「人生100年時代。人生を幸せにするのは何?」 知ってるつもりで、実は知らなかったWellbeing〜探求中 (1)
ご縁があって、Well beingに関するプロジェクトに携わらせていただくことになり、この数ヶ月、「Well being」について、ゆるやかに考え続けています。
実は、Well beingを「幸せ」とか「幸福」とか訳す方に会うこと多くて、なんだかハッピーな状態を表しているような印象で、苦手意識をもっていました。
でも、この数ヶ月、実際に、先人のみなさんが実践されてきたことや、お話を聞いたり、研究結果を調べているうちに、自分の勘違いに気づきました。
Well beingとはWHOの定義では、「身体的、社会的、精神的に良好な状態」のことを指していて、どこにも「幸せ」とか「幸福」といった言葉は出てきてなくて、「満たされている状態」のことをさしています。
75年に渡る成人発達に関する研究のディレクターである心理学者ロバート・ウォールディンガーによると、一生を通し、私達を幸福で健康にするものは、「名声や富」 ―そう考える人はたくさんいるけれと、それは間違っている。彼は、研究結果から、3つの重要な教訓と、昔からの知恵、幸せな長寿の秘訣を語っています。
まだまだ勉強中なのですが、Well beingについて、すてき。と感じた記事の中から、順番にまとめていきたいと思います。
▼目次
1. はじめに
2. Well beingの定義
3. 人生を幸せにするのは何? ーもっとも長期な研究からー
1. はじめに
Well beingについて、まとめたいと思いはじめた理由は、
世の中の価値観が大きく揺らいだと感じる人も、感じない人も、
世界が変わってほしい、変わってほしくないと思っている人も、
それぞれに必要な役割で、社会のシステムの一人としてやりきることで、ニューノーマルが生まれてくると感じている私が、
「で、何をしたらいいの?どんな行動をとったらいいの?」
を考えるときにとてもしっくりくる言葉だな、と思ったから。
今回のような、世界中がカオスになって思ったのは、
恐怖や不安は視野を狭める危険性を持っていたり
カオスが好き/どんどん新しいことを試すのが好きな人は、気持ちが変化に追いついていない人のことを配慮できなかったり
医療現場/介護現場/教育現場を運用し続けてくださる人がいてくださるから毎日は止まらずに、また、新しいことを試せるのに、社会を支えてくれている方々に感謝を忘れてしまったり
一人ひとりは「安心して過ごしたい」「幸せでいたい」「大切な人を守りたい」「ありたい姿を見つけたい」など、願うことは全く同じとは言えなくても近い願いをもっているのに、お互いの背景にある複雑性が見えなくなってしまって、ぶつかったり、攻撃し合ったりしてしまう。
Well beingは、そんな、「今」という通過点に白黒つけるのではなく、この複雑性の中に留まりながら進んでいくのに心地よい指針のような気がしています。
2. Well beingの定義
1946年の世界保健機関(WHO)憲章の草案では
日本WHO協会訳:
健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態(well-being)にあることをいいます。
日本WHOより
原文:
Health is a state of complete physical, mental and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.
と用いられています。
元のWHOの文では、「健康とは、身体面・精神面・社会面、全部におけるウェルビーイングの状況(state)である」と書いてあるだけで、その状況が”良いもの”とも”悪いもの”とも実際には書いていません。ウェルビーイングの字面のwellから「良好」として捉えられ、beingも「であること」とも意味するため、単語で切り取られています。
また、企業としての経営の方向性や組織のあり方を考えるときに、目安となる概念の一つといえます。(日本の人事部 より)
様々な記事を読んでいると、協会を立ち上げている方が独自に定義していたり、日本では、テクノロジーの文脈からWell beingを語られる方が多い印象を持ちました。
書籍も、『時間の使い方に戦略を持つことで、フルライフ(充実した人生)を実現する』という切り口から石川善樹さんが書籍を出版されていたり、3月に出版された『わたしたちのウェルビーイングをつくりあうために』では、日本的Wellbeingを促進する情報技術のためのガイドラインの策定と普及についてもまとめておられたりと、とても興味深くて、そちらもぜひ、まとめたい。
まずは、今回は、興味津々で観た動画をグラフィックでまとめました。
3. 人生を幸せにするのは何? ーもっとも長期な研究からー
一生を通し、私達を幸福で健康にするものは何でしょう?名声や富 ―そう考える人はたくさんいます。しかし、心理学者ロバート・ウォールディンガーに拠ると、それは間違っているのです。75年に渡る成人発達に関する研究のディレクターであるウォールディンガーは、真の幸福と満足感に関する無類のデータを基に、この研究結果が私達に教える3つの重要な教訓と、昔からの知恵、幸せな長寿の秘訣を、このトークで語ります。
“So this message, that good, close relationships are good for our health and well-being, this is wisdom that's as old as the hills. “ (本文より)
グラフィックにまとめてみました。
■ 研究からわかったこと
・良い人間関係が私達を健康・幸福にするということ
■ 3つの教訓
1.周りとのつながりは健康にいい
孤独は人を殺してしまう。脳の衰えを早くし、寿命は短くなる
2.身近な人達との関係の質が健康・幸福をもたらす
争いの中で暮らすと健康に悪影響を及ぼす。愛情が薄い、けんかの多い結婚は健康にも悪い影響をもたらし、離婚よりも悪い結果をもたらす
3.良い関係性は、体だけでなく、脳も守ってくれる。
頼れる人がいる、と思っている人は、そうでない人よりも記憶がしっかりしている
「最も幸せに過ごしてきた人は、家族や友人、コミュニティなど、人間関係に頼った人」
「良い人生は、良い人間関係から」
人生100年時代、とタイトルにつけました。
会社員時代に、「仕事ができないと見捨てられるかもしれない」という恐怖や、「声に出ている言葉と気持ちがずれている人」に混乱したり、「できないことと”できない”と正直に言えない」「わからないことを”わからない”とすぐに言葉にできない」自分がとても嫌いでした。周りからの評価が高くても、仲間がどれだけ増えても、全然自分のことが好きになれなかった。むしろ大嫌いでした。
好きなことを仕事にするようになり、自分と向き合うようになり、「完璧じゃなくていい。完璧じゃないからこそ、余白ができて、誰かを頼ったり、頼られたり、人とつながることができる。」と思うようになってから、長い人生において、「しんどいことは、未来の自分にとっての学びのチャンス」「頼れる人が増えることは、しがらみから開放されていることかもしれない」と思うようになりました。楽しい思い出をつくる仲間も大切だけど、大変なときだからこそ、「この人となら一緒に乗り越えられる。」という人に出会える。共創できる仲間と出会い、心から安心して頼れるになってきたのは、ほんのこの数年です。
過去には、たくさんの素敵な人に出会ってきたのに、自分が自分の弱さを受け入れられなかったり、人見知りを理由にニコニコしてきたばかりに、人間関係を築けずにきたこと。生きづらいと、社会のせいにしてきたこと。それでも人生が続いてきたこと。
well beingを通じて、「わたし」つまり「あなた」から行動を起こしていくためのヒント」をみつけていけるんじゃないかとワクワクしています。
次回も、とっても素敵な記事や書籍があるので紹介したいと思います!