「鳩覚醒」〔コイネージ【新造語の試み】11〕
夜、電車で帰宅。
シートに座って、疲れで居眠り。
「ビクッ!」と気づけば、最寄り駅。
慌てて降りることがある。
このように、電車内で寝ていても、目的地に着くと自動的に目覚める不思議現象。
まるで、「鳩のごとき帰巣本能」が己にも宿っていて、「起きろ、ここ降りる駅だぞ」と起こしてくれているかのように。
このイメージから、電車内での居眠りから自動的に目覚める現象を「鳩覚醒(きゅうかくせい)」と呼んでみる。
「あれはなんなんだろうな」と毎回不思議に思いつつ、最近では「どうせ俺の中の鳩さんが起こしてくれる」と、"あてにして"寝てしまうことが多い。
大抵は正常に機能してくれるのだが、あまりに疲れすぎていたり、前日の睡眠時間が足りていなかったりすると
「…あれ?ここどこだ?…げ!寝過ごしとる!しかも(急行で)区間がめっちゃ長いところにおる!うわ!戻るのだるぅ…」
となるので、注意が必要だ。
もっとも、電車があるなら御の字で、終電で"やらかせば"目も当てられない。タクシー内で「5000円あれば、あれとあれとあれが買える…」と、悶々としながら帰ることになるだろう(一応これはやらかしたことはないが)。
人間は所詮人間。野生動物の本能には大きく劣る。最初から"頼る"は考えものかもしれない。
なお、「なぜ電車で寝ていても、目的地に着けは目覚めるのか」について、納得できる定説は発見できていない。日本人特有のものらしく、外国人にはしばしば驚かれるらしいが…。
「浅い眠りのため、降車駅のアナウンスが聞こえている」
「降車駅で沢山の人が降りるので、雰囲気で気付く」
といった「説」はあるが、これだと経過駅はスルーして、降りる駅ピンポイントで目覚める理由が説明できないように思う。
この謎の解明は、調査継続中だ。
そもそも電車内の居眠りは、"休息"という点では効率が悪いので、居眠りをせずにいられる睡眠生活を心がけるのが一番なのだが。
こっちは科学的に解明済みのロジックなので、一応気にかけておいて損はないだろう。
(参考資料)