ゲーム屋人生へのレクイエム 109
初めて自分がプロデュースしたゲームが黒字になってゲームクリエーターになってよかったと思ったころのおはなし
「ここのところ早いペースで投稿が続いていますね。何かあったんですか?」
「最近チンタラ投稿していたので気合を入れて書くことにしたんだよ。今までは一日一投稿みたいなケチ臭いことをしてたけど書きあがったら即投稿することにしたぞ。最終話も近いことだし」
「バラしちゃっていいんですか」
「大丈夫。100話もやったんだし、もう十分だろう」
「期待している人もいるんじゃないですか?」
「会うは別れの始め。盛者必衰の理をあらはす。だよ。
さて本編。
成功体験というのはモチベーションを上げるのにとても大事だ。どんな小さな成功でもいいから少しづつ積み上げていくと大きな自信につながる。
DSのプロジェクトの成功体験をうまく次のプロジェクトにつなげたくて、またローリスク、ローリターンのプロジェクトを立ち上げたんだ」
「次はどんなプロジェクトだったんです?」
「次はPSPだった。これも携帯機だからチョイ遊びできるもので考えた。
パズルは前作でやったから違うジャンルであれこれ考えていたんだ。
そこで以前R社で働いていた時に北米向けにライセンスを検討したPS2タイトルを思い出したんだ。カードを使った陣取りボードゲームでなかなかよく練った企画で、実際遊んでみてすごく面白かったからライセンスを試みたんだ。
結局当時はソニーの企画審査が通らなくて諦めたんだけど、これをPSPに移植して再挑戦しようと考えた。
それで開発会社に北米向けの移植の話を持ち掛けたら面白い話だって喜んでくれてね。開発元は日本市場でもぜひやりたいからPS2からPSPへの移植費は全部負担するので北米は言語の移植費だけを払ってくれればいいって契約を結んでくれたんだ」
「開発費がかなり減りますね」
「うむ。言ってみるものだと思ったよ。
それでソニーへの企画審査もすんなり通ってあっという間に製品化して発売したんだ。この時はソニーもPSPを押していたからタダでソニーがあちこち宣伝してくれて販売に大きく貢献したよ」
「売れたんですか?」
「黒字になった。またしてもローリスク、ローリターンだったけど黒字になった。このままPSPとかDSのリリースを続けることも選択肢だったんだけど、パブリッシャーとしての知名度も上がってきたところだったので満を持して経営の舵を大きく切ることにしたんだ」
「いよいよですね」
「そう。いよいよだ」
続く
フィクションです