伝えたいことが伝わる!ビジネス資料デザインのポイント - DESIGN Memo#01
コーポレートクリエイティブチームに配属されデザインを任されるようになり、デザインプロジェクトもいくつか進める中、やはり相談が多かったりするのは、サービス紹介やお客さま提案時のビジネス資料の作成。
伝えたいことが伝わりやすい資料にするために、デザイナーがどのように考え作成しているか。直近でいくつかのビジネス資料をデザインしましたので、その思考プロセスをここに残したいと思います。
はじめに、どんな資料なのか?
まず意識することとして、誰に、どのように伝えたい資料なのか?を確認します。それによってどのように作成するか?が決まってくるからです。
5W1Hで整理することが多いですが、特に「どう扱うものか?」を重要視しています。
ビジネス資料の種類
当社でよくあるビジネス資料の種類に対し、扱い方はこんな感じでしょうか。
主に依頼が来るものは「社外向け」資料がほとんど。
ひとことに「資料作成をお願いしたい!」との相談でも、説明トークができるかどうかによって、資料作成のプロセスを分けています。
例えば、説明トークができる提案やプレゼンの場合は、できるだけキーとなる部分だけに絞ってスライドに入れ、メッセージを相手に伝えやすく、そして印象に残しやすくすることを考えます。実際のトークスクリプトなどの流れを把握した上で、削ぎ落とすことが重要になります。
一方で、説明トークができない場合は、ひとり歩きしても「人を動かす資料」にする必要があり、誤解や抜け漏れがない確からしい資料にするため、情報量が多くならざるを得ない。
よって、図解やグラフなどでより見やすく、わかりやすく、伝わりやすくする工夫をします。
情報の整理整頓をする
もとになる情報が詰まった資料を提供してもらってからやることは、
主に、この3つです。
ちなみに「整理」と「整頓」、両方とも”整える”という意味がありますが、
整理する:不要なものを取り除く ・・・1、2
整頓する:正しい位置に配置する ・・・3
と違いがあるので、1⇒2⇒3の順が大事。
まずは、「誰が、誰に向けて、どんなメッセージを伝えていくのか?」の定義を前提に、情報の整理をします。
何をスライドに残し、何を省くのか、に優先順位をつけ、
この資料を見るお客さま
この資料を話す人
両方をイメージして作り上げていきます。
ビジネスシーンでは、資料の役割として「人を行動させること」が重要なため、「結局、何がいいたいの?」とならないことを意識します。
レイアウトの原則
情報の整理が終わったら、整頓をしていきます。
資料レイアウトをキレイに見せていくには、デザインの4大原則の「近接」「整列」「反復」「対比」は欠かせません。資料としてルールを守ることで統一感を持ち、情報の構造や関係性を読みやすく、理解しやすく、作成していきます。
近接
関連性のある情報を近くにまとめ、異なる情報からスペースを保ち離す。整列
縦・横、階層など、情報レベルの基準を決めて要素を揃える。反復
同じような構成で複数枚スライドが続く際、同じレイアウトを利用する。対比
情報のメリハリをつけ、最も伝えたいメッセージを際立たせる。
チェックするポイント
情報の整理整頓、さらにデザインで見栄えをよくしていくための主なチェックポイントは以下。
タイトルとメッセージ:
各スライドのタイトルとメッセージが明確になっているか?
各スライドには、タイトルと伝えたいメッセージがあるか?
タイトルは名詞、メッセージは文章で伝えられているか?
1スライド、1メッセージで端的に表現できているか?
具体的な数値情報がメッセージに含まれているか?
コンテンツ:
中身を構成するコンテンツは明確か?
資料全体の要素に不足はないか?(表紙、サマリ、目次、コンテンツ、結論など)
資料全体のメッセージを支える情報が揃っているか?
スライドの構造は最適か?
最適な図解やグラフ表現になっているか?
強弱をつけ、最も伝えたいことが目立っているか?
ストーリー:
資料全体のストーリーは整っているか?
伝えたいことが全体メッセージとしてはっきりしているか?
各スライドが全体メッセージを支える根拠になっているか?
サマリー、結論でターゲットの求める内容になっているか?
デザイン:
仕上げに見栄えをしっかり整える
資料全体のトーン&マナー、色やフォント、余白の統一感はあるか?
強調したい部分の見せ方は一目でわかりやすいか?
画像(ピクトアイコン、イラスト、写真)は最適か?
これらを意識することで、ノンデザイナーでもよりよく資料を作ることができると思います!