事業部のブランドを強くしたい! 共感マップをつくるワークショップをしました。
先日、当社の金融事業部の方々とワークショップを行う機会がありました。提案と企画、そしてファシリテーションを担当しましたので、その振り返りとして意識したことなどをまとめています。
背景
この上期、当社の金融ソリューション事業のブランドをつくるというプロジェクトに取り組んでいます。クリエイティブ・デザイングループでは、その事業部の部長やマネージャー陣と密に連携をとりながらブランドづくりを支援しています。
ワークショップ開催の目的
そのブランドづくりのプロセスの中で、現場を最も知るメンバーからも、対面しているお客さまのことや取り組んでいる業務のことをお互いに共有し、共感し合う機会を持ちたいと思い、ワークショップ開催の提案をしました。
また、ひとつの事業部ではあるものの、東京と大阪とでメンバーの拠点が離れており、オンラインでの接触はあるものの、なかなか顔合わせて会話するシーンは限定的。
お互いの意見を直接対面で語り合うというコミュニケーションを通してチームビルディングにも有効な機会にしたいと思いました。
主な目的
金融チームの目指すゴールを共有し、メンバー同士の目線をあわせる
日々、顧客対応に向き合う現場の意見を抽出し、互いに共感する
拠点の異なるメンバー同士のコミュニケーションやチームビルディング
ファシリテーションとして参加も
ワークショップをやりましょう、と提案したからには、内容の企画と推進、当日もファシリテーションをやらねばなりません!
これまで部長らとブランドづくりに向けてディスカッションしてきたことやそのゴール設定なども、金融チームのメンバーに早く伝えていきたい、そして一緒に作っていきたい、という思いもあり準備を進めました。
準備:まずは何をやるか?
金融チームのメンバーの方々は、みなさんで集まってワークをする機会は、これまでなかったとのことだったので、まずはライトなテーマで、意見交換のしやすいものがいい。
いくつかの議論を重ねて、顧客価値を可視化することをテーマに「共感マップ」を作るワークに決定。
「共感マップ」とは
共感マップの目的は、サービスをより良くするために、顧客の視点を持つことで手がかりを与えてくれるツールです。顧客ペルソナの体験や感情を理解し文脈をつかみ、より深く共感するのに用いられます。共感をすることで同じ感情を持ち、相手の気持ちがよくわかることで親身になれる、そしてサービスに反映していく。そんなデザイン思考法ですね。
当日の流れを考える
さて、当日の流れを考えます。
ワークショップは、
参加者:10名(5名 x 2チームでワークができそう!)
場所:東京オフィスの会議室(大きいモニターもある、ホワイトボードもOK!)
時間:2時間(みんな忙しいからダラダラはやらない!)
こんな感じで概要は確定。
そして、この2時間はどんなふうな空気になるかなぁ?と妄想する…
基本的に金融チームのメンバーと日々コミュニケーションがあるかと言うと「はじめまして」の方も多数。
チーム同士お互いがどんな雰囲気で普段のミーティングやコミュニケーションがあるのか?それぞれのキャラクターも未知な状態です。
いきなり「共感マップをつくりましょう!」とスタートしても「???」となる可能性が高いです。
こういうとき、誰も発言しなかったらどうしよう・・・とか、なぜかネガティブな空気を想像してしまうんですよね・・・
ワークショップにおけるファシリテーターの役割は、
チームが最大能力を発揮できるように場を回すこと。
主には、
参加者の動機づけ
ゴールを明確にし、共有する
参加者のチームへの貢献を最大に引き出す
議論を活性化する、そのためのプロセスを管理する
成果を具体化する
4には、特定の人だけの発言とならないように全員から意見を引き出したり、また異なる意見も引き出したり、そのためにタイムマネジメントもとても大事です。
当日:ワークショップスタート!
まずは、アイスブレイクを兼ねた、事業部としての目線合わせをしました。
これから事業部はどうあるべきか?そのためにいま何に取り組んでいるのか?と「こんなことをやっていきたいのだ!」と上期のゴールを部長と私で伝えていきました。
いきなりメインワークをやらない
目指すべきゴールを伝えて、いざワークに…!と、いきたいところですが、
その前に場をあっためるため「ミニワーク」をやりました。
今回は、大阪メンバーと東京メンバーと普段リモートでコミュニケーションをとる関係だったので、気軽に会話を始めるキッカケを用意しました。
「口に二角加えてできる漢字は?」という簡単なお題です!
まずは、個人で1分考える、そして隣の席の人と二人でさらに1分考える。
知っているはずなのに、意外と思い出せない…!(汗)という、短い時間で頭の体操になるワークです。
このミニワークの目的として伝えたことは、個人で考えるより二人や複数人で考えることでより多くのアイディアが生まれるということを理解してもらいました。
ワークのための「おやくそく」も設定
フラットに意見を出し合うワークになるので、誰かの意見に引っ張られたり、反論したりはNG。協力し合うことを目的として「おやくそく」を伝えましす。
一人でつくらない=主観だけでの作成をすると、ただのイメージになってしまう
グループで意見をたくさん出し合うのが重要
良し悪しは不問
アイディア出しと同じくブレストスタイルでここでは共感することが重要
メインワークへ突入
ここまでの場の空気が作れたら、メインワークの「共感マップ」づくりもすんなりスタートできました。
さすが、日々お客様と対面で課題解決をしているメンバーだけあって、意見もたくさん出てくる出てくる。一目散に付箋へ書き込みペタペタ。
ペルソナに対して、ペイン・ゲインを考える。
よくお客様にこういった意見を言われる。
ここで躓くお客様が多い。
お客さまは将来どうなりたい?
というような議論が繰り広げられていました。
より多くの意見を出してもらうために、もっと引き出すコミュニケーションが必要かと思いきや、経験豊富なベテランばかりのチームなので、どんどん意見交換が始まって、とても有意義な時間になっていました。
また、同じ意見は「共感したよ!」マークとしてシールを貼ってもらったり、終始賑やかムードが漂っていました。
各チームの発表を聞いても、具体的でほんとに日々お客様と真剣に向き合っているのだな、と感じる意見が多かったです。
さいごに
インハウスのデザイン組織で他事業部を支援していくにあたり、”現場を知る”ということはとても重要だと日々感じています。
各事業部があるべき姿を求め、実行していくにあたり、わたしたちはデザインとクリエイティブアウトプットでそれらを具現化していくことに意味があります。そのキャッチアップが一歩、二歩と遅れては、なかなか魅力的な品質を生み出すこともできないと感じています。
今回、ワークショップの提案から現場メンバーとのコミュニケーションを通してライトなフィールドワークを経験できたことは、このあとのプロジェクト推進にもとても役に立つものになりそうです。