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「自分と似ている人に好奇心を抱く」という『類似性効果』を採用で防ぐために

みなさんこんにちは、DigHRの松下です。

今回はTwitterで伸びていた、類似性効果について詳しく解説していければと思います。

類似性効果とは


人が自分と似ている人間に対して好意を抱くことを
「類似性効果」といいます。

これは、採用の現場で高確率で起こっており、面接官は、採用候補者の大学や出身地、考え方、性格、過去の経験、前職など自分と類似性のある部分があると、その人材に好感を抱いてしまい、無意識に良い評価をしてしまう傾向があります。

採用は公平であるべき、という考え方は当然ですが、
「面接で本当に取るべき人材を落としてもバレにくい」
「採用に至った人材が活躍するまでに、ある程度時間がかかるため採用の正否が曖昧になる」
といったことがあるため、もともとの面接評価基準に対して、それぞれの面接官の「類似性効果」が含まれていたとしても、周囲は気づきにくいものです。

この「類似性効果」によって、面接官と似たような人材ばかりが高評価になってしまう危険があります。

特に、これの厄介なところは、面接官が悪意をもってやっているわけではなく、「無意識」にやってしまっているため、マネジメント側が意識してこれを防がなければならないことです。

これが蔓延するとどんなことが起こるのか

企業として、採用したい人材が一通りしかなく、面接官もその採用したい人材の分類に入るのであれば、それほど気にすることはないかもしれません。
しかし、多くの企業では、
・部署ごと(営業、エンジニア、マーケターなど)
・キャリアごと (経営幹部候補、総合職、一般職など)
・企業フェーズごと (立ち上げ時期、グロース時期、安定期、第2創業期、衰退期など)

といったように、採用要件が常に一様な場合の方が稀であり、企業の競争優位性を高めるためには、組織に多様な人材が存在することが大切だと思います。

例えば、温厚で組織の調和を重要視している面接官がいたとします。
企業としては、第二創業期を迎えており、会社全体では、組織を引っ張ることができ、新しい事業をどんどん挑戦できるような、力強い人材を求めているような場合、面接官と求める人材は相反する性格のため、面接官によく似た人材ばかりが組織に滞留し、組織として弱体化してしまうケースが起こります。

組織として健全であるためには、「必要なフェーズやポジション、タイミング」で必要な人材を獲得するのが重要になってくるため、この「類似性効果」が採用評価に影響されないような仕組みを作るのが必須です。

「類似性効果」を抑えるための方法について

自己認知

組織の弱体化を生む「類似性効果」は、「無意識のうちに心理的バイアスが働いている」と意識すれば、ある程度はコントロールすることができます。
要は、「自分と同じような人材は、無意識のうちに良い評価にしてしまう傾向にあるので、一度その評価が適切なのかを振り返ってみよう」と考えることです。

まずは、「類似性効果」の存在を理解し、意識してみることが最初のステップとなります。

ただ、自分一人だけで適切な評価をしようとしても、そもそも適切な評価の基準が分からなければ堂々巡りになってしまいます。
自分軸で判断した、「類似性効果」を含めた評価がそもそも正しいのかどうかを判断するためには、自分以外の他者からフィードバックを受けるのが最も良い手法です。

例えば、
上司に面接に同席してもらい、面接後に評価項目についてディスカッションする。
・経営層に面接の録画と、評価内容について見てもらいすり合わせをする。
・現場社員に面接をしてもらい、現場社員がつけた評価項目と自分の評価項目の差分を話す。

こういった方法を何度も繰り返し行うことで、評価基準を可能な限り公正に見極められるようにしていくのが良いと思います。

比較視点

「類似性効果」により、評価項目の採点が不明瞭になるのは、「点」で判断していることも原因として挙げられます。
5段階評価の「1・2・3・4・5」で判断する時に、何をもって「○点」と判断するのかが決まっていなければ、自分独自の視点で評価をしてしまうことに繋がります。
例えば、遠くに人がいたとして、何mぐらい離れているのかを複数の人に決めてもらった時に、人によって「100m」「200m」「300m」とばらつきが出ると思います。
これは、人がどのくらい離れているのかを示す「ものさし」がないために起こります。
採用の評価も同様に、点数をつけるための「ものさし」がなければ、面接官独自の評価基準によって点数がつけられるため、これも曖昧な点数となります。
これを防ぐためには、個人的に「あるペルソナ」を評価軸として、この人材よりも大か小かで判断するのが、最も差分の少ない方法だと考えています。
例えば、「向上心 : 分からないことが会った時に、チャレンジ精神をもって取り組むことができているか」といった5段階の評価項目に対して、社内の人材をペルソナを基準の項目の3点として設定し、この人材よりも大か小かで判断することで、評価の差分はある程度抑えれることができ、このような評価を人事や企業全体で何度も議論していくことで、より精緻な採用評価につながるのではと思います。

おわりに

類は友を呼ぶという言葉もあるように、類似性効果というのは非常に厄介なものです。
弊社では、面接評価の壁打ちや採用要件のすり合わせなど、採用に関する無料相談を行っておりますので、お気軽にTwitterでお問い合わせください。
https://twitter.com/hikaru_handk


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