ノベル #7
時のはざまに置き忘れてきた
ターコイズブルーの
シーグラスのかけら
瑠璃色の海のわすれもの
誰か
見つけたなら
教えてほしい
滲んだ光の散乱が
さんざめく
もう、どんなに叫んでも
届かない想い
古い物置小屋の片隅でみつけた
文字盤のガラスも外れ
とうに動かなくなった
ゼンマイ仕掛けの柱時計
時を巻き戻すことなど
できはしないと
言うけれど
鍵穴に錆びたねじを差し
ひと巻き ふた巻き
時を遡ってゆくよ
心のいちばん奥の扉に
押し込んだ
小函の思い出を
忘れているなら
思い出せばいい
痛くて、
苦くて、
甘い時の
かけらを
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