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衝動の手綱を引け

日曜日。朝から雨がしとしとと降り続いていた。
さほど早く起きなかったが、コーヒー豆を挽き、ペーパードリップでコーヒーを淹れた。平日の朝なら出来ないことも休日ならできる。全世界中が賛同してくれると思うが、朝はゆとりを持ち、ゆっくりしたい。そんな一日がスロースタートした。

そうこうしているうちにお昼になろうとした時に、僕の気力が突如底をついた。たまに来るこの無気力状態。

何もしない休日が嫌いな僕は基本的に外に出たくなるのだが、外に出る準備をする気力すら湧かない。

まだ雨が降り続く夕暮れ、必然的に食材を買いにスーパーに向かう時になり、傘をさしながら歩く住宅街。

僕の中で突如として突風のように押し寄せる衝動。エネルギーが噴出しようとしても傘をさしているだけ。それでも無気力な一日を過ごしている僕はこの衝動は抑えるのは違うように思い、衝動に身を任せてみた。

その瞬間。僕は傘を思いっきり斜め上にブン投げた。正確にはブン投げた自分をメタで認知していた。手に持っていたのが傘でなく、車のハンドルだったら僕はおそらくレインボーブリッジのガードレールを突き抜けて、東京湾にダイブしていただろう。

開かれた傘はただただクルクル2回転半ほどして、真下に着地した。
通行人はびっくりした様子で僕から少し距離を取る。30代の成人男性が突如として傘を放り投げ、何もなかったかのように拾い上げ、また歩き出したからだ。何も起きないんだけど驚くのも無理はない。

それにしても傘をブン投げる成人男性を見かけないな。
世の成人は、衝動に手綱引いて社会的に健全な用途に利用をしているのだろうか。

次に突飛な衝動が来たときは社会的健全という概念に手綱を引かせてみよう。

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