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2024年おすすめ本⑦

「ペスト」カミュ

新訳なので読みやすい

〈あらすじ〉
194*年4月、アルジェリアのオラン市に突如発生した死の伝染病ペスト。病床や埋葬地は不足、市境は封鎖され、人々は恋人や家族と離れた生活を強いられる。一方、リュー医師ら有志の市民は保健隊を結成し、事態の収拾に奔走するが……。不条理下の人間の心理や行動を恐るべき洞察力で描いた、ノーベル賞作家カミュの代表作。
(Amazon商品説明より)

〈感想〉
コロナ流行初期に話題になっていた本。

内容をひとことで言うならば「不条理」。
ペストにしろ、コロナにしろ、未知の病や災厄への人々の反応というのは、いつの時代も似たところがあるのだなと思う。
「不条理」に対して逃げ惑う人、なんとか脱走を試みる人、平常心を保ち地道な生活を続ける人、動乱の中これ幸いと身を隠す人……。

どのような行動をとろうとも、「不条理」は容赦なく襲いかかってくる。
人の都合など、聞いてくれやしない。
人間に降りかかる災いが、日頃の罪への罰だと捉えるならば、なぜ悪事に手を染めていない子どもが苦しみの末に命を落とさねばならないのか。
私にはまだ答えが出せない問いである。

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