「テーマパークと昼食」から
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3点に注目したい。
1.「仕方がない」と思い込んでいる未決課題はチャンス
2. ある業界での気づき⇒ 解消策⇒ 他業界への展開・応用
3. 顧客の顔をぼかすべきではない。
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A 遊園地と呼ばれるようなテーマパークは多く存在するが、これらのテーマパークは問題山積であるといつも感じる。駐車場で稼がねばやっていけない状態になっているテーマパークも多く存在しており、なさけない限りである。
B テーマパークであるが、コンセプト不明瞭であることが非常に多い。お子様をメインに据えて、両親や祖父母を呼び込みたいのか。或いは、恋人などのカップルを対象にしたいのか。そうではなく、何かしらのキャラクターやアニメなどのファンを対象にしたいのか。運動系アクティビティに魅力を覚える方々をメインに据えたいのか…etc.これらが混在しており、なかば、ヤケクソの企画をしばし目にする。
A テーマパークに思うことは非常に多いが、その中の1つは「昼食」である。フードコートや軽食を揃えるテーマパークが多くあると思うが、その料理の内容に満足している消費者は、いかほどいるのだろうか?「テーマパークだし、こんなものだろう」という消費者の「当たり前」に甘えているとしか、おもえない。
B テーマパーク運営を考えた時に、誰にどのような独特な価値をどのように提供するのか?という部分がまず曖昧であり、その上で、どこで稼ぐか、即ちどこでは稼がないかというコントラストが非常に弱いという問題がある。
A 料理を強化すること自体は簡単であるが、消費者個々の要望は非常に幅広い。私の子供など、フードコートに入った時に「しょっぱいパンが食べたい!」などという注文を、先日してきた。カレー、ラーメン、パスタ、フライドポテト…といった、よくあるメニューは揃っていたが、「しょっぱいパン」は土産屋を覗いてもなかった。このような可能性を考慮し、提供する料理として揃えるのは非現実である。
B 視野にいれたいのは、デリバリーではないだろうか。近隣の飲食店と連携して、好みの料理を好みの時間に提供可能にしていく。物流などの共通化できる部分はコンパクトに効率化し、参画店の種類の多さで、料理の多様性をカバーしていく。
A 物流×デジタルの影響で飲食店のデリバリー強化が強まると同時に、ゴーストレストランなども増加していく(参考 https://note.mu/dialogue_of_j/n/n64fa7c01fdf1 )。このような流れの中で、デリバリーに乗り遅れる(=自社では出来ない、気が付かない等)飲食店も多数存在している。
B 例えば、テーマパークからの移動距離30分をデリバリー領域として設定し、このテリトリー内の飲食店(特に、個人経営点)に参画提案をしていく。このデリバリー領域内に、複数の「集荷場」のような場を設定する。集荷場はアイドルエコノミー的に調達してもよい。各飲食店から集荷場までの移動時間距離が10分以内になるような、最適配置を考えていく。こうすれば、参画する飲食店のデリバリー負荷は一気にさがる。そして、集荷場から「まとめて」テーマパークへと飲食物を運ぶことができる。プラットフォーム上からは、事業者として物流コスト等を解決しながら、消費者に対して参画店のメニューを任意に選択できるという価値を提供できる。消費者は、希望時間に確保された座席と指定した料理の両方に出会うことができる。
A 消費者のオーダーは、60分前までの予約制として、HPや入場ゲートでしっかりとPRしておく。各消費者がオーダーする飲食物は、デリバリープラットフォーム上でまとめて管理する。こうすれば、複数の消費者オーダーを集荷場でまとめることが可能となる。
B このような仕組みを構築する場合、「誰の立場でやるか?(構築するか)」で、ビジネス性が大きく変わる。1テーマパークで考えるのか、複数のテーマパークを運営しているグループで捉えるのか、そうではなく第三者の立場でシステムを作り、それを売り込むのか。
A 第三者の道がもっとも魅力的であるが、この場合も、システムを売るだけなのか、参画者呼び込み/管理まで担うのか、実際の物流オペレーションまで担うのかで、交渉力や粘着性、そして収益性まで大きく変わってくる。テーマパーク自体が離散した存在であるため、物流は第三者とのアライアンスでコナスのが妥当だろう。
B 当然のことだが、このシステムをもって昼食だけ改善しても効果は薄い。顧客の顔を見えるようにして、彼ら/彼女らの感じる効用を最大化することが先である。
A テーマパークなどで昼食への不満を感じることは実は多いのだと思うが、みな、それを「当然(仕方がない)」と思っているように思う。このような「仕方がない」と消費者が諦めているような領域に対して、「いいんですよ、我慢しなくて」という気づきを与えることは非常に重要であり、商売としての旨味もでてくる。
B テーマパークでは、そもそものセグメント明瞭かが先であるが、この発想がテーマパークに限らないのはいうまでもない。発想の広げ方には色々あるが、例えば、テーマ―パークでの昼食の不満⇒ こんなモデルで解消できないか? ⇒ 他業界でも同じような問題がある⇒ 冷静に考えれば、より導入しやすそう、といった流れは採りやすい。
/2018.01.21 JK