口伝22日目:いろいろな般若経
今日は午前中に
八千頌般若経の口伝が終わり、
午後は『いろいろな般若経』と名付けられた
短い般若経が集められた1巻を読了された。
般若経全21巻読了である。
午前中だけで八千頌を読了されて、
それも、
ただひたすら読んでいたのではなく
昨日の1偈について説明もされ、
中休みもとられてだったので、
お昼を食べながら
先生の爆速口伝を褒め称える
おしゃべりが聞こえていた。
昨日の1偈の説明を
「ここにいる人達のために」と、
第1セッションの最後に改めてして下さった。
https://www.instagram.com/reel/DC1ugl8AEXZ/?igsh=MWNkamY0NTdyeXNtZQ==
五蘊の
色(形あるもの)・
受(感受作用)・
想(識別作用)・
行(色・受・想・識以外のもの心身の行為)・
識(主体的知覚)
の蘊(集積)は本性がない。
幻のようである、
空性であると知らなければならない。
その例として、幻や夢や幽霊の都が説かれる。
本当にあるのではない、という意味だ。
「意識などの五蘊は、幻のようだ」というのは、
「真実として捉えるものではない」ということ。
欲し得ない。
執着し得ない。
真実(実在)であると捉え得ない。
ということだ。
何故かというと、
真実であると捉えるに値しないから。
2行目は、幻そのものが蘊であり、
蘊そのものが幻そのもので、
別のものとして無い、ということ。
ここでは般若心経の
色即是空 空即是色
の意味を当てはめなければいけない。
それが心にあれば、
何をしていても般若波羅蜜の修行になる。
学者のように多くの言葉を学んで理解しなくても
大切な意味は分かっていることになる。
それは正しい心で、正しい対象を悟っており、
正しいものごとを認識しているので、
正しいものごとの力によって
目に見えない幽霊や魑魅魍魎も斥けられる。
「諸々の想いから離れ、寂滅を行ずる」とは、
「幻のようだ」「夢のようだ」「変化(へんげ)だ」
「空性だ」と捉える心(思考)も
無くならなければならない。
それが般若波羅蜜の行である。
さて、昨日の論書の話は少し難し過ぎたと、
ご意見を頂いた。
筆者にとってはとても面白い話なので、
どうも加減が分からない。
なので『根本中論』など4論書の
27章の目次を紹介するのみにとどめようと思う。
全ての章に「〜を考察する」という章名が付けられている。
第1章 縁を考察する
第2章 行き来を考察する
第3章 根を考察する
第4章 蘊を考察する
第5章 界を考察する
第6 章 貪欲と欲す者を考察する。
第7章 生住壊を考察する
第8章 行為者と業を考察する。
第9章 宿住(前世での住)を考察する
第10章 火と薪を考察する
第11章 前と後の果てを考察する
第12章 我が為した・他が為したを考察する
第13章 行を考察する
第14章 会合を考察する
第15章 本性を考察する
第16章 束縛と解脱を考察する
第17章 業を考察する
第18章 我と法を考察する
第19章 時を考察する
第20章 集合を考察する
第21章 起壊を考察する
第22章 如来を考察する
第23章 誤りを考察する
第24章 聖なる真実を考察する
第25章 涅槃を考察する
第26章 有(輪廻)の十二支分を考察する
第27章 見解を考察する
それぞれの章で、
主に部派仏教の主張から
実在視されていると思われる概念を取り出して
「それらは実在しない」
という結論を導いていく。
思い込みの数だけ実在視はあるので
それらを丁寧に斥けていく。
当時は言葉をそのまま訳していて
それが当たり前の意味を持っていたので
自分では難解だと感じていなかった。
今になって読み返して
日本語として解り辛いかなと感じる。
チベット語の方が解りやすいかもしれない。
もしよかったら、
皆さんがどんなことを知りたいのか
フィードバックを頂けると嬉しい。
口伝の話に戻ろう。
午後のセッションでは
さまざまな短い般若経の口伝を授けて下さった。
七百頌・五百頌・
般若摂頌(一万八千頌の第84章)・
金剛般若経等々。。。
ある人々は、
経典全ての口伝を受けて
「金剛般若経の口伝を受けていない」と言いながら
口伝を授けてくれる先生を探し回っているそうである。
『いろいろな般若経』の中に
金剛般若経がおさめられていることを
知らぬが故に起こること。
先生にしてみれば
「そういう人を沢山見た。
お経を持って探し回ったりして、
時間の無駄」
だそうである。
なので「メモをとっておきなさい」と
短い般若経の経典名を
細かく知らせて下さった。
一文字般若経もあったが、
本当に「あ」という間に読了されてしまった。
明日からは経部の口伝が始まる。
ラサ版では宝積経から始まるそうだが、
先生は他の版に合わせて
華厳経からなさるそうだ。
明日からは
方便の経典が始まる。
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