小説・辻邦生、銅版画・山本容子『花のレクイエム』を読む。毎月一つの花を主題にした文学と銅版画の交歓。死が分かつ切なさを書いた短篇が多い一方で、銅版画は抑えられた色彩でも華やかさがにじむ。打ち合わせなしで臨むがゆえ起こる共鳴とずれのいずれも心地よい。お気に入りは五月のクレマチス。
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