【終了報告】対話型読書会『白』
みなさんこんにちは、デザケンのシモウサです。
昨日行われた対話型読書会『白』の終了報告をまとめましたので、こちらでご報告いたします。
今回の課題図書は、原研哉さんの著書『白』でした。参加者全員、この本を手に取った第一印象を「美しい!」と話していたり、持ち帰る一言も「余白」について共通していたりと、参加者の意識がここまで揃った読書会もすごく独特でした。そこから成された対話は非常に深い、有意義な対話となりました。
今回の読書会も、対話からとても興味深い示唆を投げかける言葉が多く生まれていますので、ご紹介いたします。ぜひご覧になってください。
・自分自身は仕事で組織や人と関わっているので、余白のある組織という対話を持ち帰りたい。役割が固まっていて、なので、今ない組織、例えば、決済はどこでとるんだ、とうことは日常のあちこちで起きている。経営の中でのデザインって、余白を持つと言うことなのではと、今日の対話から感じた。そう考えると、経営の中でのデザインの活かし方も、この本と通づるものがあるなと感じた。余白の持ち方について、この本を読み直していく中であったり、仕事で色々と提案する中で向き合ってみたいと思った。
・一番印象に残っているのは余白でした。一度、混沌としたカオスを創って、引いて行った先にたどり着く地点が余白なのかなと感じた。少ないものをただ少ないまま使うのは、恐らく余白ではなくて。一回要素を増やして、そこから必要なものだけを吟味してまた考え込むというのが、本当の余白なのだなと改めて感じた。
たまたま、対話の中で出た告白と言う言葉にも白の文字が入っていて面白いなと感じた。告白も、色々と考えたことの中から伝えたいことを選んで伝えるのだけれど、先ほどの、一度創ってから必要なものだけで考え込むというところが、相通じるものがあるなと感じた。
・自分も、持ち帰る言葉は余白なのですが、今日の対話の中で、組織の余白と言う言葉が出てきていましたが、私は人生における余白を意識してみたい。この頃、なんだかんだ詰め込みまくっていて、余白ないなと思っていけれど、先ほどの対話で、余白は美しいという言葉があったので、意識して取り入れてみたい。空白、余白がある方が、新しい概念が入ってくるスペースがあるという対話もあったが、この頃確かに追い立てられることばかり多かったので、少し無理にでもそれらをよけて、余白を創るようにしてみようかなと思いました。
・全員に言われちゃったのだけれど、私も余白の美という言葉を持ち帰りたいと思っていて。組織、人生と言われたのだけれど、私もそう考えていて。自分の人生も折り返しなので、ここからどうやって洗練させていくかというか。デザインではないけれど、自分の人生もうまく引き算をしながら、いかに余白を創っていくか。そんな過程が今後問われていくなと感じました。そういう風に生きていきたいなと、今日改めてみなさんと話して思いました。今日とっても楽しかったです、ありがとうございます。
・話にあまり出てきていないかも知れないが、この対話をしていても思ったのは、間の重要性ということ。白ということは色の概念なので、とても空間的な、色彩的な見方が強いと思うのだけれど、時間にも白はあって、それは何かと何かの間に存在すると思っていて。何らかすぐに回答を急ぐとか、もうちょっとじっくり考えてみるとか。その間を取れなくなってきているのが、現代社会の呪いではないかと思っている。そこは、白というコンセプトから考えるに、本来詰め込むということではなく、余白を創っていくことで逆に豊かになっていく、精神的には豊かになっていくということだと思った。そこから、何かしら変えていく時には、この白という地点に立ち返るということで良いのかなと、個人的に思った。何というか、思考軸としての白というか。そんなことを思った。
・みなさんの振り返りを聞いていて思ったことがひとつあって。自分自身、この9月末で仕事の大きい契約が終わって、この10月からぽっこり時間が空いてしまった日があって。家族に、そんな時間もなかなか普段ないのだから、出かけたら良いんじゃないと言われて。そうだね、じゃあ出かけるかと思ったときに、普段、いつまでにこれをしなくちゃ、と言うマインドでずっと来たので、ぽっこり時間が空くと、さて何しようかなと逆に困ってしまって。
ぷらぷら街を歩いて、普段は行かないような占いとか行ってみたり、公園の草っ原で寝転がって、ゆっくり満月が登ってくる様子を眺めてみたりとか。ああ、時がこうゆっくり過ぎていくのを感じる時間って、今までなかなか持てなかったなと思ったりして。そんなことも、自分の時間に大きな余白ができたから、目が向いたことだったなと思い出した。
・自分の持ち帰りは、引き算の美学、引くことで生まれる余白という言葉を持ち帰りたい。あれもこれもと選んでしまうと、ムチムチ感満載になってしまうのだけれど、引いていくことの強さって、今日はみなさん、人生、仕事、キャリアに関しての余白を話して下さいましたが、一番最後に自分自身に残るものの強さというか。それって、自分にとって大切なものなんだっけ、というか。自分のリソースという意味では限りあることを考えると、じゃあ何を残しますか?というか。この読書会の締めの問いで、ひとつだけ持ち帰るとしたら、何を持って帰りますか?というのもそうだと思う。引き算の美学で生まれる余白には哲学が混ざっているのかなとか。色んなものを許容する余白なのですけれど、その個人の意志が溶け込んでいるんだなと思って。自分自身、そんな意図した余白、哲学ある余白を創っていきたいし、仕事でも、色んな方々の哲学ある余白を創るお手伝いをしていきたいなと思いました。