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ヨーガの技術に哲学の塩味をつけると
お料理の前に
🔳ヨーガの流派について
インドから日本に伝わってきたヨーガの流派は大きく分けて2つだと言われています。還暦を過ぎた62歳の時にインド人の手ほどきによってヨーガに出会った大阪大学名誉教授の佐保田鶴治先生と戦後日本におけるヨーガの草分け的指導者と言われヨーガの普及に努めることでヨーガブームを牽引した沖正弘先生となります。
佐保田ヨーガは、南インド式ヨーガでロナワラ方式とも呼ばれ、ゆっくりした動きでアーサナと呼ばれるポーズで身体を伸ばしたり縮めたり捻ったりとすることによって、主に、身体をストレッチする運動をすると聞いています。
沖ヨーガは、「求道ヨガ」、「総合ヨガ」、「生活ヨガ」と呼ばれ、アーサナだけを重視せずに心や身体に加えて食事も体系に加えているとのことです。 病気とは、本来の自分のバランスが崩れた際に現れ、本来のバランスに戻すために回復させる方法を唱えているとのことです。
私が約三十年前にヨーガについての流派で知っていたのはこの2つで、この他にカリアッパ師から学んだ中村天風先生のヨーガが経営者やビジネスマンから好評を得ていたことでした。
現在では、数を数えきれないほどにたくさんの流派が世界中に広がっているようです。近所のヨーガ教室でアイアンガーヨガを教える先生との出会いがあって学んでいますが、ヨガブロックを使ったりフランクリン・メソッドのボールを用いてのアプローチは有害事象を起こさない工夫がされていて勉強になります。
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ヨーガの技術にヴェーダンタ哲学の塩味をつけると
🔳塩味の秘密
ヨーガの哲学で人間五蔵説と呼ばれるものがあり、人間は五つの鞘(さや)に包まれている存在だとする考えで、食物鞘・生気鞘・意思鞘・理智鞘・歓喜鞘という五蔵の構造になっていて、それらすべてを動かす動力源として真我(アートマン)があるとタイッティリーヤ・ウパニシャッドの第3章にて述べられています。(引用しての解説はここでは長くなるので省略します)
アーサナというポーズにおいて特に意識する、つまり、意識の光を当てるのは、食物鞘という肉体になります。この肉体にそれぞれの特殊なポーズをとることで負荷という刺激を意図的に与える時に、身体のどの部位にどのように負荷がかかっていてその負荷によって心が何を感じ何を考えているのかをつぶさに観察することが塩味の秘密となります。
タイッティリーヤ・ウパニシャッドという奥義書が明らかにされているように、肉体を動かす動力源は真我であるので、本来はと言いますかごく自然な心の状態とすれば、観察者もしくは観照者とは真我なのですが、ヨーガの意味でご説明したように、ヨーガとは結びつくという意味から真我が肉体と強く結びついてしまうと肉体に実際に起きている事実をありのままに観ることができない状態に陥っていると言えます。
どのような状態かと言いますと、たとえば、車を運転するあなたが自分は車であると錯覚していることからタイヤが摩耗して亀裂が生じてしまうことに気づかずに見過ごしたまま運転を続けているような感じです。この時の対処としては、車を止めてあなたが車を動かしている動力源として車を点検する必要があり、つまり、あなたという意識の主体(観るもの)が客体(観られるもの)である車を観察して調べることとなります。そして、不具合がある場所を認識し改善する手当が可能となると思います。
🔳塩味は五臓すべてに効く
ヨーガは、食物鞘・生気鞘・意思鞘・理智鞘・歓喜鞘という五蔵構造のすべてを最終的には真我という観照者にて意識化する、つまり、意識の光を当てることの技術であることがわかると思います。
これによって、観るものと観られるものとの識別智が達成することとなるのですが、このことの哲学的な解説は今後に触れるかもしれません。
最後に
なかなか具体的に、ヨーガの技術にどのように味付けするのかを解説できずに申し訳ない気持ちもありますが、次回でようやくアーサナという技術においてどのようにして観察していくのかの手法をご説明できればと思っています。