「インバスケア」/資生堂
びびらせるファクトからの救いの手マーケティング。
インバスケアを女子の教養にする強いファクト。
エントリー会社:博報堂
事業主体:資生堂ジャパン
・ファクト
約9割の女性が「お風呂上がりの肌は入浴前よりも乾燥する」という事実を知らないなど、 急激な肌乾燥への理解が低く、 お風呂上がりの保湿ケアも徹底できていない
・内容
お風呂上がりの肌は入浴前よりも乾燥することを裏付ける調査結果をファクトとしてゴリゴリにつくり上げ、その上でお風呂の中で保湿するインバスケアが楽だしケアできるし一石二鳥ということで「専科 パーフェクトホイップマスク」(資生堂)商品を売り出した。
・結果
発売後3週間で年間見込みの7割を出荷
・ターゲット
20-40代の働き盛りの美容を気にしつつもなかなか美容のための時間がとれない女性
・このキャンペーンで果たす役割、目的
お風呂後の肌は入る前よりも乾燥するという調査結果を世間に出すことでインバスケアという言葉の認知。そしてもともとつくっていたインバスケアできる商品の購買促進
(ちなみに2015年にTSUBAKIをインバスケア搭載として売り出している
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000269.000005794.html)
・ターゲットインサイト
乾燥するとは分かっているんだけどついめんどくさくてお風呂後の保湿ケア怠っちゃう、、、でもわざわざ出てから保湿ケアしなくてもお風呂でできるのはすごいうれしい!
・このキャンペーンのイメージ
ビビらせる、煽る、救う、手軽
・メモ
身近な事柄の危機的情報は読まれる
普段、調査結果の詳細が書かれた情報はレポートの引用の時くらいしか見ない私がなぜかこの
全国20~40代の女性300人に聞いた『お風呂上がりの肌乾燥とお風呂保湿』に関する意識調査 入浴後の肌乾燥を防ぐ『お風呂での保湿ケア』の効果を知らない女性が9割
という記事はしっかりと見てしまった。それはお風呂後の肌の乾燥に悩みつつも保湿ケアをサボってしまうこのキャンペーンのドンピシャターゲットだったからだ。
この悩みを抱えているターゲットに向けて「やばいよやばいよ~~~!!!」と煽りをかけたあとにすかさず「ほらでもね実はお風呂の中でパックできちゃうんだ!!!時間かからず一石二鳥!!!」と言われたらもうそれはやるしかない。
#インバスケアと #ズボラ女子
インバスケアっていうのが実はズボラ女子に合ってるんだよ〜とここで主語と述語を決めている。
ズボラ女子という言葉を使うことの凄さはズボラじゃない女子も巻き込むところだ。「インバスケア」と聞いてたとえこまめ女子だったとしてもその記事をチェックするだろう。なぜならこまめだから。そしてもちろんズボラ女子もわざわざズボラ女子を名指ししているということはそれでも楽できるんだろうな!?っていう期待をもって記事をみる。ズボラ女子というワードはどちらにもアプローチできるので最強ワード。
ギモン
・キャンペーン、ファクトが強いだけに他社製品がどんどん乗り込んできてすぐレッドオーシャンになってしまうのでは?そうなったらもともと売り出したかった自社商品が負けたりしないのかしら?
参考文献
2017/9/13 お風呂後肌乾燥調査結果リリース
2017/11/23 時短文脈で取り上げられるように
ダイアモンドオンラインが元記事だけどタイトルをながらからずぼらにだけ変えてASCIIが転載として出してるのもおもしろい。ちなみにこれを真似てずぼらというタイトルにしてる媒体もいくつかあった。
2018/1/9 あさイチ放映「スゴ技Q(バラエティ/情報)」
2018/1/27 バスタイムは肌を手入れしよう
2018/2/15 競合のDHCのメディアがインバスケアを取り上げる笑
2019/1/4 もはや資生堂の商品入ってないインバスケアのまとめ。もうインバスケアが一定の人に浸透している証拠かね、、、