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慈悲の瞑想と四弘誓願

まえがき(四弘誓願)

 前回のエントリーでヨーガ・スートラの慈悲喜捨の補足として『慈悲の瞑想』について書いたのですが

『四弘誓願』も大切なことなので書いておきます。
◇衆生無辺誓願度
◇煩悩無尽誓願断
◇法門無量誓願学
◇仏道無上誓願成

衆生無辺誓願度

 慈悲の瞑想で唱えた、「生きとし生けるものが幸せでありますように」と同じことですね。


 我が家の天井裏でパタパタと小さな足音が走り回っています。
「チュー」とかいう声が聞こえます。
ありゃー
早速「ペストX」を注文しました。
注文してから

という記事を見つけました。
生きとし生けるものが幸せでありますように。


台所でも最近、Gが現れるようになりました。
明日はゴキジェットを買ってこようと思います。
生きとし生けるものが幸せでありますように。


四弘誓願のことを最初に聴いた話

千崎如幻とジミー棚橋

 昭和七年、ロサンゼルスに千崎如幻という禅の老師がいらっしゃいました。まだアメリカに禅が紹介されたばかりの頃の話です。

 このときクリーニング店を営む棚橋夫婦のもとに、衣を手にした身なりの汚いお坊さんが来て「これをクリーニングしてくれ」と頼んで帰って行きました。
 棚橋夫人はそれをきれいにクリーニングして待っていましたが、いつまでたっても取りに来ません。
 そこで直接家まで届けることにしました。
洗濯物を預かるときに書いてもらった住所を訪ねてドアをノックすると、頭をかきながら千崎如幻が出てきました。
「申し訳なかった。実はお金がなくて取りに行けなかったのだ」
 棚橋夫人は千崎師のかもしだすスピリチアルな雰囲気に魅せられて
「クリーニング代はご心配なく」と言いました。

 こうしてご縁が繋がった千崎夫婦にはジミー棚橋という息子がいました。
 このジミーは生まれながらに脳に障害があり自分の名前も言えませんでした。
 千崎師はこのジミーのお守をすることになります。
 千崎師はジミーを乳母車に乗せて、ロサンゼルスのリトル・トーキョーの街を歩き、自分の名前も言えない子供に一つの言葉を教えました。「衆生無辺誓願度」という佛教の言葉です。生きとし生けるもの、人間だけでなく動物も虫も植物も含めて、数え切れないほどあるものを一切合切救う誓いを立てます、という祈りの言葉です。
 言葉らしい言葉は何もしゃべれなかったジミーが千崎師の唱える「衆生無辺誓願度」を聞き始めてから七年目に、最後の「せいがんど」だけ言えるようになったのです。

ジミー棚橋と嶋野榮道

 時は流れて昭和三十九年単身ニューヨークに渡った若き禅僧がいました。名を「嶋野榮道」米国ゼロックス創業者が持ち株を布施して、それによりニューヨーク郊外に大禅堂を建立した人物です。
 ある時、嶋野老師はパシフィックコロニーという障害者の施設にジミー棚橋を訪ねていったことがあるそうです。
 そのときジミーは衣を着た嶋野老師を見て千崎師と勘違いしたのでしょう。
 伸びない指をせいいっぱい伸ばして合唱し「しえいがんど」と唱えたそうです。
嶋野老師はこのときのことをこう語ります。

 それまで私自身、何千回何万回「衆生無辺誓願度」と唱えてきたかわかりません。しかし、あのときジミーの口から出た「しえいがんど」くらいズーンと響くものは後にも先にも聞いたことがありません。
 だからもし「佛教というものを一言で言え」と言われたら、私はためらうことなく「衆生無辺誓願度」だと答えるでしょう。
 この言葉は、それほどに重要な佛教の神髄なのです。


嶋野老師のエピソード

 この嶋野老師のお話をもう30年以上前に何回かお聞きする機会がありました。四弘誓願という言葉を知ったのもその時でした。嶋野老師は立ち居振る舞いから常人とは異なっており、階段を昇る姿を見て[その後話を聞くことになるとは思いもしなかったにもかかわらず]只者ではないと感じたものでした。またお話されている時に空気の密度が濃厚になって『禅の高僧とはこんなにも凡人とは違うものなのか!』と良い意味でショックを受けたものです。

 とはいえ、その時のお話は以下のようなものでした。

 財布の中のお札を一枚一枚伸ばして
「ご縁があってお金が来たら、必ずこうしてしわを伸ばして『お疲れさま』と心で思え。
 財布に入れるときには一万円札を一番後ろ、五千円札をその前、千円札をその前にして、表裏も上下もきれいにそろえてピシッと並べて入れておくんだぞ。
 そして使うときには『いってらっしゃい』と言って『また帰ってこいよ』というような気持ちで使うんだ。
 そうしていれば一生金に困らんぞ」

というお話や(これは嶋野老師のさらに師匠の山本玄峰老師のお言葉なんだそうです)


 アメリカ人にホーリーネームを与える時に尊敬するお坊様の名を尋ねたら「一休(禅師)」というので、その倍も偉くなれるようにおまえの名前は「二休」だ。といったら「サンキュー」と言われて爆笑してしまった話とか

 アメリカ建国100年のときはフランス政府が自由の女神をプレゼントしてくれた。アメリカ建国200年では無名の日本の禅僧がメディテーションホールを贈ってくれた。とニューヨーク・タイムズに紹介された。
とか何度聞いても心がほかほかするお話ばかりでした。

 女性との不適切な関係が取り沙汰されて還俗されて亡くなられました。女犯といえば、日本のネルケ無方老師も尊敬する禅僧ですが、妻帯されています。
 どれだけ立派な老師でも女性にはかなわないのですね。

煩悩無尽誓願断 の、なんと難しいことよ😓


#ヨーガスートラ #ヨーガ・スートラ #慈悲の瞑想 #四弘誓願 #煩悩 #ヨーガ #ヨガ  #Yoga #禅

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