全話無料公開！『北欧こじらせ日記』　1巻最終章「フィンランドに恋をして」

衝撃の一目惚れ以来、通い続けて10年以上。フィンランドは、嬉しいことも悲しいことも、頑張ったこともカッコ悪いことも、すべて見守ってくれたかけがえのない場所になっているのでした。単なる憧れの旅先ではなくなったこの場所と自分との距離感を見つける、1巻最終章を公開！

「フィンランドに住みたい！」という夢を見つけ、ついに叶えてしまった週末北欧部chikaさん。「北欧こじらせ日記」シリーズは、そんなchikaさんの歩みを、迷いも喜びも含めてまるごと綴ったコミックエッセイです。2周年を記念して、この度期間限定で第1巻を全話公開いたします。

　最終章である第４章では、「フィンランドで寿司職人」の夢を見つけた第一歩として、3週間のヘルシンキ滞在を実現。旅先でなく「暮らす」場所としてのフィンランド。いつしかこの街は、チカさんにとって単なる旅先ではなく、「人生のすべてを見守ってくれるかけがえのない場所」になっていることに気づきます。

※以下の通り、第1巻をnoteにて順次公開予定です。
■1週目（1月26日～2月2日）　第 １章「はじめてのフィンランド」
ー掲載終了

■2週目（2月2日～2月9日）　 第２章「北欧こじらせキャリア」
ー掲載終了

■3週目（2月9日～2月16日）　第３章「週末北欧部」
ー好評につき期間延長中！

■4週目（2月16日～2月29日） 第 4章「フィンランドに恋をして」

「おわりに」

ひと目見た瞬間に
「ああ……きっと私はこの場所を、この人を、好きになるだろうな。」
そう分かる出会いが、人生にはあると思う。

フィンランドとの出会いも、そんな一目惚れから始まった。
憧れのようでもあり、どこか懐かしい。なぜか、はじめて会った気がしない。

知るたびに「分かる！　そうなんだよね！」と手を取り合いたくなる日もあれば、
「そんな考え方があるなんて、今まで知らなかった」と、
新しい世界の見方を教わる日もある。

フィンランドに出会ったことで学んだ大切なこと。
〝自分の旅も、暮らしも、人生も、誰かのモノサシではなく自分らしく決めていい。〞

私がそれを「遠い国の話」だと割り切らず、
自分ごとのように大事にしたいと思えたのは、
「フィンランドらしさ」が、少しだけ私に似ていたからだと思う。

人との距離感も、自然を愛すところも、「らしさ」を望んだ道のりも。
私たちは、全く違うわけじゃない。

だったら……もしかしたら。私にもできるのかもしれない。
「そんな風に生きる道」が、私の未来にもあるのかもしれない。
そう思ってしまったのだ。

そんな微かな希望を手綱に、こんなところまで来てしまった。
夢も自信もなかった私が……こんなところまで来るなんて。

この本が発売される頃、私は「会社員」を卒業しているだろう。
つい先日、会社に退職届を出したのだ。

退職理由は「フィンランドで寿司職人を目指すため」。

まさかこんな日が来るとは、20代の頃は想像もできなかった。

あの日フィンランドに出会っていなかったら、
きっと私の人生は、全然別のものになっていたと思う。

これから始まる、人生の新しいチャプター。
きっと想像できないほど大変な道のりだと思うけれど、
それすらも〝生きている手応え〞として、楽しんでいけたらいいなと思う。

……もしかすると、愛してやまないものには
なにかしら「自分との共通点」があるのかもしれない。

この本を手に取って下さった方々が、どんなものを愛し、
そしてどんなところに「自分との共通点」を感じるのか……
そんな話を、いつか語り合えると嬉しいです。

この度は本書を手に取って下さり、本当にありがとうございました。
また次の旅でも会えることを願って、kiitos&moi moi!
 
週末北欧部chika

本書の紙版は、手を離しても本が閉じない糸綴じ製本です。

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●シリーズ続編も好評発売中！
第2巻『北欧こじらせ日記　移住決定編』

フィンランド移住のために、会社員生活のかたわら寿司職人の修業を開始。夢を追う中で出会った人々や小さな決心の数々。そして13年越しに叶えた夢の先に待っていた景色とは…フィンランドで寿司シェフデビューを果たす前後の日々をつづったシリーズ第2弾。

第3巻『北欧こじらせ日記　フィンランド1年生編』
会社員生活の傍ら、寿司職人の修業を続け…13年越しの夢をついに叶えてヘルシンキに移住した著者。新たに知ったフィンランドの魅力、新しい職場で出会った温かな人々や新しい仕事観。夢を叶えた先で待っていたのはまさかの……職場が倒産！？失業の先にたどり着いた、自分だけの答えとは。。移住後の激動の1年を綴ったシリーズ第3弾。

写真／週末北欧部chika
デザイン／芝 晶子（文京図案室）
※無断での複写・複製・転載を禁じます。
©Shumatsuhokuo-bu chika, 2022. ／ SEKAIBUNKA Books Inc.