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ニュースの体験:Electronic News Paper


マンハッタンで写真撮影

1997年の末に1泊2日で写真撮影だけのためにニューヨークに出張したことがあります。マンハッタンのあるビルの1フロアを写真撮影のために貸し切って、1日かけて僕の撮影しました。音楽をかけながら、広いフロアをゆったりとして使って、まるでモデルみたいな1日でした。そしてニューヨークに一泊だけして翌日に日本に戻りました。
この時の写真は、1997年のIBM annual reportの裏表紙に使われました。そして、後半のページには僕がデザインしたプロダクトをピックアップしてくれました。

IBM Annual Report

1997年のIBMのAnnual ReportはこれまでのIBMのイメージをひっくり返すようなデザインでした。表紙には、「the new blue」というタイトルとジーンズの女性。米国では、blue とはIBMのことを示している。そのblueを新しくなるというタイトルで、これまでのIBMの男性がスーツでネクタイをしているセールスマンのイメージをひっくり返すような表紙の写真でした。若い女性がジーンズでラフな姿。そして、表紙の次のページには僕の写真が掲載されていました。
https://www.ibm.com/investor/att/pdf/IBM_Annual_Report_1997.pdf

1997年のIBMのAnual Reportの表紙

当時のIBMの広報やコミュニケーションは人種や女性を考慮して、白人/黒人/黄色人種と男性/女性を掲載していたのだと思います。そして、僕は黄色人種の一人として掲載されたのだと思います。でもアメリカのIBMには多くの中国人や日本人もいたので僕でなくてもよかったのだと思います。たぶん、僕が掲載された理由は、僕がデザインしたプロダクトがAnnual Reportに掲載されたからだと思います。

1997年のIBMのAnnual Reportの2page/ 3page

1997年のIBMのAnnual Report のp96とp97は「the end of the computer」というタイトルで、パソコンという形ではなくコンピューターが見えなくなったプロダクトやサービスを紹介している。ここで紹介されている4つのプロダクトのうち、上に配置されている3つのプロダクトは僕がデザインしたものです。

the end of the computer
未来は、ニュースや情報をどんな風に楽しむだろうか? これまでのパソコンにこだわらず、ユーザー体験からITを活用した体験デザインを提案。未来の電子新聞の体験がはじまります。

未来の電子新聞 Electronic News Paper


中央に配置されている赤いプロダクトは「未来の電子新聞」です。朝起きると、トースターのような形の道具に3枚の薄いパンのようなタブレットが準備できている。早起きのお母さんは、この一枚を取り出して本日の天気と季節の料理を情報を見る。お父さんはこの一枚をとりだして経済のニュースを見ると、最新の海外新聞を日本語で読むことができて世界の経済状況を把握することができた。次に、娘が起きてきてこの一枚を取り出して今日のTVとアイドルの情報を見ることができます。
作品名:Personal Electronic News Paper
企業名:日本IBM株式会社発表:1997年
体験デザイン:山﨑和彦

Personal Electronic News Paper

この未来の電子新聞のプロダクトは、1997年に東京で日本IBMのデザインセンターが企画した「MediaParadise」という展覧会のために制作したものでした。IBMがパソコンから次の時代に変革していくためのアドバンスプロジェクトでした。そのプロジェクトのプロダクトが、アメリカのIBMの本部が着目してこのAnnual Reportにピックアップして写真を掲載してくれたのも偶然でした。

MediaParadiseのプロジェクトと展覧会についてはこちらを参照。
https://note.com/designkaz/n/n9d366a89343e?magazine_key=mf51e04d92bd8

このプロジェクトについては、書籍「うれしい体験のデザイン UXで笑顔を生み出す38のヒント」をぜひご覧になってください。
https://amzn.asia/d/4MXMzes


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