一人で気ままにブックトーク【テーマ:日本古典の現代語訳】
『おちくぼ姫』(田辺聖子)
古典ってこんなに面白いんだ!と感動したきっかけの一冊。学校で触れる作品は、どうしても古文だし、小出しだし、もしくは短く完結する作品だし…と、物語としての面白さに触れることができなかったように思う。
しかし、この一冊は、現代の言葉に訳されているし、教科書には載っていなかった、でも内容はシンデレラのようで分かりやすい。
古典の導入としては最適な一冊であると感じる。
『竹取物語』(星新一)
ショートショートのSF作家が、訳すとこんなにも面白いのか…と感動した一冊。短い文で書かれているので、全体的に読みやすい。小噺のように、古典の知識が入っているのも、とても良い。
もっと深めたいという人よりは、本当に古典を導入として楽しみたい、現代語に訳す面白さに触れたい、という人におすすめ。
『桃尻語訳 枕草子』(橋本治)
古典は、敷居が高い、崇高なものであるというイメージを良い意味で消失させてくれた一冊。訳がすさまじい、乱れた日本語で書かれている。正直、その言葉は使わない…と今読むと思うけど、古典をこんな風に楽しむことも有りなんだな、と思わせてくれたことは、大きかったです。
『なりきり訳枕草子』(八條忠基)
桃尻語訳ほどではないものの、より現代の話し言葉に近づけて訳した一冊。何よりも読みやすい。共感しやすいように書かれているのが特徴。
また、ページ下部の補足説明がとてもわかりやすい。『枕草子』の内容を楽しむのも良し、古典の知識を身につけるために読むも良しで、飽きずに読める。