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本が好き。本が読めなくなった。
このブログに背中を押されて書いてみる。
うつ病と生きる青年さんの聴くブログ。
本が好き。昔から好き。
本の内容よりも、もしかしたら存在そのもの、形、匂い、もろもろの佇まい、気高さ、あり方、ぎゅっと詰まっていながら、ページを開くまでは寡黙な様、いろんな要素に魅かれる。
育った家にはたくさん本があって、図書館にも定期的に連れて行ってもらった。母は、私には興味がなかったけれど、いい母でありたかったので、よく絵本を与えてくれた。
しかも、福音館書店のこどものとものシリーズ。これは、松居直さんが、「子供にこそ、本格的な芸術を」という考えのもと、立ち上げた絵本のシリーズ。ねりにねられた、考えに考えられた珠玉の絵本たちは、何十年経った今でも、子供たちに手に取られている。
話がそれた。こどものともの絵本が、昔から私を支えてくれている。私の育ての親かもしれない。
父の転勤により、引っ越しが多かった。小学校を卒業して、中学に上がるタイミングで引っ越しをした。都会から中都会へ。何もかも嫌いで、面倒だった。学校で誰かと話すのがだるいので、ずっと本を読んでいた。三島由紀夫とか、太宰治とか、
意味もわからないけれど、活字を追って最後までいく遊びだった。本の世界にダイブして逃げ込むことができる。
寝逃げと本逃げ二つの技を駆使して何とかなっていた。
夜寝る前に、本を読みながらうとうとして寝落ちるのが、至福の時だった。
夫は、私のことに口出ししない人だったので、そう思っていたので、存分に本を読んだ。本当は、口出しすることが怖くてできない人だった。
不倫がわかって、彼は言った。
「寝る前に、背を向けて本を読まれるのが嫌だった」と。
それから、本を読んでいない。自分のための読書ができなくなった。読んでも頭に入ってこない。自分のことで精一杯で、他人の物語など必要なくなった、のかと思っていた。そうじゃない。
夫に背を向けて本を読んでいたから、不倫された。
これが本を読めなくなった原因。
最近Twitterのスペースで、犬に読み聞かせしている様子を流している。ある日、「今日、一言も声を出さずに終わるかも」と思ってやってみた。そうしたら「読み聞かせ」として、絵本を声に出して読むことはできることに気がついた。
そして、さらに意外なことに、喜んで聞いてくださる人がいる。ありがたや。
気楽に気軽に、読んでいる。そのうち、しっかりとプログラムを組みたくなるかもしれないし、ならないかもしれない。
本を使って、楽しい、を増やしたら、また本が読めるかも。少しだけ期待している。