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”とんぼ返り”と”こむら返り”

”とんぼ返り”には2つの意味があります。一つは、”用事を済ませたら(余計なことをせずに)すぐ帰ること”です。これは仕事の場面でよく使われます。もう一つは、”地面を蹴って空中で身体を一回転させること”です。これは体操や歌舞伎の場面で出てきますが、回転する方向は前後関係ないそうです。歌舞伎では”トンボを切る”などと表現します。

前者の用例では、「出張先から一日でとんぼ返りする」や「とんぼ返りする予定だったが、ゆっくりすることにした」などです。後者の用例では、「床の上でとんぼ返りしてみせた」や「とんぼ返りの練習をしている」などがあります。私は運動オンチだったので、バク転は出来ませんでしたが、かろうじて飛び込み前転は出来ました。ただし、若い頃の話です。

50歳を過ぎた頃から、寝てる最中に足がつる経験を何度かしました。若い頃には運動し過ぎて”足がつる”ことはあっても、就寝中に”足がつる”ことはなかったので、初めての時はビックリしました。自分に何が起きているかが、最初のうちは認識できませんでした。「アッ!」と痛みで目が覚めたら、左足のふくらはぎに激痛が走りました。この現象を『こむら返り』と言います。

足がつる悩みで最も多いのは、ふくらはぎ部分の『こむら返り』のようです。私も多くの人と一緒で、なぜか安心しました。こむら返りは医学的には、有痛性筋痙攣けいれんといって、筋肉が意図せず過剰に収縮してしまうことによって痛みが引き起こされる症状です。

この症状を引き起こす原因は様々なようで、予防は難しいみたいです。こむら返りが起きてしまったときの応急処置としては、ケイレンしている筋肉を伸ばす、いわゆるストレッチが有効です。サッカーの試合中に足がつってしまった選手が、あおむけに寝かせられているのを見ることがあります。これは足を上げたり、足の指先を手前に引き寄せたりして、太ももの裏やふくらはぎのストレッチをしているのだそうです。

『とんぼ返り』と『こむら返り』。字面じづらはちょっと似ていますが、意味は全然違います。

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