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「大人になってから読む絵本」クリスマス企画 ゲストブログ #1 たつみさん
Hara のブラザーこと『たつみ』さんにゲストとして書いていただきました!大人になってから読む絵本は奥が深く人生やキャリアライフへのヒントがいっぱい。
「ピアノ調律師」 M.B.ゴフスタイン著
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今回は『「ピアノ調律師」M.B.ゴフスタイン著』を読んでみました。絵本といっても字が多めで児童が対象だと思います。トップ調律師のお祖父ちゃんと調律師になりたい女の子の物語で、夢と家族がテーマと感じました。
ミドルエイジの私が今読んでも示唆があり、特に私には高校1年と中学2年の子供がいますので、子供の夢のことは考えさせられました。
ストーリーのご紹介と感想を書きますので、読んでいただければ幸いです。
ストーリー
主人公のデビー・ワインストックは、活発でピアノの調律が大好きな女の子です。デビーはおじいさんのルーベン・ワインストックと二人暮らしです。ルーベンは、仕事に厳しい世界一のピアノ調律師です。ルーベンの息子夫婦でありデビーの両親は2年前に亡くなり、その時から二人で暮らしています。ルーベンはデビーをとても愛していて、デビーをピアノ演奏家にしたいと思っています。しかしデビーは、おじいさんのような調律師になりたいと思っていました。
ある日、ルーベンはデビーを連れてコンサートホールで、偉大なピアニストでありルーベンを世界一と認めるアイザック・リップマンのピアノの調律をしていました。ルーベンはデビーにパールマン夫人の家にお使いを頼みました。
デビーはパールマン夫人の家に着き「おじいさんが、私にピアノの調律をさせてもかまわないだろうか、と言っている」と嘘をついてピアノの調律を行います。その後パールマン夫人の家に来たルーベンは、デビーの調律に指摘をしました。デビーは泣きそうになりましたが、それでも調律師になりたい気持ちは変わりませんでした。
その夜アイザック・リップマンの素晴らしいコンサートを聴いたあと、ルーベンはデビーに「あんなふうにピアノを弾きたいと思わないかね?」と聞きましたが、デビーは「お願いだから、わたし、ピアノ調律師になってもいいでしょう?」と答えました。
アイザック・リップマンは楽屋でデビーに調律師になりたい強い意思を確認すると、調律道具のプレゼントを約束しました。ルーベンも自分で考案した道具をデビーにプレゼントすることを約束し、デビーはルーベンのような調律師になることを約束しました。
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私のPoint of View
温かい文章と絵で心温まる絵本でした。原題は「Two Piano Tuners」で、邦題よりもいい感じです。未成年の子供がいる親や部下の育成で悩んでいる上司にはいい本と思います。
<ルーベンの気持ちとデビーの気持ち>
ルーベンの「デビーには演奏家になって欲しい」という気持ちはよくわかります。息子夫婦の忘れ形見には幸せになって欲しいから、調律師は演奏家より不遇なので演奏家がいい、と思うのは自然ですね。それ以上にデビーの意思が固く、調律する姿が美しいと思える彼女は素晴らしいと思いました。「親心子不知」ですが、逆もまたしかりです。我が家でもそうなんだろうな、部下と上司の関係でもそうなんだろうな、と改めて思いました。
<ルーベンのプロフェッショナリズムに心動いたデビー>
ルーベンは、音感、調律道具、調律の手順や調律の技能といったすべてにこだわっています。その調律する姿は美しいのでしょう。その美しさを感じ取って憧れるデビー。二人とも素晴らしいですね。
日本の伝統工芸や中小製造業にもそういう世界がありますが、朝起きて音程確認する彼らと同レベルのところは勝ち残り、そうでないところは廃れているように思います。
<温かい世界>
アイザック・リップマンはデビーの夢の応援者で、デビーのために演奏してくれたり、ルーベンにデビーのための相談に乗ってあげたり、調律道具のプレゼントを約束してくれました。パールマン夫人はデビーに調律を任せられないことを承知で大切なピアノの調律をさせてあげました。私も自分の子供以外の子供の夢のためにできることがあればしようと思いました。
最後に
クリスマス企画ということで参加させていただきました!夢がある子供や部下にいい本だと思い、周りにいる人たちに夢への道筋をクリスマスプレゼントできればいいな、と思いながら書きました。
アップされる日はまだクリスマス前かと思いますが、一足早く。
よいクリスマスをお過ごしください!
by たつみ