デジタルの日 データ利活用の「銀の弾丸」
こんにちは、とくひさです。
デジタルの日、ですね。0と1、ビット、バイト、白と黒、、、
ところで、デジタルの定義によると、”そろばん”は立派なデジタル機器だそうですね。意外で面白いと思いました。
ちなみに私が”デジタル”という単語を聞いて、パッとアタマに浮かぶのは「デジタルカメラ」でしょうか。
これを初めて実際に使ってみたときの衝撃は忘れられません。
学生時代に修学旅行で”ジーコジーコ”とフィルムを巻くレンズ付きフィルムで写真を撮って、それをコンビニに現像に出しに持っていき、数日経って実際の写真になって戻ってくるまでのドキドキ感もそれはそれでよかったなぁ・・・とは思いますが、やはり即時(なんなら事前)に写真が確認でき、そのうえインターネットであっという間に他人とも共有できる、このデジタルの利便性は後戻りできないほど便利だなと思いますよね。
デジタル、万歳。
さて、本日はデジタルと関連が深く、ある意味で一体不可分ともいえる”データ”の利活用について、実際に山口県内の自治体職員の皆様を対象として実施した「山口データアカデミー」の取組みについてご紹介いたします。
1.取組のステップ
今回、実際に参加者の現場での感覚をもとに課題を持ち寄ってもらいながら、それをデータを用いて分析・検証しながら、新たな施策アイデアの検討に活用することを目指し、概ね次のステップに沿ってグループワークを行いながら、約3か月に渡り取組みを行いました。
①目標・課題設定
デザイン思考や論点思考を使って、課題や問題を掘り下げて整理
②課題の仮説分析
現状を理解し、課題の仮説を立て、分析に必要なデータを洗い出す
③対象データの選択
必要なデータがあるかを確認し、実際に必要なデータを準備
④データ分析・検証
分析について、表現・分析方法を検討し、実際に分析を実施
⑤評価、政策立案
検証結果から仮説を評価し、政策パターンや機能の詳細化を検討
⑥費用対効果分析、指標作成
実施した場合のコストと効果を算出し、効果測定の指標を作成
2.課題項目
今回のアカデミーには、県内から16グループ50名超の自治体職員の方々に参加頂き、グループごとに様々な課題仮説が出されました。
大まかなテーマは「農業」「防災」「中山間地域活性化」でしたが、各テーマにおいて本当に様々な角度から検討がなされ、この地域にたくさんの解決すべき課題があるのだと改めて感心しました。
このワークを通じ、施策を考える上でまず最初は、大小問わずにとにかく思いつく課題やアイデアをどんどん出していき、それらを全て机上に並べて分類・整理・グルーピングして、肝となる課題がどこにあるのかを俯瞰的に整理することが重要だと改めて感じました。
あと、こうした作業を通じて出てきた課題項目を一覧に整理したり、俯瞰的にまとめたした関連性についても、立派な”データ”として活用できそうですね。
3.データの収集と分析
課題項目が洗い出され、各グループで今回取り組むテーマと課題を設定したら、今度は実際にデータ分析に取り組みます。
が、これがまた難しい。
折角の仮説を感覚ではなく、確りとしたエビデンスに基づいて表現するためには、どのデータをどのように使えばよいかがパッと分からないのです。
どうすればそれをデータで表せるのか、間接的にでも推測することができないか、この辺りの”あたり”をつけるためには、これまで以上に柔軟な思考と積極的なチームワークが必要だと学びました。
一人でうんうん考えるだけでは正解は見つからず、まずは自由に、みんなでワイワイと意見を出した方がこれまでにない面白い視点を見つけやすいのかもしれませんね。
ちなみに、このステップでは、「フェルミ推定」などの手法もかなり役に立ちました。
あと、地図に落とし込んで可視化する手法も、かなり効果がありますね。
見ていても、とても分かりやすかったです。
4.施策立案
さて、いよいよ分析したデータに基づき、どのような施策を実施すべきかを考えるステップです。
現場で培った経験や勘ももちろん重要ですが、それらを更に補強するために、データに基づいて客観性・説得性を持たせることを目指しました。
ファクトに基づき、確りと説明ができるように組み立てるのは難しい反面、その後の実行・改善がスムーズにできると思いますし、ついつい個人の思い込みに偏りがちな部分をうまく矯正できる”物差し”として役立つと感じます。
また、施策立案時のポイントは、一つの施策で全方位を網羅しようとするのではなく、きちんと対象をセグメント分けし、各セグメントに対する個別の施策を組み合わせて、結果的に幅広い網羅性を確保するという積み上げが必要ということでした。なるほどです。
ついつい一気に全体を網羅して片付けてしまいたくなりがちですが、ここで思考停止に陥ってしまわないように、しっかり考え抜いていかなきゃいけませんね。
5.効果測定
最後に各施策で想定される効果や費用を洗い出し、どの施策が最も効果的かを整理。
費用については、すべきことを分解して、どれにどれだけのコストがかかるか、人・モノ・情報・時間などに意識して洗い出しますが、自分がやった方が良いのか、それとも外注すべきかについては、実施する項目によってしっかりを考えていく必要があるということが分かりました。
そして難しいのが効果について。
漠然とした効果ではその後の改善に向けたデータ化ができないので、どうしたら効果を定量的に示せるか、どのグループも試行錯誤しながらエクセルの画面とにらめっこという感じでした。
よく、データ・ドリブンと言いますが、どんな取り組みを実施する際でも、常にデータ化・指標化を意識し、改善するために時系列や他との比較を行っていく必要がありますね。
6.最後に
講師の方からも繰り返し言われていましたが、こうした取組みは、決して一度やって満足ということはありません。
継続的に、改善を積み重ねていくことで、少しづつその効果が検証でき、より良い方向に向かっていくのだと思います。
そのためにも、まずはデータに基づき現状を理解し、セグメントに分けた施策を組み合わせて、結果をデータとして蓄積・分析したうえで、次の活動にどう反映するかを検討する。
地道ですが、一つ一つを着実に取り組んでいくしかないんですね。
デジタルやデータ、AIを使えば一発で大きな効果を出すことができるはず、、、そんな「銀の弾丸」を求め続けるのではなく、データを蓄積・活用するサイクルを作り出すことの重要性を、このデジタルの日に改めて感じることができました。
それではみなさま、よいデジタルの日を!