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♪嬉し楽し♪甲州百匁柿♪干し柿作り♪

 この時期になると、民家の軒先に干し柿のカーテンをよく見かけます。
牧歌的な空気が漂う日本ならではの風景にノスタルジックな想いが込み上げてきます。
干し柿は長い冬のための栄養満点保存食。
干し柿・あんぽ柿作りに初挑戦です!!

 昨日、市場に行きました。
皆、柿の入った大きな袋を両手に持ってやる気満々です。
私もお目当ての甲州百匁柿(こうしゅうひゃくめがき)を購入しました。

甲州百匁柿は干し柿用の渋柿です。
古くから山梨県で栽培されています。
大きいもので400~500gにもなります。

百匁(百目)
匁(もんめ)とは重さを表す単位で、明治時代に3,75gとされたそうです。
柿の重さを表すのが375g=100匁=百匁になったそうです。

今回購入した甲州百匁柿は全部で37個。
7個は焼酎で渋抜きをして、そのまま頂きます。
いくつかはスプーンで食べられるくらい超完熟になるまで置いておきます。
そして、30個を干し柿にします。


今回購入した中で一番大きかった甲州百匁柿は585gもありました。


普通の柿が206g。
並べるとこんなに大きさが違います。


干し柿にすると三分の一程度に縮むそうなのでこれくらいの大きさが向いているのでしょう。


今日は張り切って6時に起床し初めての干し柿作りをしました。

では、はじまりはじまり~

~行程その1~
まずはヘタを取ります。
ハサミで余分な部分を切り落としていきます。
ハサミが入りにくいので結構大変な作業でした。

ヒラヒラしている部分を取り除きます
ヘタは捨ててしまいます


~行程その2~
よく水洗いをします。
ヘタを取ってからの方が、枝の付け根まで綺麗に洗うことができます。
干し柿用なので、吊るす時に紐をかけられるようT字の枝がついています。


~行程その3~
柿の皮をむいていきます。
大きいのでピーラーを使った方が楽です。
皮が残ると触感が悪くなってしまうそうなので丁寧にむいていきます。

アームホルダーが外れたとは言え、手がまだ不自由で、大きくて重たい柿に大苦戦!!特に朝は指先がこわばっていてキツイ!!
でも動かしているうちにだんだん慣れてきて、いつの間にか痛みを忘れるくらい熱中していました。
2時間半かかって全部剝き終わりました。
超リハビリになりました。

とても綺麗な色で心がほっこりしますね


~行程その4~
ヘタの部分のT字の枝に紐をかけていきます。
我が家は軒先が狭いので、1本に5個ずつのものを6本作ります。
柿と柿がくっつくとカビが生えてしまうそうなので、離して紐を結んでいきます。

こんな感じで結びました


~行程その5~
大きなお鍋にお湯を沸かして、5~10秒ほど柿をお湯にくぐらせて消毒します。こうするとカビが生えにくくなるそうです。
ポイントは必ず沸騰したお湯にヘタまで入れること。


~行程その6~
いよいよ軒先に吊るします。
この時もやはり柿と柿がぶつからないように離して吊るします。
日当たりが良く、風通しの良い場所が最適です。

干し柿のカーテン完成!!

手がなかなか言うことをきかず3時間半もかかってしまったけれど、
干し柿のカーテンが完成した時は感動的な瞬間でした。

~行程その7~
これは省いても良いそうなのですが、霧吹きで焼酎をかけるとカビが生えにくくなるそうです。
万一カビが生えてしまった時も、焼酎でふき取ると良いそうです。


~行程その8~
5日~1週間ぐらいしたら、柿のお腹や肩を優しく揉んであげる。
繊維を切り、渋を抜くためだそうで、揉んであげると甘みが増し美味しくなるそうです。

~行程その9~
お空とにらめっこしながら、時が経つのを待つ。

雨に濡れるとカビが生えてしまうので、雨が降ってきたら、部屋の中に吊るします。
お山のお天気は変わりやすく天気予報は当てにならないので、油断しないようにしっかり空模様を見極めなければなりません。

とりあえず最初の3日間が大切らしいので、天気予報を見て晴れの続く日を選びました。

南アルプスとやまなしの木


~行程その10~
祈る
お天気が続きますように・・・。
美味しくできますように・・・。
真心を込めて。



~番外編~ 
柿の皮の活用法。
こんなにたくさんあります。

柿は実だけでなく皮にもたくさんの栄養があるそうです。

柿の栄養
ビタミンC、1日1個食べると1日に必要な量がとれるそうです。
他にもビタミンB1・B2・カロテン、カリウム、ポリフェノール(タンニン)、食物繊維などなどたくさんの栄養がぎゅっと詰まっています。

なので皮を捨てるのはもったいないので天日干しにしました。
ザルがなかったので、柿の入っていたネットを洗ってその中に入れてみました。時々振って空気を入れます。
今日は爽やかな秋風が吹いていたので、これで大丈夫そうです。

天日干しにしたものは、煮物や白菜漬けなどの漬物を作る時にお砂糖の代わりに入れたり、お茶やフレーク、チップスなど色々活用したいと思います。糖度が高いので、お料理に使うとお砂糖の量を減らすことが出来るそうです。美肌効果や風邪予防、二日酔いの防止や高血圧・成人病予防にも効果が期待されているそうです。柿はとっても優秀な果物だったんですね。

干し柿は昔の人の知恵。
野菜の採れない冬は栄養が不足しがちです。そうならないために柿を干して長期保存することで、栄養を摂っていたのでしょう。干し柿に限らず保存食は冬の貴重な栄養素なのですよね。


何とか無事に柿を全て吊るすことが出来ました。
干し柿と言うよりも、超熟のあんぽ柿を目指しています。
冷凍保存するとシャーベットのようで美味しいそうです。
初めての干し柿づくり、なんだかとっても楽しかったです。
リハビリ中なのでかなり苦戦したせいか吊るした時の喜びはひとしお。
完成が待ち遠しいです。

”ご馳走”と言う言葉があります。
馬が走ると書きます。
その昔は大切な客人を迎える時にその準備のため、方々へ馬を走らせ食材を調達しなければなりませんでした。今は何でも簡単に手に入る時代ですが、昔はおもてなしの料理を作るのも一苦労。とても大変だったのですよね。
本当の意味でのご馳走は、高価なものや豪華さではなく、大切な人を想い、手間暇かけて真心を込めて作ったもののことを言うのでしょう。
そして、「頂きます」「ご馳走様でした」と一生懸命作ってくれた人に感謝をすることも大切なのでしょう。
今まで何気なくスーパーなどで買っていた干し柿ですが、自分で作ってみてありがたみが分かりました。

さて、大きな柿なので2週間ぐらいかかるでしょうか・・・・・・。
完成までもう少し時間がかかります。
干し柿のカーテン越しに見上げる秋の空は、いつにも増して美しく。
美味しく出来たら、私の作ったご馳走を実家の母と姉に贈ろうかな・・・ぼんやりと考えながら眺めていました。

毎年”読書の秋”なのですが、今年は”食欲の秋!!”真っ只中におります!!
リハビリも頑張るよっ!!


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