錦明竹

釣り人。酔っぱらい。ときどきゲーマー。ゲーム屋人生へのレクイエムというフィクションということになっている小説を連載中。友人の子どもと元ゲームクリエーターとのむかしばなし。

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  • ゲーム屋人生へのレクイエム

    フィクション?はい。フィクションです。ゲーム屋人生のおはなし。

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ゲーム屋人生へのレクイエム 最終話

会社をクビになってゲームクリエーターを辞めて最終話になったころのおはなし 「ほぼ半年もはなしに付き合ったんですよ。その答えが入社試験を受けるってあり得ないじゃないですか!?」 「ほお。じゃあ逆に聞くけど、それ以外にどうすればゲームクリエーターになれるんだい?フリーのゲームクリエーターもいるけど、どうすれば一人でも食っていけるクリエーターになれるの?」 「そ、それは・・・えっと・・・」 「ゲームクリエーターになりたいって思うだけじゃなれないよね。まずはどこかのゲーム会社

    • ゲーム屋人生へのレクイエム 115

      役員会で泥棒と呼ばれてキレて途中退席したころのおはなし 「クソな役員会を途中で退席してから2日経った朝に本社の役員からメールが届いたんだ」 「メールには何てあったんですか?」 「責任者としては不適格だから社長を解任する。子会社も閉鎖する。とあった」 「え!?クビになったんですか?」 「そうだ。社員全員クビになった」 「役員会を途中で退席しただけで、そんなにあっさり会社を閉めちゃうんですか?」 「不誠実な対応で、経営を黒字化できる根拠もないって事だったけど、本当の

      • ゲーム屋人生へのレクイエム 114

        突然役員会で吊し上げをくらったころのおはなし 「しかし、確かに専務から約束いただいています。そうですよね専務。どうかお答えください」 「私はそんなことを言った記憶はない。キミの思い違いだろう。それにしてもだ。キミは本社から金を借りているんだ。その立場を理解していない。返済する計画も無い、赤字の事業を説明する資料もない。いったい何様のつもりなんだ。2億も借金しておきながら責任というものが全くないじゃないか」 「ちょっと待ってください。設立した際に1億3千万については責任を

        • ゲーム屋人生へのレクイエム 113

          新たなブランドでの事業展開に喜んでいたころのおはなし 「第二弾は以前PSPで販売したタイトルのオンライン版のリリースだったんだ。キャラを増やしたりして若干の追加変更をして販売したんだ。 こうすることで新しくゲームを開発しなくていいからラインアップを増やすにはちょうどいい。すでにあるIP、IPって言うのは知的財産のことだ。このIPを使わない手はない。日本の開発元に話を持ち掛けたら二つ返事で了承してくれたよ」 「なるほど。そういう方法もあるんですね。それで売れたんですか?」

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          ゲーム屋人生へのレクイエム 112

          デタラメな事業計画を作らされて辟易していたころのおはなし 「オンラインでダウンロードするゲームには返品も値引きもないって話をしたよね」 「ええ、在庫がないし、小売りを通さなくても販売できるからですよね」 「そう。もうひとつすごくいいことがある。さてそれは何でしょう」 「店に買いに行かなくてもいい!」 「まあ、間違っては無いが。正解は発売した後にソフトを変更できるということだ」 「アップデートですね」 「そう。アップデートと言えば聞こえはいいが、バグの修正も含まれ

          ゲーム屋人生へのレクイエム 112

          ゲーム屋人生へのレクイエム 111

          オンラインゲームに特化したビジネスに舵を切ったころのおはなし 「順調に進んだオンラインゲームビジネスの準備だったんだけど、マジで面倒なことが起こったんだよ」 「どんな面倒です?」 「それは本社の経理から、事業計画を出せと言われたんだよ」 「あれ?事業計画って無かったんでしたっけ?」 「子会社は非連結だったから事業計画はなかったんだ。覚えているだろう。本社が使った開発費を子会社におっかぶせた話」 「はい。覚えています。本社の業績を良く見せる為に経費を子会社に請求した

          ゲーム屋人生へのレクイエム 111

          ゲーム屋人生へのレクイエム 110

          小さいプロジェクトで小さな利益を積み上げていたころのおはなし 「次々とプロジェクトを作っていますけど社員は何人いたんです?」 「会社の立ち上げを一緒にやったKとマーケティング、企画兼プログラマー、プロダクトマネージャーそして俺の5人だよ」 「いつの間にか増えたんですね」 「俺とKでこなせる仕事の量ではなくなったからね。人が増えれば仕事を増やすことができる。増員も大事な投資だよ。メンバーが増えたところで前回のはなしに出た経営方針の転換をやることにしたんだ」 「オンライ

          ゲーム屋人生へのレクイエム 110

          2回目のコロナワクチンを接種した。2回目の副反応は強く出るってみんな言ってる。接種翌日に仕事を休む人続出。副反応でなくても明日の仕事は休んでもオッケー!?

          2回目のコロナワクチンを接種した。2回目の副反応は強く出るってみんな言ってる。接種翌日に仕事を休む人続出。副反応でなくても明日の仕事は休んでもオッケー!?

          ゲーム屋人生へのレクイエム 109

          初めて自分がプロデュースしたゲームが黒字になってゲームクリエーターになってよかったと思ったころのおはなし 「ここのところ早いペースで投稿が続いていますね。何かあったんですか?」 「最近チンタラ投稿していたので気合を入れて書くことにしたんだよ。今までは一日一投稿みたいなケチ臭いことをしてたけど書きあがったら即投稿することにしたぞ。最終話も近いことだし」 「バラしちゃっていいんですか」 「大丈夫。100話もやったんだし、もう十分だろう」 「期待している人もいるんじゃない

          ゲーム屋人生へのレクイエム 109

          ゲーム屋人生へのレクイエム 108

          オンラインゲームの失敗から多くを学んだころのおはなし 「初のオンラインゲームのリリースは社内では反対が多かったんだけど、いざやってみたらいい評価がたくさん寄せられてやってよかったと思ったんだよ」 「どうして反対したんですかね」 「どこでもそうだけど新しいことに懐疑的になるのはよくあることだ。未知のリスクを過大に怖がることも理解できる。 この会社は最先端の技術を使って毎年デカいタイトルの開発を受託していた割には保守的でね。いや、だから保守的になったのかもしれないな。安定

          ゲーム屋人生へのレクイエム 108

          ゲーム屋人生へのレクイエム 107

          ブランディングについて考えていたころのおはなし 「それでオンラインゲームはどんな企画だったんですか?」 「マルチプレイを考えてスポーツものにした。チームで遊べる球技だ。キャラはゲームのサイズも考えてシンプルな一昔前のゲームっぽいデザインにしたんだ。ルールも分かっているし、とっつきもいいだろうと考えたんだよ。 ハードはアメリカでは主流だったXBOXを選んだ。マイクロソフトとは以前A社でゲームをリリースをしようとしたことがあって要領はわかっていたからね。XBOXもオンライン

          ゲーム屋人生へのレクイエム 107

          ゲーム屋人生へのレクイエム 106

          オンラインゲームに参入することを決めたころのおはなし 「オンラインゲーム市場に参入することを決めたんだけど、パッケージゲーム、いわゆるカートリッジやディスクとかの既に存在するマーケット向けのゲームも開発しなくてはならなくてね。本当は舵をオンラインゲームに完全に切りたかったんだけどできなかったんだ」 「なんでできないんですか?やればいいじゃないですか」 「未知のマーケットに100%舵を切るということはあまりにリスクが大きい。だからリスクヘッジをして既存のカートリッジやディ

          ゲーム屋人生へのレクイエム 106

          ゲーム屋人生へのレクイエム 105

          本社からの製品供給がストップされたころのおはなし 「本社だけに製品供給を依存できない理由がもうひとつあってね」 「どんな理由だったんですか?」 「本社開発は海外向け大型タイトルの開発を受託してたから開発スケジュールの空きがほとんどなくって、どう頑張ってもらっても年間に1タイトルしか子会社向けの開発はできなかったんだ」 「年間1タイトルじゃ全然少ないですね」 「そう。1タイトルでは商売できない。だから本社に商品供給を依存できなかったんだ。本社が供給をストップするという

          ゲーム屋人生へのレクイエム 105

          ゲーム屋人生へのレクイエム 104

          大手小売りからの追加注文を断ったころのおはなし 「その後PS3ゲームの売れ行きはどうなったんですか?」 「予想通りの赤字だったよ。初回出荷の1/3が売れ残った。おかげで定価で販売した分の利益は全て吹っ飛んだ。本社から背負わされた開発費を除いたとしても赤字だった」 「どうして売れなかったんですか?」 「それはマーケティングをしていなかったからだよ。広告は出してたけどね。前にも説明したけどマーケティングと宣伝広告は違う。マーケティングは開発前に既に始めていなければならない

          ゲーム屋人生へのレクイエム 104

          ゲーム屋人生へのレクイエム 103

          販売委託契約を解除する為に本契約を締結したころのおはなし 「前回は契約解除のはなしをしたけど、契約期間中にPS3ゲームを彼らに販売してもらっててね。俺が会社に入る前に開発は完了してたから開発には何も絡んでなかったけど、新しい子会社はディスク生産の発注や宣伝広告費の支払いとかの業務だけをやってたんだ」 「売れたんですか?そのゲーム?」 「数はぼちぼち売れたけど赤字だった。正確に言えば最初から赤字になることは確定していたんだ」 「最初から赤字確定ってどういうことです?」

          ゲーム屋人生へのレクイエム 103

          ゲーム屋人生へのレクイエム 102

          契約書が存在しない契約をなんとかしないといけないころのおはなし 「本当に契約書は存在しなかったんですか?」 「専務はそう言ってた。しかし本当のところはわからなかったんだ。それで契約先の会社に問い合わせたんだ。そうしたら契約書はあるって言うんだよ」 「言ってることが真逆ですね。どっちが本当なんですか?」 「どっちが本当がわからなかった。それで直接出向いてその契約書を見せてもらうことにしたんだ」 「あったんですか?」 「会議室にあったプロジェクターからデカデカと映し出

          ゲーム屋人生へのレクイエム 102