のセリフも、知ろうが知るまいが人間とは無関係に存在する「真理」からの託宣、異端を探究する者の末路への予言のように聞こえてしまいました。
第2話の名言、「不正解は無意味を意味しない」と共鳴して良い味を出しています。

そして、フードで素顔が隠れたフベルトさんに神秘さを感じるようになったせいか、その分だけフードを外した時の彼の人間くささがより感じられました。


音声の方では、第2話でのノヴァクの「何コレ?……何コレ。ナニ、コレ?」の変奏がすごかった。
生半可な言い訳では絶対に許さない圧。しかもどんどん圧が増して近づいてくる感触。
主人公たちにとっての真実、本物とは何かを露わにさせる試金石の役割を感じさせる怪演だと思いました。
やっぱり声優さんってスゴい。


もうほんとアニメの出来が素晴らしくて、来週の放送が楽しみです。
(たぶん話の区切りがつくのは第4話だと思うので、1週間我慢して一気見するか、それとも普通に見るか、ちょっと悩んではいますが)

ちなみに、アニメから入って原作コミックスを読んでみようと思った方は、2024年11月5日までの期間限定で第1集第2集が丸ごと無料公開されていますので、こちらで試し読みをしてから購入を検討されたらいいかと思います。

アニメほど絵が綺麗というわけではないので、合う合わないを確かめた方が…

でも、読んでいるうちに絵柄の好みとか気にならなくなっていくほど面白いのは間違いありません。
原作コミックスからでもアニメからでも、まだ『チ。ー地球の運動についてー』に触れたことがない方は、ぜひこの機会にお試しを!


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