「完璧」の「璧」ってなんのこと?
身近な言葉にも、背景にある話をきくと、親近感が湧くよね〜〜
欠点のないことや、完璧なことを表すときに使われる言葉
「完璧」
小学生の頃、この「璧」の字で間違えた人も多いのではないだろうか?
この完璧という言葉、実は、古代中国のエピソードが元になっている。
このエピソードの主人公は、人気漫画「キングダム」でも登場する人物だ。
個人的にも、非常に好きな話なので、今回は「完璧」の由来について紹介したい。
1. 主人公は趙の家臣「藺相如」
さて、「完璧」のエピソードを紹介するとき、話の主人公となる人物がいる。それが趙の家臣であった、「藺相如」(りんしょうじょ)だ。
「藺相如」はキングダムの主人公、信や秦王政の少し前に活躍した人物。キングダムの序盤に大きな存在感を示した「廉頗」(れんば)とは深い信頼関係を築いた人物として知られている。
※詳しくは「刎頸の交わり」参照
漫画「キングダム」の中でも、伝説の人物といった描かれ方で登場していた。
実際に、「藺相如」が趙政権の中心にいた頃は、強大な秦でさえも、手を出せなかったという話も残るほど優秀な人物だ。
「完璧」という言葉は、この「藺相如」が趙で出世するきっかけとなった話が由来となっている。
2. 「藺相如」が出世するきっかけとなった秦の要求
「完璧」の由来となった「藺相如」は、ある事件をきっかけに趙の国内で出世階段を駆け上るようになった。
その事件とは、「秦」が「趙」にある宝石の献上を要求したことがきっかけとなっている。
当時の「秦」は大きな強大な力を背景として、「趙」などの他国に圧力をかけていた。そんな状況の中で、「秦」は「趙」に対して、宝石の「璧」(へき)を献上するように要求した。
「璧」とは、円盤状のアクセサリーであり、当時の中国では宝石として扱われていた。当時の「趙」は、中国で有名な「璧」を所持しており(和氏の璧と呼ばれる)、「秦」はその璧を献上するように要求してきたのだ。
「秦」は「璧(和氏の璧)を渡さなければ、趙を攻めるぞ!!」と脅しをかけ、反撃する力のない「趙」は、その要求に怯えていた。
そんな時、その頃はまだ無名だった「藺相如」が手をあげる。
「私が使者として行けば、璧を渡すことなく、話をおさめてきます。」
「趙」の王(恵文王)は、その話を半信半疑に聞きながらも、「藺相如」に璧を渡し、「秦」に派遣した。
3. 1人で「秦」に乗り込み璧を守り切った「藺相如」
本人の発言で「秦」に乗り込むことが決まった「藺相如」。
「秦」の要求する璧をもちながら、秦都咸陽(かんよう)に乗り込み、秦の昭襄王と対面した。
「秦」に乗り込んだ「藺相如」は、昭襄王と論争を展開。
最終的に、昭襄王との論争に勝ちきり、璧を失うことなく、
無傷で壁を「趙」に持ち帰る。
「藺相如」のこのエピソードは、「完璧帰趙」という古事成語となり、今の「完璧」という言葉に変化した。
日本語にすると、たった2文字の言葉だけど、その裏にはワクワクさせるようなエピソードが隠されている。漫画「キングダム」を読んだ時に意識して読んでみると、面白いかもしれないね!
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