傷ついた私の中にある叡智
依存症や発達障害、自己免疫疾患を専門にしているカナダ人医師のガボール・マテ先生のドキュメンタリー「トラウマの叡智」を観ました。
初めて観たとき大変感銘を受け、絶対こちらのブログに書き留めておきたいと思い、その次はメモをしながら進めたのですが、気づいたらマテ先生がお話しされている内容を中心にほとんどをメモしていました。
ずっと思っていたことがあります。
トラウマとは大なり小なりきっとほとんどの人が体験したことがあるのではないか。
ガボール先生は言います。
「トラウマとは辛い経験そのものではなく、その結果としてその人の内面に起こること」。
例えば、虐待をする同じ親の元で育っても、ひとりは心の傷となりトラウマとなる。一方で、もうひとりはそれほどまでには傷として残らず、親を反面教師として生きていくことができる、といったように同じ環境で育った子供でも反応が異なることは往々にしてあることです。
つまり、何が起こったか。ではなく、その人の(心の)中で何が起きたか。言い換えると、私たちは起こったことに反応しているのではない。起こったことを自分がどう解釈したかに反応する、ということなのです。
心の仕組みを学ぶ中で、これについては何度何度もやりましたが、私が反応しているあれもこれも、全部私自身の解釈が引き起こした結果、ということが腹落ちしたとき、「やっぱりそうなんだ…。」となんだか気持ちの行き場を失ったかのような感覚に陥り肩を落とす私に、見えない誰かが「もう腹を括りなさい」と優しく声をかけてくれている感じがしました。
そして、こうして崖っぷちギリギリに立った時、「ならば私の心の中をみていけばよいんだ」と、パワーが自分に戻ってきた感覚をおぼえました。
つづく。