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問題の内在化と外在化と会話術
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最近、『ナラティヴ・セラピーの会話術』(国重浩一)を再読しています。 この本のなかの「外在化する会話法」の部分を整理しながら抜き書きしてみたいと思います。
ある人の人生に問題が生じているとします。
たとえば、虐待の被害に遭っているとします。 本来ならそんな必要はないのに、被害者であるその人が自分個人の問題として、自分自身のなかに問題を位置づけていきます。
すなわち、自分に非を見出し、自分を責めるのです。
これを「問題の内在化」と呼びます。
自分自身の一部として、問題を位置づけてしまうのです。
そこで、「問題の外在化」に取り組んていきます。
まず、自分と、自分の一部となってしまっている問題を切り離し、その問題自体をしっかりと見つめることができるようにします。 問題の外在化とは、問題の実体化や問題の擬人化をしていくことでもあります。
たとえば、イライラが最近止まらなくて友達にイヤな態度をとってしまう、というのは問題の内在化です。 それに対して、外在化した会話法は、イライラがあなたにイヤな態度をとらせるのですね、となります。
ここでの人間観は、人が問題なのではなく、問題が問題なのだ、という考え方です。 すなわち、何が問題なのかを考え、理解することを進めます。 そうすることで、問題と客観的に向き合うことが可能になります。ここが問題と向き合うスタートラインになります。 そうすることで、問題と自分自身を結びつけて、「私が悪い」と考える必要がなくなります。 この外在化は僕らの日常会話では使われないので、なかなか理解するのが難しく感じています。
(2023年7月16日に書きました)
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この場を訪れていただき、ありがとうございます。この記事は、つよぽんが2ヶ月前に記載したものにひろっちが追記しレイアウト編集したものをお届けています。
自分を振り返るってなかなか出来ない。まして、自分の非を整理するなんて誰かとトラブルが発生した時でさえ正当化してしまいがち。であるなら、心が平穏な時に自分の思考の癖を知っておくといいんだろうね。