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会社で人をどうやって育成するのか?

こんにちは。XTalentの松栄(@deka_wanwan)です。ド直球なタイトルをつけてみました今回のnote。人材育成について書いていきます。

個人的な興味と仕事の兼ね合いから、ここ半年位、人材育成や組織開発のすごい人がいると聞いてはヒアリングをお願いしてまわりました。そこで感じたことは「人事だけでなく現場のマネージャーが知っておいた方がいいことが盛りだくさんだなぁ。というか私自身もっと早く知りたかったわ。」です。

ということで、みんな知る機会があるといいなと思って書いてみることにしました(この記事が好評だったらシリーズ化するかも?)。

※ ここで書かれていることはWebスタートアップ・ベンチャー界隈で体験した・見聞きした話を前提にしています。その心持ちでお読みください。

育成には「配置」が重要

まずは知りたいのはこれ!とド直球な質問をつよつよなHRの方々に投げてみました。「人を育成するために一番重要なものはなんですか?」と。
多かった回答はこれです。

「配置ですね。」

配置なんだ!と最初は驚きました。育成する方法といえば1on1とか、研修とか、『ザ・育成施策』みたいなものが出てくるのではと思っていた私は浅はかでした。

言われてみれば、「7:2 :1の法則」というものがあります。米国ロミンガー社の調査結果に基づく考え方で、「7割:仕事の経験からの学び」「2割:上司や顧客など他者からの学び」「1割:書籍や研修からの学び」で人は成長するというものです。

7割が経験からの学び、つまり成長につながる経験を積ませることが一番である、という観点から見ると、配置が最も重要であるというのはとても腑に落ちます。

だた、良い「配置」をどうやって考え決めるのか。これがポイントです。

育成のためのステップと、環境づくり

様々な話を聞いた私の結論として、「配置」を良いものにするためにはステップがあると考えています。

step1:育成後の理想像を描く
step2:個人の成長ジャーニーを描く
step3:個人にとって最適な配置を行う

順を追って見ていきます。

step1:育成後の理想像を描く

まずどんな風に育ってほしいか、つまり自社にとっての理想の人物とは?を決める必要があります。なぜなら、目的地がわからなければ、人はそこに到達できないからです。

具体的に言えば、理想の役員像や理想のマネージャー像、理想のスペシャリスト像を定めるといったイメージです。お気づきかもしれませんが、これはそのまま評価制度とつながってきます

注意したいのは、この理想像は実は会社によってかなり異なること。経営者の考え方やミッション、ビジョン、バリューによっても違い、業種やビジネスモデルによっても違います。理想像や評価制度を、他社を真似て安易に作ると後々困ります。

step2:個人の成長ジャーニーを描く

次に、理想像から個人一人ひとりの成長ジャーニーを考えます。本気で育成に取り組んでいる会社は、社員一人ひとりの成長ジャーニーを考えていました。「え、全員分?大変じゃん。」と思いませんか? そう、めちゃくちゃ大変です。「大変だけど必要だからやる」「それをすることが自分の仕事だから」という答えでした。

もちろん全員分を経営陣が考えているわけではなく、各マネージャーが自分の全メンバーの成長ジャーニーを描いていたりします。次期幹部候補や次期マネージャー候補については経営陣が考えていたりもしました。

具体的に、例えば今、toBサービスでSMB向けの営業をしている人が事業部長になるまでの成長ジャーニーを考えてみましょう。

事業部長となると、理解しておいてほしいこと、出来ていてほしいことがたくさん思い浮かぶのではないでしょうか。エンタープライズ営業もできてほしい。BtoBマーケも理解していてほしい。事業の立ち上げ経験を持っていてほしいと思う場合もあれば、停滞した事業を回復させた経験を重視したいと思う会社もあるでしょう。

ここでもう一つ考えたいことは、事業部長になるならば、マネジメント能力を身につける必要があることです。マネジメントは自分が受けたマネジメントのやり方がその人のマネジメントの引き出しになりやすくなります。

引き出しを多く持っている方がマネジメント力が高くなりやすいことも学びました。なぜなら、ある特定のタイプや組織しかマネジメントできないのであれば、異なるタイプの人が入ってきたり、違う組織に移るとマネジメントができなくなってしまいます。それではマネジメント能力が高いとは言えないためです。

つまり、セールスから事業部長になる成長ジャーニーの間に、多様なマネジメントを受ける経験をしておくという観点も重要になるということです。ずっと同じマネージャーのもとで学ぶのでは不十分ではと考える必要が出ます。

どの順番で、どのくらいの期間をかけて、どんな育成をしていくのか。成長ジャーニーを描くのはなかなか熟考が必要だなと感じています。

step3:個人にとって最適な配置を行う

step2で成長ジャーニーを描いたら、配置を考えます。

ここで考えたいのは、個人育成に対して最適な配置と、会社や事業にとって最適な配置が異なりやすいことです。

「Aさんのキャリアを考えるならば他の経験を積んだほうがいい。しかし、この事業を成長させるためにはAさんの力が必要不可欠だ。異動は困る。」

その事業の責任者の意見としてよくあるパターンでしょう。個人育成と事業最適のバランス、どうやってとるのだろうと感じました。聞くと、ある方が教えてくれました。

「事業にとってその人が必要でも、その人の成長が停滞していたり所属期間が長くなっているのなら、異動させる方がいい。ずっとその事業にいさせても、飽きたり、自身のキャリアのために退職してしまうから。事業にとって痛手でも、その人に退職されてしまうよりよっぽどマシでしょう?」と。

stepを踏んだらPDCAを回す

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配置で順調に経験を積み成長しているか?、つまり成長進捗は評価で見ることになります。育成進捗にあわせて、成長ジャーニーの次の配置に行くか、成長ジャーニーを組み直すかなど、PDCAのAが重要です。

人は思った通りに伸びるわけではありません。ある配置が上手くいかなかった場合でも、配置は有効に使えるという話も教わりました。

例えば、上司と部下には相性があります。違う上司のもとに異動させてみると突然伸びだした、ということもよくあると。

また、X上司に言われてもずっと響かなかったことが、異動してY上司にも同じことを言われてはじめて本人が納得することもあると。同じことを多方面から言われると受け入れられるようになるという話ですね。

こういう細かな采配の配置も育成には重要だったりします。

成長ジャーニー通りに上手くいかなかった、配置は失敗した、ではなく、PDCAを考えてさらに配置を上手く使う意識を忘れてはならないと学びました。

並行して、忘れてはいけない環境づくり

会社全体で「成果が出る習慣」をどれだけ作れているかもとても重要と教わりました。習慣によって成果には差が出ます。例をあげてみましょう。

・FeedBackをする文化があるか。人は良いことも改善点も明確にFeedBackを受けることで理解が進みます。自信がつく、改められる、そんな成長はFeedbackがあってこそです。

・会議は最適化されているか。例えば意思決定すべき会議で、意思決定できているか(決定を先延ばしにしていないか)。ただ共有するだけなど、会議にしなくてもいい内容を会議にして、多くのメンバーの時間をとっていないか。生産性に大きな差が出ます。

・業務を進めるスピード感はどれくらいか。その会社である業務をやるのに1週間が普通か2日が普通か。会社によって実はここは大きく異なるんだなと様々な会社を見て感じました。

環境づくりは、誰かが意図して作っていかなければなあなあになりやすいものでもあります。どんな習慣がよいかを考えて作り、また社内の誰かが良い習慣をしていたらそれを全社に展開する。こういった標準レベルをあげていく活動もとても大切だと学びました。

以上!私が学んだことの第一弾アウトプットでした。

まだまだ知りたいことやディスカッションしてみたいことがたくさんあるので、人材育成や組織開発の話を松栄としてもいいよ!という方、Twitter(@deka_wanwan)のDMなどでじゃんじゃんお声がけいただけると嬉しいです!

お読みいただきありがとうございました!


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