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自治会DX事例視察②ー米泉校下町会連合会編ー

こんにちは!
前回の記事に引き続き、自治会DXの先駆事例視察の結果を報告していきます!
前回の記事はこちらから。

今回、DCDは2024年7月31日(水)に金沢市の米泉(よないずみ)公民館にて、米泉校下町会連合会さんへヒアリングを実施しました。

金沢市の自治会は校区単位での結束が強く、校区の呼び方も地域の昔からの慣習で「校下(こうか)」と呼んでいるんだとか。米泉校下は金沢市で最初に地域ICTプラットフォーム「結ネット」を導入した地域。
まさに金沢のパイオニアである米泉校下町会連合会さんに、導入の経緯から現状、災害活用、見据えている展望をヒアリングしました。


結ネット導入の経緯

米泉校下では2019年4月から結ネットを正式運用。
校下の利用者はID数で1600を超え、全体の38%の人が利用しています。
導入の一番の目的は災害安否機能。避難救助効率のUPに着目し結ネットを導入したとのこと。
自治会にICT推進委員を設置しアプリの管理運用を行っていました。

平常時の活用

平常時に使っている機能は様々あり、主なものは下記の通り。

  • 電子回覧板機能

  • イベント出欠確認

  • クマ出没や不審者情報などの緊急情報発信

  • お問い合わせ機能 etc.

ここに書かれている機能はごく一部。
平常時から地域の情報発信やイベント活用がなされていることがわかりました。日常的に使うアプリだからこそ、災害時にも迷わず使うことができるのだとお話いただきました。

非常時の活用と仮想防災訓練の成果

米泉校下では先の能登半島地震にて結ネットの安否確認機能が活用されました。
安否確認に合わせてテレビ・ラジオ・インターネットでの積極的な情報収集を呼びかけたりもされたそうです。

米泉校下では仮想防災訓練と称して通常の防災訓練と合わせて結ネット上でも訓練を実施しています。
結ネットは災害モードになると画面の使用や通知音も普段とは異なります。
普段とは違う画面に焦ることなく対応するためにもこうした訓練は管理者・住民ともに必要ですね。
訓練の成果もあり、訓練時と実際の被災時で安否確認の回答率はほとんど変わらなかったんだとか。

災害を経て見えた課題

能登半島地震を経験し、訓練では見えなかった課題も赤裸々に語ってくださいました。

金沢市では特定の震度以上の際に避難所を自動開設するルールがあるんだとか。
しかし、実際にはそのルールが行き届いていなかったり、避難所の鍵を開けてくれる行政職員さんが来るのが遅れたりと、災害時に課題が浮き彫りになったそうです。
こうした観点からも、市からすべて受け身で対応するのではなく、自主防災的に地域で対応するためのベース作りが重要であるとお話しいただきました。

今は長い過渡期の途中。未来の自治会に向けて。

米泉校下でも、他の自治会と同様に成り手不足が課題とのこと。
自治会参加には仕事が落ち着いてきた段階や、子育てによる子ども会参加など、ライフステージに伴う側面があります。
デジタル化を進めてもなかなかすぐに若者の自治会参加へ繋がるわけではない現実がある一方、紙回覧と電子回覧を併用する手間や、どう引き継いでいくのがよい形かなど、時代の変化に合わせて模索している様子が伺えました。

実際にお話の中でも「今は長い過渡期」や「ビジョン」という言葉もありました。
今がなんとか回っているから良いのではなく、未来の自治会にどう繋げていくかという視点が現場の方々からも強く感じられ、CPUの薮野さんへのヒアリングでもお話にあった「ビジョン」が共有されていることも伺い知ることができました。

一筋縄ではいかない中でも、未来を見据え積極的にアプリの導入・利活用を進めている米泉校下のみなさんのお姿をみると、自治会の方々とビジョンを共有し未来を模索することは、自治会DXを進めていく上で非常に重要であることがわかりますね。

米泉校下町会連合会のみなさまとの集合写真

今回の記事はここまで。
ヒアリングにご協力いただいた米泉校下町会連合会のみなさま、本当にありがとうございました!


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