ChatGPTとインタビュー内容を作成する方法(前編)
ChatGPTを活用して定性的なインタビューの質問内容のたたきを考えてもらったり、実際にChatGPTに質問してもらって質問内容を見直すやり方を紹介した記事です。
インタビューは地味に難しい
企画職としてアイデアを考える際や現状の改善点を見つける場合、1つの手段としてインタビューを実施することがあります。
インタビューを実施すると、頭で考えているだけでは気づきずらい発見やユーザーの潜在的なニーズに気付けることも多く、情報を集める際に取れる手法としてとても価値があるものです。
しかし、このインタビューというものが曲者で、質問内容や当日のコミュニケーションの取り方次第で協力相手から引き出せる情報がかなり違ってくることがあります。
ですので、普段はインタビューの前にはインタビュー設計書を作成したり、事前に練習を行なって入念に準備をしてから臨むのですが、ここでChatGPTの力を借りることはできないかと考え、この記事を執筆してみました。
試してみたいのは以下の2点で、今回は質問内容を考えてみます。
後編ではインタビュー練習を音声入力しながら行う方法をまとめているので興味がある方は是非読んでみてください。
インタビューの質問を考える前に
さて、これからインタビューの質問をChatGPTに考えてもらおうと思うのですが、その前にやっておきたいことがあります。
それは、インタビューの目的を整理することです。
インタビューは自分達と協力相手も時間を使いますし、協力相手にはお礼金を支払うことが多いです。
また、案外インタビューに適した相手はホイホイと見つかることも多くはないのでせっかくのインタビューを無駄にしないためにはしっかりとそのインタビューでどんなことを知りたいのかの目的を決めておきましょう。
基本的には5W1Hに沿ってその目的を整理していきます。
簡易的に例を挙げると以下のような感じです。
インタビューでの質問のポイント
ChatGPTにインタビューの質問を考えてもらう前にインタビューの質問内容を作成する際のポイントをまとめてみます。
個人的にインタビューの質問を考える際には以下の点を意識しています。
アイスブレイクを挟んでつなげる
1つ目のポイントはアイスブレイクです。
時間もったいないし、わざわざ挟まなくてもいいじゃないかという方もいらっしゃると思いますが、個人的にはオススメします。
というのも、やはりインタビューに協力いただく相手は緊張しています。あるいは、こちらの期待に答えてくれるために意気込んでくれている方もいます(嬉しいことです)。
その相手に対していきなり質問から入ってしまうと、やはり緊張して普段の何気ない行動などの情報が出てきにくかったりするので、初めは挨拶も兼ねてたわいもない話で始めることをオススメしています。
そして、そこからぬるっと質問につなげていく。ここが個人的な質問の第1歩目です。
ぬるっと始めるとは何かで言うと。
例えば今回の対象でいえば、最初は自分が気になったニュースなどの話題からアイスブレイクに入ります。そこから何回かの雑談を挟んだのちに”〇〇さんは最近気になったニュースはありましたか?”とアイスブレイクの延長で質問に入ります。
こんな感じでアイスブレイクの延長上で質問に入ると相手もインタビューが始まったと言う感覚よりは雑談の延長で聞かれたことに答えると言う感じになるのでできるだけ自然体な形で答えてくれることが多くなります(とはいえ、このアイスブレイクからぬるっと始めるのは地味に難しいのでここは練習です)。
直接聞くのではなく間接的に情報を引き出す
質問を重ねていくと、”いつやってますか?”や”どんなツールを使っていますか”といったふうに直接的な質問が増えてきてしまいます。
直接的な質問が悪いわけではありませんし、実際のインタビューでは直接的な質問も織り交ぜながら実施します。
ただ、意外と知りたい答えは直接的な回答の周りにくっついていたりしまするものです。
例えば、以下の2つの質問をしてみます。
”どんな媒体で情報を収集していますか”
”最近気になった記事を何個か紹介してくれませんか”
上の方が直接媒体を聞いており、こちらの方が知りたいことを知れるので効率的です。ただ、一方で相手は媒体を答えたら終わるケースが多く、次の情報を引き出すためには質問を重ねる必要が出てきます。また、直接的な回答以外の情報があまり出てこないのも勿体無いところです。
他方で下の質問だと直接的に媒体を洗い出すことはできませんが、記事を何個か見せてもらう過程で、どの媒体に載っている記事か、どんな内容の記事か、どう言う部分に興味が惹かれるのか・趣向・価値観など媒体以外にもいろんな情報が引き出されます。
このような間接的に情報を引き出せる質問は直接知りたいこと以外にも多くの付随した情報をくれます。
普段の無意識な行動やニーズはこういった周りの情報から知れることがありますし、行動やシーンに関する質問にしていくとよりそのような情報が引き出せることが多いので直接的な質問以外にもこういった間接的な引き出す質問を織り交ぜることをオススメします。
5W1Hを意識して情報を引き出す
行動やシーンには5W1Hの情報がつきものです。
どこでいつその行動をするのか、どうしてその行動を取るのか、どうやってやっているのか、こういった情報を引き出すことでユーザーの具体的な利用シーンやニーズが見えてきます。
カスタマージャーニーマップなどにまとめる際にもこれらの情報があると時系列に並べやすかったり、チェネルがわかりやすかったりするので、インタビューする際には引き出せる様にしてみてください。
プロンプト for インタビュー質問
それでは実際にインタビューの質問のたたきをChatGPTに作成してもらうためのプロンプトです。
#役割
あなたはUXリサーチャーです。
インタビューからユーザーの行動の裏にあるニーズやインサイトを深ぼるためのインタビューの質問項目の作成支援します。
#インプット
-インタビュー目的
[ここに情報を入力してください]
#命令
・{#インプット}の{-インタビュー目的}をユーザーから引き出せる質問を考えてください
・質問は直接聞くことは禁止します。間接的にどんな行動を取るかやどうしてその選択や行動を取るかを引き出せるようなものにしてください
・意識的なものも拾いますが、無意識にとる行動も引き出しやすいような質問を考えてください
・1つの質問で引き出すことが難しい場合は連なる質問として一連の質問のセットを教えてください
・クローズドクエスチョンではなくオープンクエスチョンにしてください
・スタートとなる質問はアイスブレイクも兼ねたものにしてください。連なる質問は他の要素を含んで目的の情報が引き出せるものを考えてください
・一連の質問を通して5W1Hの要素をできるだけ満たせる様にしてください。
#アウトプット
最初の質問|連なる質問|その質問でどんなことを引き出したいか の順でリスト形式で3つアウトプットしてください。
{#インプット}の{-インタビュー目的}の部分にみなさんがインタビューで知りたいことを入力してください。
{#命令}の部分では先ほどあげたインタビューの質問を作成するにおいてポイントになることを設定してみました。
今回の例をもとに入力すると以下の様になります。
#役割
あなたはUXリサーチャーです。
インタビューからユーザーの行動の裏にあるニーズやインサイトを深ぼるためのインタビューの質問項目の作成支援します。
#インプット
-インタビュー目的
・企画やマーケティング職に従事する人の目に留まりやすいように広告を打つ媒体や手段を整理したい
・企画やマーケ職についているユーザーが仕事や日常生活の中でどの様にして仕事に関わる情報を収集しているかを整理する
・情報収集するためにとる行動でどうしてその行動を取るのか、どうしてその媒体を選ぶのかなど行動の裏にある思考やニーズを明らかにする
#命令
・{#インプット}の{-インタビュー目的}をユーザーから引き出せる質問を考えてください
・質問は直接聞くことは禁止します。間接的にどんな行動を取るかやどうしてその選択や行動を取るかを引き出せるようなものにしてください。
・意識的なものも拾いますが、無意識にとる行動も引き出しやすいような質問を考えてください
・1つの質問で引き出すことが難しい場合は連なる質問として一連の質問のセットを教えてください
・クローズドクエスチョンではなくオープンクエスチョンにしてください
・スタートとなる質問はアイスブレイクも兼ねたものにしてください。連なる質問は他の要素を含んで目的の情報が引き出せるものを考えてください。
・一連の質問を通して5W1Hの要素をできるだけ満たせる様にしてください。
#アウトプット
最初の質問|連なる質問|その質問でどんなことを引き出したいか の順でリスト形式で3つアウトプットしてください。
実際にGPT-4でこちらのプロンプトを入力してみると以下の結果になりました。
結果を見てみると最初の質問は間接的なものであり、1個目とかはアイスブレイクにも使えそうですね。
連なる質問は直接的なものが多いのでこちら側でブラッシュアップが必要そうですが、とはいえ、目的のことを知ることにつながっているのでこれらを織り交ぜながら使えそうです。
まとめ
今回はChatGPTを活用しながらインタビューの質問のたたきを一緒に作成してみました。ぜひ活用してみてください!
後編の記事ではChatGPTにインタビューしてもらいながらどんな質問が答えやすいかを考えてみる方法を紹介しているので気になる方は合わせて読んでみてください!
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