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未来を予測しない!成功を引き寄せる新発想『エフェクチュエーション』とは? | Saras D. Sarasvathy教授のセッション抄訳
はじめに
本日はエフェクチュエーション理論の提唱者Saras D. Sarasvathyによる授業の抄訳です。基になっている動画はこちら。
エフェクチュエーション・プロセスとは?
エフェクチュエーションは、起業家が未来を「予測」するのではなく、「今、できること」に集中して、成功に向かって進むための考え方です。ビジネススクールで教えられる「因果(いんが)」に基づくアプローチとは異なり、エフェクチュエーションは予測が難しい未来に対して、まず行動することでチャンスを作り出そうとする方法です。
エフェクチュエーションの5つの基本原則
Bird-in-Hand(身近なリソースを使う)
自分が「誰であるか」、何を「知っているか」、そして「誰を知っているか」をもとに、今できることを見つけます。
何か大きな夢を抱くよりも、手元にあるリソースを活用してできることから始めます。
Affordable Loss(許容できる損失)
未来の利益を予測するのではなく、失っても大丈夫な範囲でリスクを取ります。
例えば、お小遣いの一部を使って新しいことに挑戦し、それが成功しなかったとしても痛手が少ないようにすることが大切です。
Crazy Quilt(協力者とのネットワークづくり)
他の人と協力し、意見やアイデアを取り入れながら一緒に前進します。このプロセスでは、新しいアイデアや方向性が生まれることが多く、周囲のサポートやアドバイスが重要になります。
Lemonade(予期せぬ出来事をチャンスに変える)
予想外の出来事や「サプライズ」をチャンスとして活かします。計画通りに進まないことも多いですが、その中で生まれる新しいアイデアを柔軟に取り入れることが成功への鍵です。
Pilot-in-the-Plane(自分で未来を作る)
他人や環境に頼るのではなく、自分の手で未来をコントロールしようとする姿勢を持ちます。自分が「操縦士」となって、方向性を決め、行動を取っていくことが重要です。
エフェクチュエーション・プロセスの流れ
身近なリソースを確認する
まずは、自分がどんな能力や知識を持っているか、どんな友人や家族と協力できるかを考えます。
行動できる範囲でリスクを取る
何かに挑戦する際、失敗しても大丈夫な範囲でリスクを取り、最初の一歩を踏み出します。
他の人と関わる
新しい視点を得るために、周りの人と話し合い、協力を求めます。ここでは、家族や友達、先生などのアドバイスが役に立ちます。
予期しない出来事を柔軟に対応する
計画通りにいかないことがあっても、ポジティブに考え、それを活かす方法を探ります。たとえば、予想外のアイデアが生まれたら、それを試してみるのも良いでしょう。
自分で未来を作るという意識を持つ
最後に、自分が主導権を握り、ゴールに向かって進んでいく力を信じましょう。自分の行動が未来を変えることを意識し、積極的に挑戦を続けます。
エフェクチュエーションの成功例
エフェクチュエーションの考え方を使って成功した例として、グラミン銀行(Grameen Bank)やNetflixの創業者の話があります。彼らは、最初から成功が見えていたわけではなく、行動を通じて少しずつ成功に近づいていきました。
Netflixの創業者マーク・ランドルフは「未来は予測できない」とし、実際に行動して学ぶことの重要性を強調しています。
まとめ
エフェクチュエーションは、未来を完全に予測するのが難しい今の時代に、柔軟で実行力のあるアプローチを提供してくれます。この考え方を身につけることで、失敗を恐れず、自分の持っているリソースを活かして成功に向かって進む力がつく、とSarasvathy教授は述べます。