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『真夜中乙女戦争』
私たちは私たちを知っているようで私たちを知らない。
何かに渇望し、わからない何かを必死に探る。その中で生まれる悩みは他の誰とも分かち合うことができない。どうしたら幸せになれるのか、何が幸せなのか。それは自分自身で感じ、決めなければならない。
大学一年生、人生で一番自由で時間のあるこのタイミングに入学直後から主人公はそのわからない何かに悩まされていた。
そんな時、同じような目をした二人(先輩と黒服)とそれぞれ違う形で出会うことになる。
主人公はまた違った意味で二人を愛していた。
あなたも好きだけど、彼も好きなの。この気持ちは事実であり真実だ。また、何が好意で何が愛かがわからない。悩んでも悩んでも答えは出ない。でも、自分の気持ちに嘘はつくことは良くない。かといって、それは誰かを傷つけることになる。
作中で先輩が主人公に述べたこの言葉がとても響いた。いわゆる共感の念だ。
解決はしないことでも、同じ悩みを持つ人間を知っていること。
それだけで私たちは私たちの在り方を肯定することができる。
それだけで救われる人はこの世界にはたくさんいると思う。
言葉を通して、私もいつかそんなものを書きたい。
・当たり前のことは当たり前すぎて何度だって忘れてしまう
・友情は離れてからが本番だし、恋愛は好きとか嫌いとか超えてからが本番。
・猫を飼えば、猫を飼いたかった自分を永久に失うように、何かを手に入れるということは、なにかを失うのと同義だ。
・何かを失うというのは、何かを失うことを得るということでもある。
・愛し合っているって確信できないから愛し合っていますって言い合うんだよ。
・思うに可愛いとは、手に入れようと思えば手に入れられる複製品、あるいは自分の存在より遥かに劣後する、不憫なものに対して抱く優越感のようなそれだった。
・美しいとはその逆だ。手に入れようとしても手に入れられない。その一点のみしか宿らない、そして、私の存在より遥かに優越するもの。
・努力していることに甘える奴は頂けない。努力信仰は日本の麻薬だ。
・幸せになりたいと願う人間が、いつまでも幸せになれない理由を知ってるか?今の自分は全く幸せではない、と自分で自分を呪い続けるからだ。
・他人と比較してもお前の価値はあがりもしないし下がりもしない。おまえは、自分で自分の値段を決めろ。最高の復讐とは幸福に生きることだ、とはスペインの諺だ。もちろんここは日本だ。昼寝が文化の国じゃない。残業が文化だ。前にすすんでも地獄、後ろにすすんでも地獄、立ちすくんでも地獄だ。どうなったら幸せかは誰も教えてくれない。だから何が幸福か、自分で決めないといけないんだよ。
・青春は、青春の中にいる時、それが青春だと気づけない。