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エルのブランディングは「らしさ」によって愛されること

「こちらはエルさん。長野のホームページやさんだよ」

あるクライアントが、エルを第三者に紹介してくれたときのことばです。
「そうか、この方にとっては、エル=Web制作のイメージなのか」。
客観的にエルがどう見られているか、あらためて理解できた瞬間でした。

エルは創業以来、時代によって媒体を変えながら、「らしさ」を表現するクリエイティブを提供してきました。2024年9月で49期目になります。ここ数年は企業理念やCIなど、より深層部分からデザインする仕事が増えてきています。昨今のAIの流れもあり、これからは制作会社という枠にとらわれず、新たな価値を提供する存在になりたいと思うようになりました。

「あなたのいいところや、伝えたいことを、見つけて、つくって、育てていく。」この「エルらしさ」を大切にし続けるために、私たちは、変わる決意をしました。

今、「エルさんって何の会社ですか?」と聞かれたら、
私たちは、「ブランディングデザイン」の会社と答えます。


エルのブランディングを一言でいうと?

そもそも「ブランディング」と聞いて、みなさんはどんなイメージを抱くでしょうか。ブランディングについてはたくさんの本が出ており、定義も人により異なります。

エルのことばで定義すると、

ブランディングとは、
お客様一人ひとりが、「らしさ」によって愛される存在になる過程

です。

もともとエルは、Webもグラフィックも幅広く提案できることが強みでした。ロゴ、Webサイト、名刺、封筒、チラシ…どんなツールからも、「らしさ」を感じてもらえることを意識してきました。ブランディングというワードを使っていないころから、その精神は息づいていたといえます。

しかし、これからのエルの提供価値を伝えるのに「いろいろなツールを作れます」というだけでは、不十分だと感じました。エルとしての提供価値は、もっと深いところにあるのではないか。そう考えて導き出したのが、

・「らしさ」によって
・愛される

ということばでした。


「らしさ」によって、愛されるとは

●ありのままの「らしさ」を、知ってもらう

ブランディングの目的の一つに、他者との差別化があります。自分の商品は他とどうちがうのか、自分を選ぶとどんないいことがあるのか。それらを正しく伝えることで、たくさんの商品・サービスの中から選んでもらうこと。

そのために必要なのが、「らしさ」の表現です。
虚勢を張らず、嘘を言わず、等身大で、ありのままを表現すること。これは、今までもずっと大切にしてきた在り方です。

人間関係にたとえると、わかりやすいかもしれません。誰かから好かれたい、いい評価を得たい。そう思ったとき、無理をしてらしくない服装やふるまいをしていると、「本当の自分」と「周りが思う自分」にギャップを感じ、結局くるしくなってしまいます。それと同じで、目立つためにとがった表現をしたり、ロゴやパッケージを派手にしたりしたとしても、表現が実体がかけ離れていては、「らしさ」を正しくわかってもらうことはできません。

「らしさ」をありのまま受け入れ、「らしく」伝える。これが、私たちのスタンスです。今どう在るかだけでなく、これまで重ねてきたことや、これから在りたい姿も「らしさ」だと考えています。

このあたりのお話は、こちらの記事にまとめてあります。

とはいえ、「これだけたくさん商品やサービスがあるのだから、唯一無二のらしさなんてない」と思われる方もいるかもしれません。「同じことを考えて、同じことをしている人なんてごまんといるじゃないか」と。

そうかもしれません。
それでも、「あなた」自身は間違いなく、唯一無二の存在です。

同じサービスを提供していたとしても、主体が違えば、全く同じものにはなりません。どうしてそのサービスを立ち上げたのか、どんな思いで行っているのか。過去、性格、価値観、思い描く未来。それは、あなたが人生を通じて培ってきた、あなただけのものです。その価値を、私たちはかたちにして、伝えたいと思っています。

まずは「あなたにしかないらしさ」をどのように伝え、知ってもらうかを考えていきます。


●愛されているかどうかは、「選ばれる理由」でわかる

知ってもらっただけでは、ブランディングは成功とはいえません。大規模な広告を打ち、多くの人に届いたとしても、愛されるかは別問題です。知ってもらったうえで愛されるためには、「あなただからいい」という理由で選んでもらう必要があります。あなたの商品やサービスは、今、どんな理由で選ばれることが多いでしょうか。

私たちが思う「愛される」とは、「〜だから好き」を超え「それでも好き」を超え、「あなただから好き」と思ってもらうことです。

たとえば、あなたの職場に電話があり「複数社と検討している状態なので、見積もりと提案がほしい」と依頼されたとします。そこで、選ばれるために予算を極限まで下げ、「どこよりも低価格」と訴求して提案をしました。その結果、「安いから」という理由で選ばれることができたとします。

しかし、もし競合が、自社より低価格を打ち出してきたら。選ばれた理由が「価格」の場合、おそらく選ばれなくなってしまいます。選ばれるためには、価格競争を続けざるを得ません。本当は、価格以外にも価値があるのに。

しかし、「うちのサービスは〇〇が強みです」「〇〇であればどこよりもこだわっています」など、自分たちの「らしさ」を訴求して、「あなただからいい」という理由で選ばれたとしたら。この先、もっと価格が安い競合が出てきたとしても、選んでもらえる可能性が高いです。価格はもちろん重要だけれど、それ以上に「あなた」に価値を見出し、対価を払いたいと思ってもらう。これが、「らしさ」によって愛されている状態です。

そのために大切なのは、「自分の伝えたいこと」と、「相手がほしいこと」を重ね合わせること。「自分の伝えたいこと」は「らしさ」でもあり、熱が宿ります。しかし、伝え方が一方通行になってしまっては、せっかくの思いも届きません。

届けたい相手はどんな人なのか。今どんな状況で、どんなことを思っているのか。その人に何を伝えたいのか、この思いを伝えることで、その人にどんないいことがあるのか。これらを考えたうえで、「どう伝えるか」をデザインする必要があります。

相手を思うことは、自分の思いをないがしろにすることではありません。自分の思いを大切にしながら、届ける相手のことを思う。そのバランスが取れたとき、伝えたい思いが届くのです。

ここまで決まると、必要な施策が見えてきます。Webサイトをリニューアルするのか、会社資料を刷新するのか、ロゴと企業理念から見直すのか。どんな施策をするにせよ、届けたいメッセージと相手、そのための方針が決まっていれば、軸がぶれることはありません。


ブランディングをすると、どんないいことがある?

①判断基準が生まれる

クリエイティブには、絶対的な解が存在しません。にもかかわらず、ジャッジしなければならない場面が多く出てきます。感性は人により異なるため、どうしても「好き/嫌い」、主観ベースの議論に陥りがちです。

しかし、ブランドコンセプトが定まっていれば、共通の判断基準ができます。好みも価値観も違う人同士が、同じ方向を見て、「この表現はコンセプトに沿っているか」という視点で議論ができるようになります。結果、表現したいことをぶらさず、チーム全員でクリエイティブの質を上げていくことができます。

この基準は、クリエイティブが完成したあとも役立ちます。

新たな施策を行いたいとき
・この企画はうちらしいか?
・このコラボレーションは、うちのコンセプトと合っているか?
・これを行うことで、うちが目指していることを達成できるか?

人を採用したいとき
・この人はうちの理念とフィットするか?
・この人が目指す未来と、うちの目指す未来は重なっているか?

人を育成したいとき
・何を大切にすべきだと教えるか?
・悩んでいる部下に、どんな声がけをするか?

世の中に大きな動き(市場の変化、自然災害など)があったとき
・うちは今、どんな行動を取るべきか?
・うちだからこそできることは何か?

このように、企業の軸となる「らしさ」が明示されていることで、社内外に対する言動に一貫性が生まれ、チーム感・信頼感が高まっていきます。


②過程自体がインナーブランディングになる

ブランディングは、クライアントとの協力が必要不可欠です。エルでは基本的に、まず「ブランディングシート」をお渡しし、質問に答えていただく時間を設けています。そのうえで、回答をより深堀りしていきます。この過程でできるだけ多くの方に関わっていただくと、自ずとインナーブランディングになります。

競合になくて、うちにしかない価値は何か。これだけはゆずれない思い、こだわりはどんなものか。これまでどんなことがあって、どう乗り越えてきて、この先どうなっていきたいのか…。対話を重ねるうちに、「うちってこんないいところあるんだな」「当たり前だったけど、ここは強みだったんだな」と、気づきがたくさん生まれます。ブランディングのためのディスカッションを通じて、「言語化されていなかったけど、そうそう、うちってこうなんだよ!」という声をいただけると、私たちもとてもうれしいです。

インナーブランディングが成功すると、日々の言動やふるまいにも、自然と「らしさ」が浸透していきます。自分たちの仕事や理念に愛着が湧き、働くモチベーションにもつながります。そんな空気は求職者にも伝わり、採用にもいい影響を及ぼすかもしれません。


③長期的な資産になる

ブランディングとは目先の解決方法ではなく、根本の「在り方」を見直すこと。そのため、最初はコストと時間がかかります。しかし、そこで決めた軸は事業の指針となり、さまざまな施策に役立ちます。結果として、コスト削減や効率化につながるケースが多いです。

また、「らしさ」は定義して終わりではなく、日々の積み重ねによって根づき、育っていくものです。それゆえブランディングも、長期的に行うことでより効果を発揮します。

ブランドコンセプトが定まっていると…

採用
・採用基準が明確になる
・求人広告にコストをかけなくても、Webサイトから応募してもらえる
・会社の説明を逐一しなくても、Webサイトや冊子から会社理解を深めてもらえる
→より効率的に、「らしさ」とマッチする人と出会える

企画
・社内の議論が建設的になる
・意思統一を図りやすい
・対外的にどんな存在で在りたいか?を自然に意識できる
→「らしい」施策を、「らしく」打ち出せるため、ブランドの価値が上がる

営業
・自社の強みや提供価値を、丁寧に説明できる
・サイトからの問い合わせや引き合いでお仕事をいただける
・「らしい」ふるまいで商談ができる
→「らしさ」の解像度が上がるため、対面/オンラインともに営業力が上がる

もちろん、時代によって事業の在り方が変わることもあります。経営者が変わった、事業内容が変わった、新規ビジネスを始めた…そんな節目で、また相談相手として思い浮かべていただけたらうれしいです。パートナー契約も可能ですので、お気軽にご相談ください。


「らしさ」を愛し、愛されるためのブランディング

「いいものをつくっていれば、自ずと愛されるのではないか」。
私も、そうであってほしいと強く思っています。

少し前までは、たしかにそうでした。しかし今は、商品やサービスがあふれ、さらに情報過多の時代。高品質であることも、当たり前になりつつあります。そのため、どれだけいいものをつくっていても、知ってもらうことが難しくなりました。いいものをつくることは大前提、そのうえで、「どんな存在として知ってほしいか、どんな価値によって選んでほしいか」を伝えることが重要になっています。

しかし、日々の業務に加え「伝える」ためのアクションをするのはとても大変です。時間も、客観的な視点も必要です。

だからこそ、私たちがいます。

時折クライアントから、「いいデザイン・コピーをつくってくれてありがとう」と言っていただくことがあります。そのたびに、「あなたの商品やサービスが素敵だからです!」と思います。あなたの価値は、あなたにしかありません。あなたの思いは、唯一無二の、とても素敵なものです。だから私たちも、「届くべき人に届けたい!」と思うのです。

等身大の「らしさ」を、「らしく」伝えること。その積み重ねによって、自身の伝えたいイメージと、顧客の抱くイメージが重なり合っていく。「〇〇といえば〇〇さんだね」と想起され、「あなただからいい」という理由で選ばれるようになる。愛し愛される「らしさ」によって、ブランド価値が高まっていく。私たちが思い描くのは、そんなブランディングです。

お客様一人ひとりが「らしさ」を愛し、愛されながら、事業を続けていけるように。私たちはいつも隣で、ちょうどいい距離感で、併走していきたいと思っています。




デザインスタジオ・エルは「超えるをつくる」を合言葉に「らしさ」をかたちにする、ブランディングデザインの会社です。
Webサイト制作やグラフィックデザイン、企業理念やキャッチコピーのご依頼やご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。


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