イタリアで合気道をする。
書籍『生命の力を高める呼吸』の担当編集の土肥です。
著者であり、師である多田宏先生が創立されたイタリア合気会、その60周年を祝しての節目の講習会に一道場生として参加、現地レポートをお送りします。
呼吸法もいたしましたよ!
ボローニャで「六音の呼吸」をする。
この国際合気道講習会は、2024年11月1日~3日、イタリアの北部、ボローニャの近郊にあるスポーツセンターで開催されました。
イタリアを含む世界16ヶ国から1,000名超が、道着をリュックやらスーツケースに詰めて(キャンセル待ちが160名いたとか!)集結。日本各地からも長時間のフライトに耐え、100名ほどの門下生が参加。ボローニャ中央駅から電車で二駅、そこから徒歩10分ほどで会場に到着します。
そして我々は、公益財団法人合気会本部、植芝充央道場長と合気会本部師範多田宏九段、イタリア合気会の指導者の方々に講習を受けるのです。
11月のイタリアは雨が多く寒いはずが、秋晴れで青の濃い空が広がり、滞在中はいい天気が続いて、傘もコートもいらない。着るものがなく、道着の下に着る古Tシャツで過ごしたくらいでした。
広々とした会場いっぱいに柔道畳が敷き詰められ、袴姿の有段者から白帯の初心者まで、固唾をのんで多田先生を注視しています。
技の稽古に入られる前に、生命の力を高めること、見えない世界の大切さを説かれ、見渡す限りの人人人が一体となって、「あ、い、う、え、お、ん」の「六音(りくおん)の呼吸」を丁寧に行います。
気持ちは普段の稽古と同じで、集中を心掛けて。イタリアでも日本でも、先生のされる稽古に変わることはありません。
呼吸法ののち、合気道の技の稽古が行われます。先生がされた技を、この後、皆で稽古します。
通訳はお二人。まずイタリア語、次に英語へと、参加者が多国籍ならでは。日本発祥の武道なので、技の名称は日本語のまま。入り身は「Irimi」とか。なので言葉は通じなくても、稽古は一緒に出来ちゃったりするのです。
先生はマエストロですが、日本(日本語)に敬意を表してか、「Tada sensei(多田先生)」と呼ぶイタリアの弟子の方々も多いですね。
本日はここまで。次回は「天のとり舟」「倍音瞑想」をレポートします。
また来週、お会いしましょう。
Ci vediamo la prossima settimana!
合気道をされていない一般の方々にも分かりやすい、呼吸法の本です。
「六音の呼吸」、ぜひご家庭で行ってみてください。
また、貴重な音源(二次元コード)もあり、「緊張を取り去る稽古(p.61)」「頭の呼吸(p.181)」を多田宏師範の音声で行えます。