心を癒し育むマインドフル・クッキング
1.マインドフルネスとは?
最近よく耳にする”マインドフルネス”。いろいろな表現の仕方がありますが、簡単にいうと「今ここの瞬間に優しく注意を向ける」ということかなと私は感じています。。これが簡単なようで難しい。少しご存知な方は、”マインドフル瞑想”を聞いたことがある方や体験されたことがあるかもしれないですよね。座って瞑想して、”今ここの瞬間”に注意を向け続けようとすると、過去のことを思い出して後悔してみたり、未来のことを思って不安になったり。なかには、ご自身を責め始めてしまったり。そして「やっぱり瞑想って難しいししんどい」って終わってしまう方もいらっしゃるようです。ただ、よくよく学んでみると、マインドフルネス瞑想の場合、自分を責めるのではなく、自分に思いやりを向け続けるプラクティスであることがわかってきます。「過去や未来のことを思って、今この瞬間に注意を向けれないからダメだ私」ではなく、「今この瞬間に注意して向けれていない私がいるなぁ。まあいっか、よしよし」と言って、今ここの”呼吸”に注意を戻すということの繰り返しをしていく、自分への思いやり、セルフコンパッション(Self Compassion)を育む営みなんです。
2.マインドフルになるとは?
マインドフルネスの実践を続けると、マインドフルな状態になる。でも、それの何がいいのでしょう。日本の座禅も呼吸に意識を向けていくマインドフルな実践です。そこで言われてきたことがヒント。「調身→調息→調心」という言葉が座禅をする時に説明を受けます。調身(姿勢を整える)と、呼吸がしやすくなり、調息になる。調息(呼吸が整う)になると、調心(心が落ち着いてくる)。生理学的にも理にかなっているんですね。吐く息はリラックスに関係する副交感神経を優位にしてくれるので、カラダがリラックスし心もリラックスしていく。この状態がマインドフルな状態。心もカラダもリラックスして、脳が落ち着き、嫌な出来事やネガティブな感情に対しても反応しすぎることなく、フラットに向き合えている状態。さらに、その状態になっている時、人が体験するのは五感が研ぎ澄まされている感覚。マインドフルな状態になると、私たちは、いろいろな感覚を統合的に受け止める力がついてくるのではないかなと、マインドフルネスの学びが深まるごとに感じています。
3.マインドフルネスとクッキング
ではなぜ、”マインドフル・クッキング”をおすすめしているのか。それは、まず、私自身がお料理することが大好きで楽しいという前提があるのですが。でも、お料理をすることは、五感を全てつかい、瞬間瞬間を味わう、マインドフルな営みそのものだと思ったからです。目で見て楽しみ、料理する時に放たれる音に耳を澄ませ、匂いを感じながら、素材の触感を楽しむ。お料理好きな人たちなら誰もが体験している楽しいプロセス。プラセボ効果を良い方向で使えば、お料理することを「マインドフルな営み」と意識すれば、より私たちの心とカラダをリラックスさせ元気にしてくれるのではないかと考えました。さらに、お料理を丁寧にするプロセスは、目の前にある食材の先にある自然や生産者の方々、食材がキッチンに届くまで関わってくれている方々全てへの感謝の気持ちを育み、思いやりをも育んでくれる。私たちの意識を少し変えるだけで、自分に優しく、人に優しく、地球に優しく、生としいけるものに優しい世界が育まれていくのではないかとも考えました。お料理が苦手という方も、やりたい思いがあれば大丈夫。「苦手は練習不足なだけ」と京都芸術大学副学長の本間正人先生もおしゃっていましたが、私もそう思います。毎日、マインドフルクッキングしなくても、週に1回だけでも、自分への思いやりとして、丁寧にお料理する時間を持ってあげるというのは私たちの心を癒し、思いやりの心を育んでいくと信じています。最後まで読んでくださりありがとうございます。みなさまにとって、心満たされる、幸せを感じられる1日となりますよう心よりお祈りいたします。