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雨ニモ風ニモ負けてしまっても

7月初旬。
すでに今年も半分が終わった。時が過ぎるのを早く感じるかの如くそう呟く。
脱衣場より洗濯機終了のアナウンスが鳴り響いてから1時間。
微かに光が溢れるカーテンを開けて、ようやく重い腰を上げる。
関東平野には今日も強い風が吹いていた。
自分の気持ちを表すようなどんよりとした曇り空であったが、天気予報を信じて一週間分の洗濯物を干していく。

「体だけには気をつけてね」と会話の終わりに結びの挨拶として向けられた言葉。
とっくに壊れ切っていた。知らなかった。気づいた時には手遅れだった。
ブレーキをかけないと人は壊れる。アクセルを緩めないと人は壊れる。
そんなこと、誰しもがわかっているはずで、心は素直に悲鳴をあげているわけで。
社会はそんな私たちのことを知らず、もう一段階、もう一段階とギアをあげていく。

人は自分以外の誰かを幸せにできた時に、一番の幸せを感じるらしい。
ただ、幸せじゃないと感じている者が誰かを幸せになんてできない。
だから、あなたが幸せでないなら負けていいんだ。倒れたっていいんだ。
まずはあなた自身の幸せを切に感じることができるように、あなたは負けるべきなんだ。
プライドやエゴ、周りの目や意見… そんなのはあなたの幸せに関係ない。

雨ニモ風ニモ負けてしまう日が私たちには必要だから。


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